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Kabu Berry Lab [マキヤ(9890) IRセミナー] 2024.04.21

目次


資料:https://kabuberry.com/wp-content/uploads/2024/04/makiya.pdf

事業内容・直近の業績

総合ディスカウント店「エスポット」を展開。静岡県を地盤として100店舗以上を展開している会社。
常務取締役 執行役員 管理本部長 竹島剛 氏が登壇。
東証スタンダード。時価総額は現在106億円。

事業内容は下記の通り。
小売業を中心に様々な店舗をフランチャイズ的に展開。
売上規模はエスポットが6割、その他業務スーパーやHARD-OFF、ダイソーなどの店舗も持っている。
店舗数としては業務スーパーの比率が高い。

会社概要・事業内容
店舗情報

続いてマキヤグループの強み。
地場の企業としてテリトリー内でお客さんが離れない。
全国区のイオンなどと比べても価格競争で負けておらず、地域に根差した強い仕入れネットワークを持っているのが強み。

また、複数業界のシナジー効果が得られるのもポイント。

マキヤグループの強み

業態別売上高としてはダイソーや業務スーパー、HARD・OFFの売上がここ近年では伸びている。

推移販売とか悪競争力・複数業態展開のシナジー

第72期第3四半期 【連結】 損益計算書の内容。
円安効果もあってか売上高・営業収益は着実に伸びている

損益決算書

主に食品等の原材料価格高騰による販売価格の上昇により、損益計画の金額もUP。

損益計画

経営指標の推移。
売上高が着実に伸びている。

また、気になる点は来店客数が今年は伸びるという予想値。
グラフにすると大きく見えているが、下値が29,500千人なので、コロナ明けから約1.1倍の上昇という予想。

経営指標の推移

企業努力の項目。
最近は時代の流れを汲み、キャッシュレス事業にも力を入れている模様。

キャッシュレス決済の利便性強化

M&Aの実施項目。

ユージュアルグループの完全子会社化

今後の経営課題への取り組み方針など
PBR対策についてはしっかりと指針を設けており、近年はIR活動も積極的に行っている模様。
株価も意識した経営になりつつある。

経営課題への取り組み方針・サステナビリティへの取り組み・企業価値向上(PRB改善)への取り組み検討

 

業績推移・予想

株探から拾ってきた推移。
2000年から見ると売上高・営業利益ともにそこまで伸びておらず、2020年3月期くらいまでは低迷時期が続く。

一方で2021年3月期からは上昇傾向
ひとつの理由としてはコロナにより外食から家で食材などを消費する機会が増えることで、個人客の売上が伸びた模様。

今期の業績予想(引用:株探)

 

株価

株価は現在1010円。
地場の企業ということもあってか流動性は低く、PERも6.7程度。

チャート上特に株価が伸びているのは、①2020年3月中旬以降と②2022年6月中旬頃。

①はコロナが流行った時期で、特需が発生。短期で急騰した。
しかし上方修正が発表されたころには急落し始めているため、投資家も短期による特需と考えていたものと思われる。

実際:2021/05/07の決算が出ると当期の業績は最高値であったものの、来期の業績見通しが低かったため急落が続き、元の株価水準まで戻っている。

②はこれは円安効果で値上げが続き、値上げを転換して利益に繋がったと思われる。株価が急騰する前は増配も行われている。
2023/10/24には上方修正を発表。一瞬急騰後、現在は持ち合い状態。

週足チャート(引用:株探)

考察・感想まとめ

2000年から現在までの株価のトップ・ボトムがそこまで大きくなく、流動性も低いことから、キャピタルゲインを積極的に行って利益を生む銘柄としては向かない。

一方で地場産業を支える企業として重要な役割を果たしており、安定性があることから、株価水準がかなり低くなった状態で買っておき、地場の企業を応援するといった意味合いで今のようなタイミングまで持っておくやり方は良いと感じた。
 
また、小売業はB to Cであるためどれだけ個人客がモノを買うかということが焦点となり、「数量」 × 「単価(差益)」のどちらかが伸びれば会社の業績は伸びる。

株価の欄の①の急騰は「数量」が起因、②の急騰は「単価(差益)」が起因となっているため、もちろん企業努力にも目を光らせていきたいが、まずは今後の社会情勢の変化を敏感にキャッチして仕込んでいきたいところ。
 
ただし最近の株価の動きは上方修正後も待ってましたの利益確定売りからの下落が激しいため、思惑で調べて買って熱狂してきたときには最高値でも売り抜く必要性を考えさせられた。
 

終わりに

私は静岡県に住んだことはないので、マキヤが展開しているお店には足を運んだことはありませんが、私が住んでいる愛知県にもアオキスーパー(現在はMBOにより上場廃止)という地場のスーパーがあり、よくお世話になっています。

小売業で面白いのは、地域によってテリトリーを持っていることがそのまま仕入れの強みに繋がるところで、巨大なイオンなどが進出してもそれぞれの地場のスーパーが生き残り続けていることです。

確かにイオンやマックスバリューとかに行くと品揃えもいいですし、ポイントも溜まりやすい、まとめて仕入れることで価格が安いものも多いのですが、それでも野菜やお肉、魚、その他もろもろ含めて地場のスーパーって安いものは本当に安いんですよね。更にそこから半額のシールが貼られると、もうめちゃくちゃお得・・・

そのような意味では今後更に全国区のスーパーが出来たとしても、地域の産業や市民の生活を支える上で、これからもマキヤのような会社を応援していきたいなと思いました。

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