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Kabu Berry Lab[スター・マイカ・ホールディングス(2975)IRセミナー ] 2024.5.9

目次


資料:https://kabuberry.com/wp-content/uploads/2024/05/starmica.pdf

事業内容

代表取締役社長 水永 政志さんが登壇。
東証プライム。時価総額は現在205億円

主に賃貸中の中古分譲マンションに1室単位で投資し、ポートフォリオで賃貸運用しながら、退去後に1室単位でリノベーションにより商品価値を高め、幅広い消費者層に居住用物件として販売を行う不動産会社。

これまでに積み上げてきた約4,000室の中古マンションから生み出される、賃貸利益(ストック収益)×販売利益(フロー収益)の独自のハイブリッド収益型ビジネスモデルにより、創業以来一度も赤字なく、業界No.1の約500億円の中古マンション売上高を誇る。

収益構造

オーナーチェンジ物件を投資家市場で購入。その後実需市場で販売するという、「中古マンションは空室にならないと売買できない」という業界の常識を覆した独自のビジネスモデルを持っているのが特長。

情報ネットワークやオペレーション、ファイナンスの点で参入障壁が高く、真似できそうでそう簡単に真似できないのがスター・マイカの強み。

収益構造

メイン事業としては、ファミリータイプのマンション物件の1室単位での売買に特化。直近のトピックもここに上げておく。

事業概要
直近のトピック

なぜかというと、中古マンションの成約価格は築10年経つと、築年数が下落じにくく、売買・保有に適するためであり、ここがスター・マイカの事業のミソとなる部分である。

中古マンションの市場価格

事業成果のスライド。
不況にも強いビジネスでもある。

事業成果

良質な物件をサブスクリプションのように賃貸収入を積み上げながら、新たな物件購入に回していくビジネスモデル。

物件へ投資するメリット

また、今後の日本の少子高齢化問題と、今後の中古マンション市場の成長性が書かれたスライド。

少子高齢化は間違いなく進んでいき、現在ある戸建ての住宅はどんどん空き家が増えていく。また、一方で家賃がどんどん高騰していく中で、いずれ現在の所得では普通の家に住めない人もどんどん増える。

事業の背景①
事業の背景②

では、そのような状況になったときに既に立っている家やマンションが余る訳で、新規で家やマンションを建てるための需要は減っていくものの、その分中古マンションについては今後中長期的な需要もより一層高まるのではといった説明である。

中古マンション市場の成長性


中期経営計画

中期経営計画の背景。
これまではマーケット上昇を活かしてエリア拡大・戸数増加をキーに利益成長していた。

しかし不動産価格の上昇もいつまで続くか分からないため、不動産市場の落ち着きにも備えて収益性×効率性による安定成長の基盤を構築する。

中期経営計画の背景

中期経営計画のゴール。
今あるものに目を向けて眠っていた価値に光を当てる。

中期経営計画のゴール

定量目標。
売上・利益等の具体的な係数目標は設定せず、関連する指標においてクリアしていくスタンス。

定量目標

中長期事業戦略サマリーについて。
今まで通りオーナーチェンジ物件の取得を通じて持続的・安定的な成長を目指す。

中長期事業戦略サマリー

業績推移

直近の損益決算書の内容については売上高がほぼ横ばい。
営業利益は9%減益。

損益決算書(PL)

続いて貸借対照表。
現金及び預金よりも販売用不動産の流動資産のほうが圧倒的に多い。
販売用不動産による資産は前年比よりも増加。

貸借対照表(BS)

株主還元に関しても利益成長に合わせて実施。
配当性向は40%と高めの水準。

株価

株価の月足チャート。現在603円
現在は波打っている安定したチャートの形になっているが、2015年頃から2018年までの上昇がエグい。

月足チャート(引用:株探)

業績予想を見てみても2015年以降から売上・営業利益が大きく上昇している。
なぜ大きく伸びていたのかは不明。
当時の決算短信や有価証券報告書が見つからず。より深く調べてみると何かヒントが得られるかも。

今期の業績予想(引用:株探)

考察・感想まとめ

貸借対照表の流動資産にある販売用不動産の金額だけ見ると、営業利益が20%以上などの大きな上昇が起こるとは考えにくいと思われる。

2023年11月期 決算短信(貸借対照表:資産の部)

一方で不動産価格は現在も右肩上がりのため、スターマイカにとってはまだ追い風の状態。不動産市場価格の伸び率は今後も注目していきたいポイント。

また、事業内容が安定しており、配当性向も良いことから、長期保有を行う銘柄としては良いと思われる。

一方でリスクを考えるとするなら、不動産市場価格の低迷もしくは同業他社による参入リスクである。

参入障壁としては高いものの、不動産企業は多いため、現在は中古マンションにあまり目を付けていない企業も、今後長い目を見たらこちらに向く可能性は十分にあり、それまでに圧倒的な地位を確立できるかといった点が今後の分かれ道になりそう。

終わりに

スター・マイカが行っている、住んでいる人がいる物件を購入し、その後退去した後にリノベーションして売却して利益を稼ぐビジネスモデルは確かに今まで聞いたことがなく、非常に面白いビジネスモデルだなと思いました。

また、冒頭にあった社長の経歴を聞くとスーパーハイスペックであり、不動産業を今まで営んだことがないのにここまで会社を大きくできる能力は人として凄いと感じさせられました。

社長の経歴

実際に事業説明の動画を聞いていても非常に説明が分かりやすく、さすが三井物産で経理の仕事をしていたこともあって財務的な内容まで非常に詳しいことから、何かこの人がイケると言っているからには大丈夫だ!と何となく思ってしまう節々があります。

株式投資をするにあたり、もちろんバイアスをかけずに冷静に事業分析を行って投資することが大事ですが、社長の経歴や能力を見てその会社にかけてみようという気持ちを持つことも株式投資の方法のひとつなのかなとも思いました。

個人的には安定感よりも成長性を感じた瞬間に投資をしたいと考えておりますが、いつそのときがきてもいいように、引き続きウォッチしていきたいと思います。


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