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多謝、家駒


みんな幸せになろう 涙をすぐに拭いて
みんな幸せになろう 毎日笑顔で暮らしていく

「遥かなる夢 BEYOND 1992-1995」シークレット・トラック


日本語のベスト盤「遥かなる夢 BEYOND 1992-1995」に収録されている47秒のシークレット・トラック。

原曲は「走不開的快樂」。
日本語版で表記されているタイトルは「多謝、家駒」。

つらい時、たった47秒のこの曲を、何度も何度もリピートして元気をもらったこともあったよ。

ありがとう、家駒。
日本語でこのフレーズを歌ってくれて、ありがとう。


家駒がこの世を去って31年。
家駒が生きてきた時間と同じ年月が過ぎた。

たった31年で終わってしまった家駒の人生。

もっともっと声を聞きたかった。
もっともっと笑顔を見たかった。
もっともっとギターを弾く姿を見たかった。

何年経っても、家駒がいなくなってしまった悔しさ、悲しみは消えない。



大好きな曲のひとつ「遙望」の日本語版、「手紙」。

もしかしたら「海闊天空」より、泣いてしまう曲かもしれない。
歌詞があまりにも家駒のことのようで、家駒からのメッセージのようで。

・抱いても呼んでも答えない 心だけが残された

・溶けるな消えるな手のひらで 君がくれた手紙なら

・宛名もいらない遠い国だよ だれに返事を託そう

・いつもいつも君は未来のどこか いのちさえも越えて

・元気でいるよとそれだけを 僕は胸でくりかえす

「手紙」

家駒の日本語はとても自然で違和感がなく、きちんと言葉の意味を理解して気持ちを込めて歌っているのがよく分かる。
きっといっぱい練習して、たくさん努力したんだろう。
だからこそ、より一層心に響く。
この「手紙」は特に。

うっかり職場で聴こうとして、歌い出しの「やさしくやさしく僕を見て・・・」で、思わず止めてしまった。
もうそのワンフレーズだけで涙が溢れてくるから。
「やさしくやさしく」の声が優しすぎるのよ、家駒。


2005年のThe Story Liveで、世榮がラストのこのフレーズを日本語で歌ってくれたことは忘れない。

はるかにはるかにビル風が 雪の手紙舞いあげる
元気でいるよとそれだけを 僕は胸でくりかえす

「手紙」


広東語版の「遙望」。
日本滞在中に作られた曲。
家駒が書いた歌詞を改めてじっくりと読んでみる。


慣れない環境で戸惑いながらも、未来に向けて頑張ってた家駒。
思い通りにいかなくて、寂しさや苦悩、大きなプレッシャーに押しつぶされそうになっても、自分たちの力を信じて信念を持って、待ってくれている遠く離れた香港のファンのことをいつも胸に頑張っていた家駒。

そんな大切な人たちを想って書いた家駒の愛と優しさが詰まった歌詞。

每天多麼多麼的需要 永遠與你抱擁著
忘掉世間一切痛苦悲哀
總使分開分開多麼遠 也會聽到你呼喚
期待我這一生再會你

「遙望」

家駒が遺してくれたその言葉が、今は家駒に向けた言葉になる。
そして、私の大好きな人たちに伝えたい言葉でもある。



夕暮れのウユニ塩湖(2011年5月)

ウユニ塩湖で見上げた空は、まるで家駒を映し出しているかのような澄み切った清らかな色をしていた。



この一生でいつかまたあなたに会えますように。


祝你愉快、家駒。

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