+10cmの魔術師
自分の子供を見ていると、顔や体つきの「つくり」は残念な感じだけど、愛嬌のある感じでかわいらしい、と親の欲目で多少は思う。
が、学校行事などでクラスメイトの中に交じっていると、なんとも、こう、更に残念さが増す。丸っこい顔も体もぼてっとしていてすっきり感がなくて、普段見ている子供の姿は幻だったのかと思うほどだ。
そんなある日、子供がソファーに座り、自分が床に座っている状態で話をしていて気が付いた。
「あ、このアングルのウチの子、いけてないわ」
普段、立っていれば当然、同じ高さに座っていてもこちらの目線は自然と上から見ることになる。子供は上を見上げる恰好だ。上を見上げていれば、顔の輪郭は多少すっきりするし、目だって大きく見える。親の欲目マジックはきっとこれが原因だったのだ。
そこでふと思い出したのは、「背の高い男の人のほうがいいなー」と主張する世の女性たちのことだった。
背の高い男の人のほうが見た目がイケてる(古い表現)からなんだろうなー、とわたしは理解していたのだけど、男性に上から見てもらえれば自分の顔を(多少は)よく見てもらえるのではないか?
目元もパッチリ、少しむくんでいたとしても顔のラインはすっきり見える・・・あれは、自分を少しでもかわいく見せようとする女性たちの戦略だったのか!(ババーン
がんばれ、女性たち。少しでもかわいくみせたいのは恋心というか、もう、それは、本能みたいなもんだろう。かわいい、は男性を落とす武器にもなるし、女性の間でも人間関係のポジショニングに欠かせない武器なのだ。がんばれ、かわいいはつくれるらしいからがんばれ。
ところで今、わたしがすごい外野から応援してるような恰好になっているのは、幼少のみぎりより背が大きかったために、背の高い人を好んでいると周りの男性の大半が消えていたためです。
要は、かわいくなれないわたしの分までみんながんばれ、というダイイングメッセージのようなものなのです。
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