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日常から排除されるもの、されないもの【幽霊船日記】

・唐突に『日常』を見返したくなったので、アマプラのアニメいっぱい見れるコースに一か月間無料で入ってみた。なんのためらいもなくサブスクに加入したので、こうやって使ってないサブスクの数が増えていくのだろうな、と思った。ただでさえ目に見えないお金の移動だというのに、それが月単位で自動的に行われるのだ。身体の代謝みたいだな。

・アマプラにはアニメタイムズ(正しい名前を調べてきた)以外にも、いろんなチャンネルがあるみたいだ。アニメタイムズに入れば他の見れなかったアニメも全て解禁されるかと思ったらそうはいかないらしい。なかなか良い商売をしてらっしゃる。今はアニメタイムズで見れるアニメだけに集中するようにしておこう。

・漫画の『日常』は全巻(11巻含む)持っているが、アニメはちゃんと見たことがなかった。特別禁止されていたわけではないが、家でアニメを見られるような幼少期をすごさなかったので、私の指折り数えられる版権オタクコンテンツの1つが『日常』だった。なんでハマったんだろうね。ずば抜けたアニメーションの表現が小さい自分には衝撃的だったのかもしれない。そりゃニコニコのタグに「圧倒的素材過多」とかつくわけだ。最初に見たのがコレで良かったのだろうか。まあいいか。

・『日常』を知ってたおかげで中学の頃に友達が一人増えたのを思い出した。そういうこともあるんだな。

・で、数年ぶりにアニメを見てみたわけだが、やっぱすごい。結局今でもアニメをそんなにみないので他の作品と比べるようなことはできないけど、アニメーション、声、音響が綺麗に噛み合って一体感のある映像となっている。声優さんすごいな。みおちゃんの声が本当にすごい。唯一無二の声質をしている。エチオピアの首都をあそこまで絞り出すように言ったのはみおちゃんが最初で最後だろう。

・「抜かしおる」ってそういえば『日常』のセリフだったな。やっぱりというか、そりゃそうなんだが、どこかで聞いたセリフがたくさんでてくる。「許してヒヤシンス」の元ネタを知らないひとも結構いる気がするな。

・『日常』にはこれといったストーリーもないので「間」をふんだんに使うことができるのが他の作品と一線を画す点なのかもしれない。エピソードとエピソードの間に挟まれる、街の風景の一瞬を気に抜いただけの数秒間が好きだ。絵のタッチもより写実的になっていて雑踏が緩やかに伝わってくる。迫力満載の本編との対比をしているのな。どこかの教室で爆発が起きている一方で、街の一画では野球部が走り込みをしている。漫画では描かれない横の広さというものを感じられて、立体的に「街」というのが浮かび上がってくる。まあ、そのアイキャッチで爆発が起きることもあるんだけど。

・やっぱトランプタワー回が一番すきだな。オチの付け方が強引すぎる。


・本当にかゆい。かゆすぎる。足がボロボロになりつつある。

・ぽろぽろとした音に、触り心地の良い声だけに耳を傾けて、歌詞やMVを気にしなければかわいい曲だなと思うんだろうな。実際最初はただのかわいい曲だとおもったし。

・かゆみ、という感覚は不快にとても結びついている。身体の内側から神経がいら立って、皮膚の所在無さが「気持ち悪い!」と叫び続ける。一度その苛立ちに気づいたら無視はもうできない。搔かなければ。掻けば不快は取り除かれるから。掻けば気持ちいいから。またもぞもぞしても掻けばいいから。そして血が出る。炎症が起きる。掻けば掻くほどかゆくなる。

・コンプレックスみたいなものだ。刺激しなければ腫れ上がらないのに、触れちゃうから膿んでもっと気になる。きれいな部屋にたった一つの汚れがあると全部が台無しに思えてしまってソレを排除したくなるみたいな。過剰防衛の曲だ。解決策は無い。嫌だな。

・私は皮膚が弱いのかこらえ性が無いのか、よく皮膚が真っ赤になっていた。背中が手の届く範囲だけ荒れたことがあり、皮膚科の先生に笑われたこともある。薬をもらう。薬をもらうとかゆみがどっか行っていったんは落ち着く。そしてぶり返す。周期性があるらしい。かゆみ100を一気に0にすることはできず100→0→80→0→60…みたいに、薬を使いながら段階的に治療する必要がある。治るときはいつの間にか治っている。治ったことにも気づかないくらいに、かゆみというものが日常から取り除かれている。「気にならなかったら気にならない」のだ。そう考えるとなんだか精神の強さで抑え込めるような気もしてくるがどうなんだろう。どうなんだろう?

・ああそれにしてもかゆい。ひざの裏がとてもかゆい。引っ越しをしてから一回も皮膚科に行っていない。さすがに行くべきか。


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