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仮想現実的クズ男

出先から帰る途中自転車を漕ぎながら、さて、お昼ごはん何にしようかな、と考え始めたときに「ナポリタンたべたい!」と天啓のようにひらめきました。

炒めたソーセージやピーマン、玉ねぎにじゅわっとケチャップかけてくつくつ言わせたソースに茹でたスパゲッティをじゃっと入れて、麺のアイボリーがどんどん赤く混ざっていってサディズムだかマゾヒズムだかよくわかんない原始的なゾクゾク感を経たアレが食べたい。口に入れるとスパゲッティと具材の甘みをケチャップが侵略していくアレ。

好みのやつを作るには自分で好きなように作るのが一番いいのですが、家に帰ってお湯を沸かして麺を茹でて、と考えると、そんなに待てねえと腹の虫が騒ぐ始末。近くに美味いナポリタンを出してくれる店も知らなかったし、まあいいや、と緊急着陸的な意味合いを込めて冷凍食品を買って来たのです。袋から出して600wで何分、ってやつを。

心なしか、でろん、とした風体の加熱後の麺を皿に盛り、一口。

こんなもん食えねえ!と騒ぎだすほどグルメでもなく、普通においしくいただきました。でも、なんとなくナポリタン欲が収まらないというかなんというか。

「あーもうやりたくなっちゃってたしその場の流れもそんな感じだったしすんなりしちゃったけど、うん、やっぱりお前違うわ」と朝になって言いだすクズ男の気分を昼間っから味わっております。


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