1 はじめに 2 ナインポイント 3 セブンカード
◆ 1 はじめに
社内のインストラクターに就く方を対象にまとめています。店長さんが、スタッフに対して活用できるツールもたくさんあります。活気のあるチームつくりに役立ててください。
「知っている・できる立場」から、「知らない・できない」メンバーに向かい合うので、知識の押し売り=マスターベーションになることがあります。
関心を持てば、自分から知識を学びます。この、「関心を持つ」状態に引っ張るのが、インストラクターの一番大切な役割です。
一方で、「できている」つもりのメンバーに対しては、さらに高いレベルを見せて、チャレンジする気持ちを持たせます。厳しい態度も必要です。慣れ合いは感心しません。社内の場合、このあたりの加減が難しいかもしれません。
どちらの場合も、メンバーが自ら参加する雰囲気を作るセンスが、インストラクターの力量です。
ここでは、メンバーの心を開き、興味を持たせるツールをまとめました。実際に、弊社の研修で使っているものばかりです。
【追記】
・研修については、参加メンバーを20から30 名で想定しています。なお、グループワークは、7名を上限として運用するのが効果的です。
・店長さんが朝礼などで活用することもできます。店長のアイデア次第です!
◆ 2 ナインポイント
1.縦に3つ、横に3つ、全部で9つの点が正方形になるように並べます。
2.連続する4本の直線で、9つすべての点を結びなさいと指示します。「連続する」=一筆書きできるということです。
3.時間は、3分程度にします。
外側の「枠」が目に浮かんでしまい、ぐるりと線を引くメンバーがいると思います。この外側を結んだ正方形が頭に刻まれると、もう正解には届きません。
正解は、枠を超えて線を延ばしていくとひらめくはずです。ずっと延ばします。そして、大きな傘の形になるようにイメージします。
できた人には手を挙げてもらい、前にでて、ボードに解答を書いてもらうとよいでしょう。きちんと認めるということを伝えます。
研修の開始時、業務が気になっている、他の心配事があるなど、メンバーのコンディションは様々です。それを、研修の「今」に集中させる目的で活用します。
同時に、我々の脳が、自然に「枠」の範囲内で物事を処理しようとする傾向があることを体験し、研修では、自分から枠を超えるチャレンジをするように勧めます。
◆ 3 セブンカード
1.セブンカードをペア数分用意します(1ペアで1つのカードを使います)。
《セブンカードの作り方》
一つの図形(台形が好ましい)を7つの小片(正方形、長方形、三角形など基本的図形)に切り分けます。
2.メンバーを2人ずつのペアに分けます。それぞれにセブンカードを渡します。
3.ゲームの説明をします。
・伝言、伝達ゲームである(7つの小片を並べてつくったサンプル図形を伝言で伝え、再現する)
・1人は情報をとり、相手に伝える役割
・図形は何度でも見に行ってよい
・1人は相手の情報に従って、図形を並べる役割
・作業テーブルの前に、背中合わせに座り情報を伝える者は、作業を見ることなく、背中合わせの状態のまま、情報を伝達する
・図形を並べる者は、相手の指示とおりに並べるが、指示に対しては、「わかる」「わからない」の言葉しか使えない
4.ゲーム時間は5分から7分。
5.役割を交代して、再度チャレンジする。作戦タイムを設けて、ゲームを振り返り、上手くいったこと、上手くいかなかったことを話し合い、新しいやり方、伝え方のルールなどを決めてチャレンジする。
研修の空気を馴染ませるのにも役立ちます。体験学習の導入として使います。
振返りでは、メラービンの法則=コミュニケーションでは、言葉7%・声の表情38%・動作55%という割合で能力を活かしている、を解説します。
ゲームでは、相手が見えない状態になるので、「手段」が言葉に限られます。この条件下で、声の表情を意識するメンバーは少なく、なかなか図形を再現できません。
言葉だけでは、なかなか「考えていること」が伝えられないことを理解させます。
コミュニケーションが言葉で成り立つと信じている「思いこみ」を示し、実際は声の表情、動作から相手を感じ取っていることを説明します。
ゲームの状況を画像におさめ、フィードバックでそれを見ながら、どのような仕草が出ているかを相互確認してもらうようにするとよいでしょう。「伝えたい!」という気持ちが、身を乗り出す、肩を震わす、足を組みかえるなどたくさんの身体の動きになって表現されています。
伝える人は、「伝わっている」、受け取る人は、「理解している」と思い込む傾向があることを理解させます。
相手の動きや、声の表情などに目配りして、様子を感じることの大切さを教えます。
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