20230122学習ノート『現代戦略論』読了!

20230122『現代戦略論』
高橋杉雄先生『現代戦略論』読了しました!

「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」と併せてよむと、その中身がより理解しやすくなります。
戦略を立てるということはどういうことか。
目的・方法・手段の組み合わせを示すこと。
軍事戦略には二つの異なるタイプがあるということ。
ひとつは「安全保障戦略」であり、「手段」としての戦闘能力をどのような形で整備していくかを示したもの。
もうひとつは、「どう戦うか」という運用の指針を示したもの。
また、戦略は立てればいいだけではなく、戦略を立てていくという「プロセス」が重要なこと。
戦略を立てるには、勝ち組と負け組があり、負け組をどのようにして納得させ、「自分たちの戦略でもある」という当事者意識を持たせることが必要なこと。
「明確」という言葉は曖昧であり、どこまでが明確かというよりも、「失敗が何かを定義できるレベルの具体性を持つこと」が「戦略における目的が持つべき明確さ」となること。
アメリカにとっての対中政策と、日本にとっての対中政策がどう違うのかを把握すること。
米中は「覇権」であり、日中は日本が「現状を維持していく」ことであること。
「防衛計画の大綱」から「国家防衛戦略」まで、どのように変わってきたか。
基盤的防衛力構想から脱却しできたのか。
軍事バランスを考えた時、防衛費をどう考えるか。
2001年から比べて2021年には、東アジアにおける日本の防衛支出のシェアは半減してしまった。
これは、ただ単に中国が日本の4.3倍になったということではない。
日中のシェアが1対4.3になったということは、「攻者3倍の法則」から見ると、防衛できないということ。
中国側が「現状変革」を目的とするのに対して、日本側の目的は「現状維持」である。
中国の「セオリー・オブ・ビクトリー」を考慮しつつ、日本は現状維持が可能となるように「セオリー・オブ・ビクトリー」を構築する必要がある。
日本は防御的な防衛態勢を中心としながら、一定の反撃能力を備えることが望ましい。

《反撃能力が必要な理由は、純然たる防御的な防衛態勢だと、一度撃退されたとしても、中国側は改めて態勢を立て直して再侵攻することができるからである。それを防ぐためには、態勢を立て直すのを妨害するための反撃能力が不可欠となる。》

私は、安全保障や軍事について、専門的な知識があるわけでもありません。
ただ単に、近現代史を学ぶうちに安全保障に興味を持ったというだけで、そういう関係の本をいろいろ読んでいます。
この本は、軍事戦略について専門的なことも書かれていますが、とてもわかりやすい言葉で解説してくださっており、私のような素人でもとても勉強になるなぁと感じました。

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