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浪漫は未だその中に

2022年2月15日
昼寝研究所寝言レポート#2881

ディクスン・カーという作家の本を高校の頃から集め始めました。中学生の頃に『密室の帝王』みたいな存在であることは知っていたのですが、この頃はSFばかり読んでいたので、興味はありませんでした。
だって、ミステリなんて毎回事件が起こって解決するだけの話でしょ? ぐらいに思っていたのです。

が、高校生の時にエラリー・クイーンクリスティを読み始めたら、もう止まりません。
毎回事件が起こって解決するだけの物語がなんとおもしろいことか。
複雑な謎、人間関係を容赦なく解きほぐす探偵という存在。
提示された謎が困難であればあるほど、探偵の存在が輝くのです。
もうね、わかりやすく言えばヒーローが活躍するお話ですよ。

で、その『謎』の見せ方に工夫を凝らした作品。それが『不可能犯罪モノ』なのです。
鍵の掛かった部屋で人が死んでいた。自殺でなければいったいどうやって? という『一見してあり得ない』状況での犯罪を扱ったミステリがあるのです。その代表的な例が『密室殺人』です。

ディクスン・カーは密室状況の作品がとても多い作家です。
高校生のわたしはあっという間にその強烈な世界に魅了されていきました。
鍵の掛かった部屋での殺人。雨上がりのテニスコートの真ん中に転がる絞殺死体。泊まった者が死ぬという部屋。警官が見張っている家での姿なき犯人による殺人。どれもこれも状況を聞いただけでワクワクします。
まあ、こんな不自然なシチュエーションばかりなので、びっくりするような珍妙なトリックもありますが、もうそんなの些細なことです。

本屋に並んでいるのはほぼ手に入れてしまったので、巻末に載っている他の作品を読みたいと思って近所の本屋に頼んでも、出版社で品切れ、という状況が当たり前でした。

て、社会人になっても買い続けて、その間にカーのブーム的なものもあって、まあ、大体揃っています。

が、ここ数年で『新訳』が何作も出てきているのです。
これを買うべきかどうか、というのは微妙な問題ですよね……
紙の本はもう買わないと決めているのですが……
幾つかの作品は紙&電子書籍で出ているのですが、そうでないものも多いのです。名作ユダの窓はKindleで手に入ります。ありがたや〜

で、東京創元社から『連続自殺事件』という新訳の作品が出るそうです。いまのところ電子書籍はなさそう。

これ、もとは『連続殺人事件』という作品でした。
古い塔の最上階に泊まった人が窓から飛び降りるという事件が発生。部屋には内側から鍵が掛かっていて、という強烈で素敵な謎。
ここにカーお得意のお手軽なロマンスも絡んで読みやすい物語となっているのです。トリックもシンプルで美しい。お気に入りのお話です。

その新訳か〜
と迷っていたのですが、表紙の絵を手がけられた榊原一樹さんの訃報を知ったということもあるので、もうこれは購入します。

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というわけで昨日2022年2月14日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版が1冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1331。ありがとうございました。

今日は仕事の行きも帰りも小説書きました!
しかし、あるところで行き詰まっています。ここらが色々と微妙なところなので、しっかり考えねば……

それでは本日もお疲れ様でした。
おやすみなさい。

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