4 インストラクターの職責 5 インストラクターに求められる基礎能力 6 学習援助の原則

◆ 4 インストラクターの職責
【受講するメンバーに対する責任】
①研修目的、計画を明示する
②学習のチャンスを提供しながら、短時間で効果が実感できるように工夫する
③トレーニング技術、方法を上手に組み合わせて、メンバーが楽しく、積極的に学習できるようにする
④メンバーの習得度を評価し、フィードバックする
⑤メンバーからの信頼、安心を得るように一貫した姿勢を持ち続ける
【インストラクター自身に対する責任】
①研修内容についての専門技術・知識は、つねに勉強を怠らない
②時代の変化、受講するメンバーの環境変化などに合わせて、研修内容も検討・更新する
③ベストの状態で臨めるように、健康管理に努める
④協力を得られるように、ネットワークを大切にする
⑤研修企画、マニュアル、インストラクターツールについては、つねに改善・改訂をする

◆ 5 インストラクターに求められる基礎能力
①計画する能力・・・限られた時間内で目的を達成することができるように、計画を立てる
②指導する能力・・・研修の着地に向かって、受講メンバーを導く
③教示する能力・・・新しい知識や情報を正しく学習するために教え、示す
④指示する能力・・・研修に素直に参加できるように、納得できる説明をする
⑤促進する能力・・・限られた時間内で、プラン通りに研修を進めていく
⑥比喩する能力・・・具体例、失敗例など、メンバーの理解を助けるために、わかりやすい例え話ができる
⑦理解する能力・・・メンバーの発言などを正しく聴き、理解する
⑧状況判断能力・・・場の空気、雰囲気を感じ、必要に応じてプランを修正する
⑨激励する能力・・・メンバーに対して、絶えず励まし、勇気つけの言葉をかけていく
⑩刺激する能力・・・メンバーの思考や記憶を呼び起こすために刺激を与える
⑪審判する能力・・・対立した意見などに対して、正しい審判や判断を下して、進行をサポートする。発言の少ないメンバ-へのアドバイスも必要になる
⑫制御する能力・・・ディスカッションなどで、盛り上がるのはいいが、必要以上にメンバーに引きずられない

◆ 6 学習援助の原則
1.受講するメンバーの障害を取り除く
 ①不安感を取り除く
 ②緊張感を解きほぐす
 ③効果的に学習できるような環境をつくる
2.受講するメンバーの意欲を喚起する
 ①興味、関心、欲求に働きかける
 ②学習の結果が生む利益を伝える
 ③身近な経験、印象に関係つける
 ④目的をはっきり示す
3.受講するメンバーを主役にする
 ①既知から、未知へ導く
 ②全体を示し、次に部分に入り、次にまとめる
 ③メンバーの個人差を受け入れる
 ④メンバーにあった言葉をつかう
 ⑤一つひとつ理由を明快に説明する
 ⑥メンバーの理解スピードに配慮する
4.実践的サポートを心がける
 ①事実に基づき、実際の事例を上手に使う
 ②現場の仕事、問題に関連つけ、共感させる
 ③体験させて、感じさせ、考えて理解する
 ④建設的助言、アドバイスは惜しまない
 ⑤間違いの指摘に執着しない
5.五感を活用する
 ①多くの感覚器官を活用する
 ②「印象」が残るように工夫する
 ③連想させる
6.達成感を活用する
 ①集中力の限界に気遣いして、一時に一事を伝える
 ②学習の習得、理解には称賛を与える
 ③自ら考え、働きかけるように励ます
7.反復して、継続する
 ①繰り返し活用し、練習させる
 ②反復練習の障害を取り除く
 ③手を変え品をかえて、目的を達成させる

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