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阿其の気持ちに寄り添いたい

黄貫中と黄貫其。
BEYONDとANODIZE。

黄貫中がいたBeyondを10代から20代にかけて聴き続けてた私が今、黄貫其がいたAnodizeを朝から晩までずっと聴いている。

黄貫其 K.K. 阿其。

まさか30年近く経った今、こんなにも阿其に心惹かれるなんて、あの頃は思いもしなかったよね。
Paulが大好きでPaulしか見えてなくて、弟がAnodizeでギターを弾いてると知ったところで見向きもせず。
その存在すらすっかり記憶から消えてたのに、ふとしたことをきっかけに阿其のことを目にし、気が付いたら阿其の姿を探す日々。

ギターを弾く阿其がたまらなくかっこいい・・・ということに気付いてしまった2023年。
しかしそんな彼はもう、ギタリストとしてステージから去り、香港からも去ってしまっていた。


ANODIZE/亞龍大

今更ながら、Anodizeの曲ってばどれもこれもかっこいい。
阿其が作った曲のみならず、みんなもうほんとになんなのよと言いたくなるほどかっこいい。
あの頃Anodizeを聴かなかったこと、Anodizeの音楽の良さに気付けなかったことをめちゃくちゃ後悔してる。
阿其が弾くギターの音に、何も手につかなくなるほど聴き惚れている。
・・・いやGaryかもしれないと思いつつ。
けっして就寝時に聴く音楽ではないけれど、私はイヤホンでAnodizeを聴きながら眠りについている。


今思えばBeyondの活動休止とAnodizeの解散って、同じような時期だったのね。
長くバンドをやってきて、同じように煮詰まって先が見えなくなって、自分たちが思うような音楽ができなくて苦しんで。
兄弟でそんな話もしたのかな。

家駒が亡くなる前、歌は家駒にまかせて自分はギターに専念したい、って言ってたPaul。
ギターだけに集中できる阿其に少なからず羨ましさとかあったのかな。
家駒がいなくなりそんなこと言ってられなくなってPaulは大変だっただろうけど。


買ったまま封も開けずに放置してた「LET'S FIGHT LIVE」のDVD&CD。
Sonic Templeとしての阿其がいるのを見つけて、今になってようやく観たよ。

The Postmanとして兄弟で同じステージに立って、色んなところでライブをやってたんだね。
兄弟2人並んで演奏する姿は、もう一組の黄兄弟、家駒と家強を思い出す光景で微笑ましかったよ。
阿其はどんな思いで兄の横でギターを弾いてたんだろう。


イギリスでの生活にはもう慣れたのかな?

ギターを弾く自身の姿に、枯れていくバウヒニアを重ねた写真。
あれを見た時、私は全身の力が抜けていくようだった。
香港人としての阿其の失望、怒り、悲しみ、苦しみ。

SNSに投稿されていた様々な阿其の思い。
第一線から退いた阿其だから言えることなのかもしれないけど、はっきりと自分の意志を示してくれてた。
悲しいことだけど、私は単純にそれがすごく嬉しかった。

芸能人、有名人、知名度があればあるほど、今や本心が分からない時代になってしまった。

中国で活動するPaulの本心。
そんなことはもう私たちには分からない。
でも、どっちにしたってPaulの気持ちを思うと辛い。
そしてそれは、かつて私が大好きだったすべての明星たちにも言えること。
香港はそうゆう世の中になってしまった。
もうどうしようもない。


だから私は、阿其の気持ちに寄り添いたい。
壊れていく香港に感じた私と同じ思いを見せてくれた阿其の気持ちに。

自分の意志とは無関係に、生まれ育った、慣れ親しんだ街を出ていかなければならないなんて、どんな思いだろう。
たとえそこが好きで憧れの場所であったとしても、色んなものを犠牲にして手に入れた異国での生活は、自由はあれどきっと大変なこともいっぱいあるはず。

今やもう私には、遠く離れた日本から、幸せに暮らしていることを願うことしかできないけれど。
いつも阿其の心に寄り添ってるよ。

寡黙にただひたすら真剣にギターを弾く姿は、一見とても冷たそうに見えるけど、ふとした時に見せる笑顔がとても優しくてかわいい人。


阿其、元気にしてますか?
私はあなたが大好きです。

Paul目当てで買った生写真の中に阿其を見つけて狂喜乱舞した2023年



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