10万円から始める! 小型株集中投資で1億円(遠藤洋)
概要
個人投資家の遠藤洋さんが記した本。
遠藤さんの基本戦略は、1年以内に株価3 倍以上を目指せる小型株をみつけて、集中投資することで、ホームランを狙っていくスタイル。
逆にいうと、どれだけ魅力的な会社だとしても、1年以内に株価3倍以上を目指せない会社は投資対象外とするなど、かなり強気な投資方法である。
しかし、資金が少ないからこそ小型株集中投資でリスクが取りつつも、集中した銘柄をしっかりと分析することでリスクヘッジを行い、結果として1億円以上の利益を得るまでに至った方法について書かれている。
目次
印象に残った内容
投資は最初が一番つまづきやすい。成長曲線の上昇トレンドに乗るまで続けることが大事。
最初の頃は思ったように成果が出ない。
「初期停滞」で多くの人が挫折して投資を辞めてしまうが、辞めてしまうのは勿体ない。
成長曲線の上昇トレンドに乗るまで続けることがまずは大事。
1000万円の到達までは基本1銘柄、多くて3銘柄まで!
・資産100万 ~ 1000万円
→ 基本1銘柄、多くて3銘柄くらい
まずは諦めずに投資を続けること。途中で辞めない。
・資産1000万円 ~ 3000万円
→ 3銘柄くらいまで
自分の投資スタイルに自信が付いてくるころ。
余剰資金は全資産の1~2割を目途に確保しておく。
・資産3000万円 ~ 1億円
→ 5銘柄くらいまで
上昇トレンドに入った有望な銘柄を安値で拾うこと
大事なのは資産を減らさないこと。
余剰資金は全資産の2~3割を目途に確保しておく。
・資産1億円超 ~
→ 日本で上位2.3%に入る資産家の仲間入り。
自分へのご褒美を用意しておく。
上には上がいることに気づく一方で、自分の幸せも考え直す。
1年以内に3倍以上になる成長株の8つのポイント
① 上場して5年以内の会社
大企業は経営基盤がしっかりしており、伸びしろが小さい
一方で小型株は資金を活用して事業を拡大するため、伸びしろが大きい
(例:mixiなど)
② 時価総額が300億円以下
時価総額が小さいと化けたときに株価が何倍にもなりやすい
③ 創業社長が現役
ずば抜けたカリスマ経営者がいる会社のほうが事業拡大しやすい
(例:Amazon、Facebook、ソフトバンク、楽天など)
④ 社長や経営幹部が大株主
経営者と投資家の利害が一致することで、株価対策に真摯に取り組む
(例:ソフトバンクなど)
⑤ 高学歴の新卒社員がいる
高学歴で優秀な新卒が入るベンチャーはキラリと光る成長力を持っており、事業も伸びやすい傾向にある
(例:グリー、イトクロ、ベイカレント・コンサルティングなど)
⑥ 社員の平均年齢が若い
伸びしろという点において、若い人が多いほうが世の中の変化に敏感で臨機応変に適応できる。また、チャレンジングな人が多いため。
⑦ みんなが欲しいと思う商品を提供している
株価が大きく上昇するためには、その会社の業績が大きく上昇する(もしくは、上昇するだろうと多くの投資家に思われる)必要がある。
「自分が一番可愛いと思う人」に投票するのではなく、「みんなが一番可愛いと思う人」に、周りのみんなより少し早く投票するのが投資で大きなリターンを得るコツ。
⑧ 株価チャートが上昇トレンド
株価が上がる底値で投資して値上がりを待つよりも、「今値上がりしている銘柄」に投資した方が投資効率が高まる。
出来高を伴って株価が上がり始めたタイミングがベスト。
大株主の考えを想像する
経営陣が大株主であれば、業績が伸びている間は売られる可能性は低いと考えられる。
一方で大株主の経営陣が自社株を売り始めたら株価下落を警戒する。
会社の成長フェーズを見極める
売上高が伸びていても、先行投資に回していれば利益が伸びていないことも。
会社の成長フェーズを見ることで、会社の将来性を見極める。
・成長企業 → 先行投資型:広告宣伝費や人件費に積極的に投資
・成熟企業 → 株主還元型:株主に利益を還元
・保守企業 → 内部保留型:利益をそのまま内部保留
小型株集中投資のメリット
① 管理がしやすい
→ 保有銘柄の業績確認や調査などをマメに行うことができる。
② 塩漬けしなくなる
→ 損切りルールを作って傷を浅くしつつ、チャンス株でリカバリー
③ チャンス株を掴んで大逆転可能
→ 大きく値上がる銘柄を見つけられれば大きく資産を増やせる
上昇株は「質を伴って上がる株」と「期待だけで上がる株」の2つ
実質を伴って上がる株・・・時間をかけてじわじわと上昇
期待だけで上がる株・・・短期間で急上昇・急下落
法律・ルールが変わるときは投資チャンスが生まれる
カジノ法案が通る:アミューズメント業界などにお金が流れる
人材採用の法律が緩くなる:人材関連業界の株価上昇に繋がる
→ 法改正や社会のルールが変更されるニュースをキャッチしたときに「有利になる業界はなにか?」と連想してみる。
また、裁判所(最高裁判所)の判決も、内容によっては株価に影響をもたらすことがある。
大きく報道されるかどうかという点もポイントの1つ。
「買い時」と「売り時」
【買い時】
・流行ってきたと実感したタイミング
・テレビCMを打ち始めたばかりのタイミング
→ アーリーアダプタ(初期採用者)が手を伸ばすタイミング
【売り時】
・新規ユーザー数よりも退場してしまうユーザー数が増えてくるタイミング
→ アーリーマジョリティ(前期追随者)が手を出したタイミング
流行りの移り変わりが早いものに関しては、「キャズム」を超える前に買い、超えた後に売ることが投資で儲けを出すための大きなポイント。
また、流行りの移り変わりが少なく、継続的に伸びていくものに関しては、アーリーマジョリティ(前期追随者)からレイトマジョリティ(後期追随者)に移り変わるポイントが売り時になる。
上昇トレンドが続いている間は売らない
含み損のある銘柄をすぐ損切り → 他の含み益が出ている銘柄に回すほうがトータルの利回りは上昇する
即損切り→上昇している銘柄を長く持つのが基本。
一番の高値で売るのは不可能とあきらめて、「少し下がってから売ればいいや」というくらいのスタンスのほうが丁度よい。
投資家仲間をつくること
投資家仲間をつくって、勝っている投資家から教えてもらうことが大切。
自分だけでは到底得られないような幅広い情報や深い考察が得られるようになる。
感想まとめ
現在は円安基調で景気が良くなり全体的に日経平均株価が大きく上昇している局面であるため、大型株にも機関投資家や新NISAなどの個人マネーが流入して大きな株価上昇の要因となっておりますが、基本的に化ける株というのは小型株のほうが圧倒的に多いというのは過去のデータから見ても納得できる内容でした。
特にここ数日では地政学リスクによる株価の短期的下落が凄まじく、そのまま下降トレンドに変わるリスクもあるため、下降トレンドに備えて景気に左右されにくい成長小型株へのシフトも視野にいれております。
私自身も流行りへの乗り方や売り時の判断については迷う部分も多かったので、この本を読み返すことで大きく利益を取るための作戦を再度考え直そうと思いました。
また、同時に銘柄選定の部分についてももっと様々な株価上昇ケースを研究し、未来のテンバガー銘柄を見つけるための見る目を養っていきたいと思います。
遠藤洋さん X(旧Twitter)アカウント
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