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寝言日記2019/10/25【今は昔の情熱】

昼寝研究所寝言レポート#2041

本を探す。というか、読みたいのに手に入らない状態というのがあります。
いや、今は滅多にそういうこともないのかもしれません。
ネットで探せばとりあえず大抵の本を見つかります。

わたしが高校生の頃はそうはいきませんでした。
高校の図書室は、夏休みは何冊でも本を借りられるようになっていました。わたしは欲しい本は大体購入していたのですが、母のリクエストでクリスティとクイーンを20冊ぐらい借りました。
高校の図書室にはこのミステリの巨匠のハヤカワと東京創元社の文庫がずらりと並んでいたのです。
で、わたしも暇なので庭の小屋に括り付けられたハンモックに寝転がってクイーンとクリスティを読みふけっていました。

子供の頃から子供向けミステリの叢書はたくさん読んできました。ナンシー・ドルーやチャンス・パーデュー、マガーク探偵団、少年探偵ブラウン、あかね書房の謎のシリーズ。ホームズも何作か読んでいました。

しかし、高校の時に読んだクイーンとクリスティから得られる楽しさは、完全に別ものでした。

そこからミステリに夢中になりました。
そして、あるとき古本屋でカーの『赤後家の殺人』と出会ってしまうのです。
この作家が『密室の帝王』などと呼ばれていることは文庫の巻末の宣伝や、目録で何となく知っていました。
が、特に「密室」に興味があったわけではなかったのです。まあ、おもしろいミステリだったらいいな、ぐらいの気持ちで手を出したと思います。

しかし、そこには強烈過ぎる謎が広がっていました。

「その部屋に泊まった者が謎の死を遂げる」という言い伝えのある館。
面白がってその謎に挑戦する人々。皆がその部屋の戸口を見守る中、繰り返される悲劇。

そして、最後にすべてが合理的に解き明かされていくという……

密室を始めとする不可能犯罪モノは手品的な傾向が強くあります。
読者という観客を驚かせるために繰り出されるトリック。
驚きました。そして、カーの魔法にすっかり魅了されました。

そこからカーの本を探し始めたのですが……
必死にハヤカワと東京創元社の文庫を集めました。
目録を見ては、作品の紹介に胸を躍らせ、行ける範囲の本屋、古本屋を回りましたが、田舎なのでどちらも少なく、規模も小さく、カーの本はあまり見当たりませんでした。

書店に取り寄せを頼んだのもカーの本が初めて。
が、あろうことかほとんどの本が「品切れ」という……
読めない本がたくさんありました。

その頃、東西ミステリーベスト100という文庫本を入手しました。
そこにはカーの本やクリスティも並んでいましたが、日本のミステリでも数多くの「不可能犯罪モノ」が紹介されていました。
その一つが島田荘司先生の『占星術殺人事件』でした。
比較的簡単に文庫が入手でき、読んで見たらば……
おお、なんということか。凄まじい驚きがそこには待っていました。

密室以上の不可能犯罪。それが描かれた一番優れた作品ではないかと思いました。いまでもそう思っています。

そこから島田荘司作品を読み漁りました。
ところが、すぐに尽きてしまいます。まだそれほど多くの作品が出ていなかったのです。
大学へ行って、あるとき書店に平積みされた新刊『異邦の騎士』を読んで、ああ、この作家が本当に好きだと思いましたとさ。

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なんかダラダラと書いてしまいましたが、あまり読み返しもせずにこのまま公開。
出だしと結論が別ものになった感も日記の醍醐味であるとしましょうか。

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というわけで昨日2019年10月24日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版が3冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2697ページ。ありがとうございました。

ありがたいことに『チョコレートの天使』がSF・ホラー・ファンタジーでずっと1位なのですが……例によって何ページ読まれているのかまったくわからないので、手応えもふにゃふにゃです。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

*2019年3月以前の1800回分の日記(主に戯れ言)は以下からお読みいただけます。



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