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20を超えるBtoB SaaSの価値を最大化する「クラウド横断本部」~Vol.1 本部長 神谷 和志~

(本記事は、2022年12月にインタビューした内容をもとに編集しています。)

こんにちは、マネ―フォワードビジネスカンパニーHRBP室の東岡です。

バックオフィス向けSaaSプロダクトを提供する「マネーフォワードビジネスカンパニー」(以下、MFBC)では、現在20を超えるプロダクトをリリースし、日本のバックオフィスを支援しています。

今回は、BtoB SaaSの価値を最大化するために、日々横断的なプロダクト開発に取り組む「クラウド横断本部」の魅力を届けるべく、シリーズ連載として3回に分けてnoteを公開していきます。

シリーズ連載は以下の通りです。

Vol.1:クラウド横断本部 本部長 神谷和志
Vol.2:クラウド横断本部 共通サービス部部長 原田大輔
Vol.3:クラウド横断本部 サスティナブルアーキテクト部部長 原田郁裕

今回は第一弾として、本部長として本部を牽引する神谷にインタビューをしました!ぜひご覧ください。

神谷 和志(かみや かずし)
マネーフォワードビジネスカンパニー
クラウド横断本部 本部長

2001年に受託開発会社でエンジニアとしてのキャリアをスタート。長期間にわたり不動産情報サービスの入稿システムの開発・保守運営のマネジメントを担当する。その後、グリー株式会社で主に技術関連部長として社内外のテクニカルディレクションを行う。
2018年、個人向け事業領域のVP of EngineeringとしてマネーフォワードにJOINし、組織づくりや主に新卒採用・研修を管掌する。2021年からは、マネーフォワードビジネスカンパニーで、プロダクトと横断的に関わるサービスを開発する「クラウド横断本部」の本部長としてプロダクト開発に取り組んでいる。

クラウド横断本部とは?

ーまず初めに、クラウド横断本部と、本部長の神谷さんについて、簡単なご紹介をお願いします

神谷:まずクラウド横断本部ですが「横断プロダクトを通じて、MFBCプロダクト全体の信頼性を獲得している。」というビジョンを掲げて、バックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」の共通機能として利用されるマイクロサービスであったり、共有の技術負債の解消などを行っています。

クラウド横断本部の掲げる、ビジョン
(「Goal」は、半期ごとに変更しています。)

その中で、私は本部長として、本部のプロダクト群や開発全体を管轄しています。

具体的には、各チームの技術的方針決定のためのディスカッションをメンバーと行ったり、開発をより加速させていくためのプロジェクト上の人員配置を計画したりしています。本部全体の組織づくりも役割で、最近のトピックとしては、組織の英語化について推進しているところです。

また、toB領域全体の開発課題に向きあう場にも参加しています。将来的に重要度が高まる課題に対して、今どう対応していくかを議論し、その方針をクラウド横断本部の開発に取り込んでいく役割です。

各プロダクトに共通する基盤の開発をしていますので、各プロダクトの戦略を検討する他本部からの相談を受けることもあります。

ークラウド横断本部の設立経緯や、設立目的を教えてください

神谷:設立の目的をお伝えするために、まず背景にある「マネーフォワード クラウド」の歴史からお話していきます。

現在は20以上のプロダクト数を誇る「マネーフォワード クラウド」ですが、当初は「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド確定申告」といったプロダクトからスタートしました。

プロダクト数が今ほど多くなかった頃は、各プロダクトで個別最適になるような開発をしていました。

バックオフィスSaaSプロダクトの歴史

(これまでのプロダクトの変遷については、こちらのnoteもご覧ください)

当時はそれでよかったのですが、年々プロダクト数が増えていくことで、様々な問題が発生し始めました。

例えば、各プロダクトで共通する機能については「専任の担当がいないことで改善がなかなか進まない」問題が出てきたり、いざ開発を促進したいと思っても、その時に必要な知見や経験を保有している理解の深いメンバーが少ないという課題です。

また、全体の機能開発の速度を落とさないためには、技術面でレガシーになりすぎないようにすべき一方で、プロダクト数が増えていく中で、どうバランスをとっていくかは、非常に難しい問題です。

上記のような流れの中で、ここ数年では、各プロダクトの共通項と言える機能・課題を解決し、改善していくことが、「マネーフォワード クラウド」全体のUXをさらに良くしていき、お客様への価値提供を最大化していけるフェーズになってきたのだと考えるようになりました。

さらに良いサービスをお客様に提供し、マネーフォワードが目指す「お金を前へ。人生をもっと前へ。」という世界に近づいていくには、いよいよ組織としてこういった問題に向き合っていく必要性に迫られてきたのです。

こうして、「マネーフォワード クラウド」全体の価値最大化を目的に、共通機能や技術負債の解消をミッションとする「クラウド横断本部」が発足しました。

ー現在のクラウド横断本部の取り組みと、組織体制について教えてください

神谷:バックオフィスSaaSのプロダクト群は、個人事業主から中小企業、さらには上場企業まで幅広い層のユーザーにご利用いただいています。

各企業のフェーズにより、ご利用いただくプロダクトは違うのですが、クラウド横断本部は「どのフェーズのどのユーザ―にもより使いやすく・より良いユーザー体験」を提供していくことで、全体の価値最大化を目指しています。

組織としては、「クラウド横断本部」の下にいくつかの「部」があり、それぞれの役割を持って日々開発に取り組んでいます。

例えば、「マネーフォワード クラウド」共通で利用される機能・マイクロサービスの開発を担当する「共通サービス部」、共通する技術的負債の解消やリアーキテクチャを推進する「サスティナブルアーキテクト部」といったチームがあります。

良くある誤解として「基盤」や「技術的負債」という言葉から、クラウド横断本部は一見ユーザーから遠い存在だというイメ―ジを持たれることがあります。

実際は全くそんなことはなく、実際にユーザーが操作する画面も提供していますし、私達が複数のプロダクトに機能を提供することによって、どのプロダクトからも同じ水準の品質を届けることに貢献しています。

ユーザーにとってインパクトが強く、難易度の高い挑戦をしているという実感を持ちながら日々対応できており、ユーザーにもそれぞれのプロダクト開発チームにも信頼される存在でありたいと思っています。

東岡:各部では、具体的にどんなことをしているのですか?

神谷:例えば「共通サービス部」では、各プロダクトを通じてユーザーとのより多くのタッチポイントを作っていくために非常に重要な役割を持つ、マイクロサービスの開発を担っています。

「サスティナブルアーキテクト部」は、ユーザーにより長く愛されるために、2~3年後も持続的な成長をしていくことを目的とした開発をしています。今最適な技術的選択を行うことで、より新しい取り組みができるような技術基盤のリアーキテクトの取り組みです。

このように、あらゆる角度から「マネーフォワード クラウド」全体のUX最大化や成長の加速に向けた活動をしています。

クラウド横断本部で働くということ

ークラウド横断本部ならではの魅力について教えてください

神谷:まずクラウド横断本部の特徴として、エンジニアメンバーを中心に構成されています。

ですので、マネ―フォワードの中でも特に技術的な新しい取り組みに対しても積極的に取り組めるカルチャーがあるのではないかと思っていますし、マネーフォワードのVALUEの一つにも掲げる「Technology Driven」を前線で牽引・体現していくチームだと思っています。

本部内での連携も積極的に行っています。例えば、週に一回の「WinSession」では、本部内の各チームのメンバーが集まって、技術的な取り組みの共有や、知見・意見の交換をし、本部全体での技術交流を深めています。
※WinSession:毎週金曜に本部の全エンジニアが集まり開催している。

「マネーフォワード クラウド」全体に関わることができる点は、プロダクト開発の視点でも、エンジニアとしての経験としても非常に貴重で面白い体験ができるのではないかと思います。

私達が取り組むのは、特定の業務や領域の改善ではなく、各プロダクトにおける「プロダクト共通要件」についての改善です。

「プロダクト共通要件」の開発では多くのプロダクトが関係するので、様々なプロダクト・関係者の視点を網羅的にインプットできることは貴重な体験だと思いますし、他では得られない経験だと思います。

ーキャリアや成長環境といった点ではいかがでしょうか

例えば、プロダクト間の共通要件を考慮した設計をするという経験はクラウド横断本部ならではだと思います。BtoB SaaSだけでも20以上のプロダクトがありますので、このプロダクト数の共通要件や機能を試行錯誤しながらトライできる環境はぜひおススメしたい点です。

プロダクト数だけではなく、10年近く続くプロダクトから、最近できたプロダクトまで、あらゆるフェーズのプロダクトに幅広く関わることができます。

設計の壁打ちではCTOやVPoEを交えたディスカッションを積極的に行っていますので、より知見を増やしていくことができます。

開発者としてはかなり貴重な機会だと思っていて、共通基盤としてのクオリティをさらに高めるため、知見のインプットをしやすく、成長を後押ししていける環境だと思っています。

エンジニア組織英語化の話

ー2024年までのエンジニア組織の英語化を進めていると思いますが、本部の現在はどんな状況でしょうか

神谷:社内でもそれぞれの本部の状況によって、適切なスピードで英語化を進めていますが、クラウド横断本部に関しては所属するほぼ全員が、英語のトレーニングをすでに開始しています。

(参考:エンジニア組織の英語化に関するCTO中出さんの発信)

具体的には、一部のチームでpull requestのコメントを英語で始めたり、関係する部署向けのドキュメントを英語化したりしている状況です。

連携するプロダクトのエンジニアが英語話者である状況も増えてきているので、普段のチャットコミュニケーションは英語で行われる場面も増えてきていますね。

クラウド横断本部の外国籍の方の比率は、現在は全体の約15%程度です。ベトナムやインドネシア出身のメンバーもいて、文化圏が多様なチームになってきています。現在の外国籍メンバーは、日本語が得意なメンバーもいますが、今後は英語話者のメンバーがジョインして来れば、さらに英語化を推進できると思っています。

この先の目標でいうと、今期FY23(2022年12月~)の下期には、本部内のMTGも英語化し、グローバルテックカンパニーに近づいていきたいと思っています。

最後に

ークラウド横断本部に興味を持ってくださった方に向けて、選考する上で大切にしていることやメッセージをお願いします

マネーフォワードとして採用で大切にしている観点もありますが、クラウド横断本部としてご活躍いただく上で特に大切にしている観点を三つお伝えできればと思います。

一つ目は「課題解決におけるご自身の突破力」です。

多くのプロダクトに関わる共通基盤を開発していることもあり、ステークホルダーが非常に多い部署なので、本質的なユーザー体験をよくするために、ディスカッションをすることが多いです。

ステークホルダーが多い分、様々な立場での意見や、それぞれに置かれている状況を考慮しながら意見をまとめつつ、ベストな形で開発を進めていく必要があります。

ですので、課題にぶつかった時に「自分の突破力で課題解決していけるか」であったり、「自分自身が主導して問題を突破できるか」という点は、クラウド横断本部で活躍していく上で非常に重要になると思います。

二つ目は「新しいテクノロジーに対する感度」です。

テクノロジーのトレンドに対して敏感にキャッチしているかを大切にしていますし、そういった価値感の方が楽しめる本部だと思っています。

必ずしもトレンドだけを取り入れるわけではありませんが、現在ある技術や開発手法など、その時点でのあらゆる選択肢の中から、何がベストかを考え、検討していく必要があります。

そういった意味では、新しい技術や開発手法も積極的にインプットして、よりより選択ができるように、技術トレンドに対しては常に敏感であって欲しいと思っています。

三つ目は「ご自身が今後のキャリアの中で何をしたいか」です。

これは、クラウド横断本部に限った話ではないかもしれませんが、候補者の方のやりたいことと私達の期待値がフィットするかはとても大切にしています。

ご興味を持っていただける方は、カジュアル面談でぜひ一度、クラウド横断本部についてのお話をできると嬉しいと思っています。

クラウド横断本部は、今後の「マネ―フォワード クラウド」の成長にとって、必要不可欠な存在にならないといけないと思っています。ぜひ一緒にプロダクト開発できると嬉しいです。

編集後記

いかがでしたか?多岐にわたる活動で、「マネーフォワード クラウド」全体の価値を高めているクラウド横断本部の魅力について、お伝えできていたら嬉しく思います!

次回は「共通サービス部」部長の原田さんのインタビューを公開します。

もしご興味を持っていただいた方がいれば、以下リンクからのエントリーをお待ちしています。