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個人投資家のための超わかりやすい株価チャート読み方の基本(2003/7/1 小山哲)

概要

2003/07/01に出版された非常に古い本。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル(チャート)分析を駆使した株価予測に自信がある当時投資アドバイザーの小山哲さんが著した本。

特にテクニカル分析(チャート分析)に特化した内容であり、チャートの読み方を基本として、「過去の株価の動き」から「未来の株価の動き」を推測するための技術が網羅されている。

ファンダメンタルズ分析といった企業の成長ストーリーを自分で描いて投資をする際の裏付けとして、チャートや出来高、移動平均線といったテクニカルの要素も取り入れることによって、売買時の需給予測を立てられるような技術が身に付く一冊である。

目次


印象に残った内容

短期間の上昇は相場の息は短い。一方でゆっくり上昇する場合の相場の息は長い

短期間で急激に上がるときは「連騰」が多い反面、相場の息は短い。
一方で「陰線」を交えながら上昇するときは、角度はなだらかだが、相場の息は長い。
陽線のタイプを分析することで、相場の息の長短にてついて判断可能となる。
 

移動平均線の長所は相場のトレンドがわかること

長所:目先の株価にとらわれず、相場の大局が読み取れる。
   → 相場のトレンド(傾向)がわかる

短所:値動きとの間にズレがあり、現実の株価より常に遅れてくる。
   目先の株価は予想しずらく、時には「だまし」にあうことも。
   → ローソク足とあわせて読むのが効果的
 

ゴールデンクロス・デッドクロスは特に大型株の相場を判断するときに有効

ゴールデンクロス:短期平均移動線が長期平均移動線を「下から上に」突き上げること。目先の株価が「上昇トレンド」に入ったことを示す。ただし、長期移動平均線が下向きであれば、その後の株価上昇は一時的であり、買いシグナルではないため注意。

デッドクロス:ゴールデンクロスの逆で、短期平均移動線が長期平均移動線を「上から下に」突き抜けてくること。目先の株価が「下降トレンド」に入ったことを示す。

これらの兆候は、市場に流通している株数が多くてなだらかな値動きをする大型株の相場を判断するときには有効。
一方で比較的値動きの激しい中・小型株では「だまし」もあるため、注意が必要。
 

「3つの陽線(三兵)」が底値で現れたら「買い」

3本のローソク足が出現することを「三兵」と言い、「大底」を打ったあとに出てきた場合には、大幅な上昇の予兆を示す「買いシグナル」とされている。
 

底値圏で「長い下ヒゲ陽線」は「買い」

長い下ヒゲ陽線」はかなり強い上昇圧力であり、売り方の圧力に比べて、値ごろ感などから株価上昇に賛成する買い方の勢力が勝っている状態。

理由としては、売り方の勢いで株価が一時的に下落したにも関わらず、買い活力が活発なために押し戻されてしまうから。

「下ヒゲ」が長いほど、信頼性が高く買い圧力が強いことを物語っている。
 

「逆襲の陽線」は「買い」

逆襲の陽線」とは、先週(もしくは日)の終値に比べてマイナスで始まった株価が、次の週(もしくは日)の大引では高く終了して陽線をつけることを言う。

これが底値圏で現れるということは、「これ以上の下値には買い注文が多い」ことを意味しており、下値不安は乏しくなる。
 

下落相場での「十字線(捨て子線)」は相場の転換点

下げ続けると、売り手側の手詰まり感(下げ過ぎではないか?)という意思と買い方の打診買い(そろそろ値ごろ感が出てきたため、反発するか?)が拮抗し、「十字線(捨て子線)」が発生する。

そのような場合は相場の転換点となり、陽転する可能性が高い。
 

天井圏で「長い上ヒゲ」が出現したら迷わず「売り」

陽線が連続して株価が上昇すると、「利益確定売り」や「空売り」が増えて上値が重くなる。
「買い圧力」に対して「売り圧力」が強いと株価が押し戻され、「長い上ヒゲ」を天井圏で付けてしまうと、そのまま下落トレンドに転換する可能性が高い。

その場合は迷わず「売り」を選択する。
 

「ダブル・ボトム」で底値を確認する

1回目のボトム:多くの陰線を付けて出来高はやや増加する。このときは株価も下げ過ぎるため買いが入って反発するも、「買い方」も自信を持つまでには至らない。

2回目のボトム:前回と同水準で反発すると、これ以上の下落はないと判断し、売り方は買戻しにかかり、買い方は上昇への自信を取り戻す。

このような動きで「ネックライン」を上抜いてくるところでは出来高は急増し、底値圏を脱出する。

仕込みどころとしては、2番目の底値を確認し、上昇を始めたときである。
 

感想まとめ

自分の投資スタイルがまだ確立していなかったときにBOOKOFFでこの本を手に取り、200円で購入。

自身の投資スタイルを確立させるのに約8年(空白期間を合計すると2 ~ 3年間くらい?)かかりましたが、現在は井村俊哉さん、片山晃さん、DUKE。さんのようなファンダメンタルズ分析と企業成長のストーリーを自分で描き、安く買って高く売るというトレードを軸に行っているため、この本の内容をメインで取り入れているかというと、あまり取り入れていないのが実情です。

しかし、株式投資を行うに当たっては全体の需給を見極めることも非常に重要であると認識しており、テクニカル(チャート)分析を軸にしているトレーダーが一定数いるということは、株価にも当然織り込まれるので、特に売り時に関してはテクニカルな部分もある程度参考にしています。

・・・とは言っても細かい技が多すぎて私自身はほとんど名前も技も覚えられていませんが、デイトレやスイングトレードなど短期的なトレードにも活用できる知識だと思うので、覚えることが株式投資にとって優位になることは間違いないと思います。
 

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