わかるようでわからない計測のはなし

どうも皆さん知っている人も知らない人もりくるーとです。

 
私は2013~2017に 当時バリバリツイ廃学生フォーミュラチームTUSFR(東京理科大)でパワトレリーダーっぽいことをしていました。TUSFRが当時Twitterチームだったのはほぼ私の責任です。反省はしていません。
今そのTwitterで大暴れしていた後輩先輩たちも立派な社会人ですね。
現役、頑張れ。

現在は某計測器の輸入商社でエンジニアっぽいことをしながら4月に生まれた息子の育児に奮闘中です。
 
弊社からの計測器の無償スポンサードはできないですが(上司にもできないって言われちゃった)、技術的な個人支援はできますので計測のこととかは気軽に相談して下さい。
(一応学生無料ライセンスのソフトの提案とかもできます)

と自己紹介とプチ宣伝はこれくらいにします。


(この記事はちょっと前に学Fアドベントカレンダーなる企画で書いたものなのですが、現在流行り病云々で現役への伝承がうまくできていない、とこのことでこの記事を掘り返してきました)

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私が卒業してからコロナが始まるまでの数年はデザイン審査のレベルが私の現役時よりもぐんと上がっていたのかな、なんて思っています。

現役の人でもデザイン審査の内容を考える際に発展的な計測のことが頭に浮かんだ人、いますよね?
私は9割くらい浮かんだだけで実行しませんでした。

今回の話はその「がっつりとした計測が頭に浮かんだばかりの人」に向けた記事です。

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計測のことをつらつらと書いてもつまらないので、某氏の二番煎じにはなりますがお料理で例えて計測のことについて書いていきます。

ところでお料理ってみなさんしますか?
私は最近妻が育休中のためあまりしなくなりましたが、その前は結構やってました。
お料理始めたときって意外と難しいですね。

お料理の工程をちょっと細かくざっくり書くと、
・レシピこさえて(やらない人もいる)
・具材を調達して
・具材を下ごしらえして
・味付けして
・盛り付けして
・完成
って感じだと思います。
 
私は現役の時は計測って
「完成後の実食/次回へのフィードバック」
辺りに考えていました。
(学Fだとマシン作ってから計測することが多いから)
 
実際に社会人になって、計測というものを知った今だと
「味付けをしている間の軽い味見」に近いものだと考えています。
でも味見ってしなくても意外と美味くできちゃうことあるんですよね。
でもそこを怠ると食べられても雑多な味になっちゃいます。
少なくとも、ちゃんと狙った味付けにはなりません。
(たまになっちゃうときもあるけどね)
 
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ただこのお料理で味見しなくても大味に決まるのは、みんなが砂糖とかお塩の味を知っているからなんですよね。
昔からみんな味わっているから何となくでもいけるんです。

ここで、学Fで置き換えてみましょう。
 
たぶん学生さんで何となく設計して何となく狙った通りの性能を出せる人ってそうそういないと思うんですよね。
もちろん熟練のエンジニアなら可能かもですが、初見ならまず無理です。
たぶんそれできるのは初見でガンダム動かしたアムロ・レイかキラ・ヤマトくらいです。
(とはいえ大体ガンダムの主人公初見でガンダム乗ってるよね)

つまりニュータイプでもスーパーコーディネーターでもない我々は実際に味見をするしかないのです。

では学Fにおいての味見とは?
となると計測が出てくるんですね。
 
要するに作ったレシピと味付けに対して思った通りの味が出てるかの答え合わせにも近いですね。

もちろん「こういう味付けにするとどんな味になるのかな?」
といったチャレンジの結果発表的なイメージでも良いと思います。
 
料理の話にまた戻ると、味見って料理してる時に何回かするじゃないですか?
「あ、ちょっと塩気がたりない」
とか
「もうちょっと辛くしたい」
とかの施行錯誤を繰り返すことで味がどんどんいい感じになっていくかと思います
 
マシンの製作過程でも同じように
設計しました→計測してみました→なんか好みと違いました→もう一回計測をベースに設計しました→計測したら良い感じにできました
ほら、みんな大好きV字プロセスっぽいでしょ?
 
ここでいう最初の計測が「狙った味付けの答え合わせ」に該当しますね。
最後の「良い感じにできた」ものに調味料を加えてまた味見してさらに良くしていくと、自ずといいマシンになってくのかなと勝手に思います。
 
計測の意味合のイメージができたところで、学Fでの具体例を少し書きます。
 
ちょっとここからは踏み込んだ話です。
 
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私の世代ではすでにほとんどのチームはマシンに何かしらのロガーを積んでいました。
 
ただそのロガーの役割としてはほとんどエンジンECUのログ+αのデータ取りをしているという印象が強かったです。
(今ではみんな使っているストロークセンサ等は当時上位校くらいしか使いこなせていないイメージがありましたね)

実際の自動車メーカーでもECUからのデータはもちろんとります。

しかし、ECUから持ってくるデータはあくまでエンジンの制御用のデータなので、詳細な車両のデータとしては少々「粗い」ものになってしまいます。
(比較用として使われることがほとんどですね)

この「粗さ」については「CAN計測」というワードで検索するとメリットデメリットが書いてあるので調べてみてください。
※ECUから持ってくる計測はほとんどがこのCAN計測に含まれます
※※学FでCAN計測使いこなせたらまず無敵です。欲しいデータにもよりますがとりあえず大体のデータは測れます
 
ここで言いたいのは、はかりたいものに対して正しい計測をしていますか?という事です。
 
例えば、3秒間等間隔に3回光が出る装置があるとして、3秒間の間で1秒間しか目が開けないとしたら、1回しか光を見ることはできません。

ここで「何回光りましたか?」と聞かれても正しい回数は答えられません。
 
こういった感じで計測ってちゃんとしないとそのデータが正しいものかってわからないんですよね。(CAN計測のデメリットがこのあたりの話に絡んできます)

間違った計測に基づいて設計をしてしまうとどんどん間違った方に行ってしまうのでかえってマイナスになってしまうこともあります。実際そういう失敗は学生の内にしておいた方が良い説もありますがね。
 
最初の内はとにかくはかるのも大事ですが、設計に活かすための計測を行っていくとなるとこういった点を考慮する必要があります。
逆に言えばこの点を考慮するようになるとよりメーカーっぽい設計になります。
 
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と、ちょっと難しさをチラつかせるために踏み込んだ話をしました。
疲れてしまったらスミマセン。
 
疲れてしまったところで今回の話をまとめると。
 
・計測って設計の味見なんですよ。
(学Fにおいてはこの解釈から始めてみてください)
・味見するとどんどんマシンが美味しくなるよ。
・やった方がもちろん良いけど味見もただすればいいってもんじゃないよ。
(味見ばっかりしてると料理の時間が減っちゃうからね!!)
 
といった感じです。

計測ってさっき書いたようにぶっちゃけ簡単でもないし基礎知識も必要です。
それでもちゃんと理解すると設計のプロセスに多少は変化が出てくると思います。
この記事でちょっとでも計測というもの単体に興味を持ってもらえたらうれしいです。

わかんないことがあれば、私のアカウントに質問してもらえば時間作ってお答えしますしオンラインでもオフラインでも相談受けます。FF外から失礼されても大丈夫です!!わかんないことは、聞こう!!
(私は人に素直に聞くのはできません)
 
 
以上長い長い駄文でしたが、読んでいただきありがとうございました。

あれここおかしくね?
とか
ここはこうだと思う!
ってのがありましたらTwitterのスペースなりで談義してもおもろいかもしれませんね。
 

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