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はい名作。『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』

2020年2月17日
昼寝研究所寝言レポート#2155

さて、少しずつ読んでいた小説を読み終えました。
大澤めぐみ先生の『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』です。

わたしが大澤先生の本を読み始めたのはこのミスで紹介されていた『彼女は死んでも治らない』というぶっ飛んだ設定の物語からです。
有り得ないシチュエーションの世界を理論あるいは舌先三寸で畳みかける話術にすっかりはまりました。
続いて『おにぎりスタッバー』を読みました。
どういうお話か紹介しにくいのですが、過剰に発せられる言葉に打たれ続ける楽しさよ。といった感じでしょうか。
その続編『ひとくいマンイーター』もあわせての巧みな作品。
いずれもちょっと重いところがありそうで、でもそれを軽さで覆ってタラララーンという感じ。大満足で読みました。

で、この作品です。
長野を舞台にした高校生達の日々が極めて静かに、精緻な描写で描かれます。
語りはいつものように流暢ですが、章ごとに主人公が異なるために、文体も変わって、そこから見える景色が色々です。
第一章、第二章は。読んでいてとても好感が持てるので、彼等に幸せが訪れればよいのに、と思ってしまいます。
第三章の主人公はちょっと毛色が違っています。が、読んでいるうちにどんどん好きになる不思議。
そして、彼にだけ謎の存在が。なんじゃこのさらりとあり得ない設定? まあ、でも、彼一人になら現実にもそういうことは起こりえるか。
でも、その苦労がちょっと心に響くので、一度に読めないなあ、と。まあ、そんな感じでゆっくり読んでいたのです。
が、今朝、ちょっと早くに目を覚まして第四章をちょろりと読んだら……
バカに対する糾弾と怒りに満ちた呪詛あるいは足掻きのような言葉の連続。
それまでで何となくもしかしてこうなのか、と予想していた(そしてそれは作者の想定内だとここで思い知るのだけれど)事柄の、その遙か上をというか下をいく彼女の現実。
ああ、こんなものを読んでいたら心が揺れ動かずにいられない。教科書を嬉しそうに読まれたら泣いてしまうやろ。

この物語の世界を作る要素のうち1章が25%。2章が25%。3章が30%。と思っていたら4章だけで200%ぐらいになって百分率が何なのかも忘却の彼方へと流れ去ったことすら忘れて一気に読んでしまいましたとさ。

エピローグでほっとしました。というか、そこでアレを持ってくるなんて、カッコよすぎる!

青春小説を読んだのはいつ以来でしょう。
おもしろかったと記憶にあるのは……コバルト文庫の富島健夫先生『おとなは知らない』かな……いや、それはいくら何でも古すぎるか……
ミステリなら光原百合先生の『十八の夏』か。
まあ、数は少ないけど本作もわたしの中では記憶に残り続けるであろう作品でした。
名作です。

電子書籍の方は電子特別短編が巻末にあるので、是非こちらをオススメしたいです。

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なんと、明日の出張がなくなりました!
見るはずだったカンファレンスが開催中止。
そのメールが来たのが今日の朝……
切符どうすんねん!
前日払い戻しだと30%は手数料がかかってしまう~
と思っていたら、他の人が明日東京に行くとのことで、切符を使ってもらうことに。良かった~

3月に行われる予定の別のイベントも、今後開催or延期を決めるとのメールが。
これは、開催する側は大変だな~

イベント会社どうなっちゃうんだろ……

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じゃじゃーん、本日『チョコレートの天使』に60件目のレビューをいただきました~!
えーっと……人物や情景が細かく書かれていないから想像するのが楽しい、と。
……極めて好意的な感想ありがとうございます! あなたの想像力に乾杯! ありがとうございました!

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というわけで昨日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版が4冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2030ページ。ありがとうございました。

さあ、眠いから寝るぞ~
出張がなくなって正直嬉しいです。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

*2019年3月以前の1800回分の日記(主に戯れ言)は以下からお読みいただけます。



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