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これが長期投資の王道だ(2017/8/9 澤上篤人)

概要

日本に長期投資を持ち込み根づかせてきた長期投資のパイオニアである澤上篤人さんが書いた本。

澤上さんは、ほとんどの投資家が追いかけるのは「お金」、そして「儲け」である。投資の本質とは、まったく別物だ。ということをキッパリと断言しており、そもそも長期投資とは何か?、なぜ長期投資が有利と言えるのか?、見るべき投資指標は何かという疑問についての答えがギュッと1つに纏められている。

目次


印象に残った内容

マーケットはありとあらゆる参加者が、自己利益の追求で群がり集まってくる場所

ありとあらゆる参加者が、一定のルールの下で自由気ままに自己利益を追求する。
だからこそ、マーケットで時々刻々と形成される価格は、その時々の経済活動全般を如実に映し出し、次なる経済活動につながる貴重な情報となる。

投資なんて安く買っておいて、高くなるのを待って売るだけのこと

安く買い仕込みしておけば、どこで売っても投資リターンとなる。

みなが怖がって逃げる時は、なんでも安く買える

長期投資にとって暴落相場は天の恵みであり、「もったいないことをしている」と待ってましたとばかりに拾いに行くのが、投資というものである。

投資は勉強すればするほど難しくなるし、儲からなくなる

いくら高度に理論やら数式をひねくりまわしたところで、演算して出てくる投資判断は、どこも似たり寄ったりとなる。
どこも似たり寄ったりとなるような投資判断には、何の価値もない

長期投資ではマイペースの投資を貫くに限る。

長期投資では「安く買っておいて、高くなったら売る」のリズムを大事にする。
間違えても、「できるだけ安く買おう。下値はどの辺りだろう」とか「この上昇相場を天井近くまで追いかけて、儲けを最大化してやろう」などと欲は出さない

価値があるものを皆が売っている安い間に拾っておき、いつかどこかで皆が買い群がってくるのを、のんびりと待つこと。
相場動向に一喜一憂しても無駄である。

理想の買いタイミングは、先行投資期の後半あたり

個々の企業の利益成長サイクルをしっかり押さえておけば、利益回収期に入ってから慌てて買いに行くことはなくなる。

いずれ近い将来に利益回収期が到着する企業の株を、先行投資期の後半あたりから買い始めれば、理想の買いタイミングをつかめる。

どの企業も先行投資期には利益が圧縮され、財務悪化やROEが低下することは避けられない。そこが長期投資家にとっては買い出動のタイミングである。

わからないものには手を出さない

皆の顔が真っ青になっている時に、買い注文を出せるかどうか。
それができないような投資対象は、すべて「よくわからないもの」として、最初から手を出さないこと。

分散投資ではなく集中投資

わからないものには手は出さない。
一方で、分かるものにはもっと積極的にリスクを取りに行く。
リスクを取って大きな儲けを得にいくのが株式投資というものである。

感想まとめ

どの投資方法が良いのか自分の中で定まっていなかったときに読んだ本であり、長期投資とは何なのかというのが少し分かったような気がします。

澤上さん自身がマーケットは自己利益の追求で群がり集まってくる連中しかおらず、お金の奪い合いをする場所とハッキリ言っており、個人的な意見は置いておきつつも、なかなか面白い内容でした。

現在の投資方法としては業績やモメンタムを含めて自分の中でストーリーを立てて、それがいつ株価に映し込まれるかを考える投資方法に落ち着き、澤上さんの言う「勉強し過ぎるな、マイペースにやれ」というやり方とはすこし離れてしまっているものの、集中投資で安いうちに仕込み、高くなったら売るという本質的な考え方に相違はないので、投資の考え方についてとても勉強になりました。

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