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藤井聡太二冠に学ぶ次の一手(12) 端攻めだけで勝てることなどないと知りつつ

なんとなくいつもやってみたいけど、不発に終わりそうなので案外手をつけずらいのが、端攻め。

実際、見事に決まったところをあまり見ない。まあもっとも、端攻めだけで勝てることなどないわけではあるが・・・。

さて、下の第1図である。

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第1図 82手目 △9五歩まで

先手が8六に居た銀を7七に引いた直後、後手が△9五歩と歩を進めた局面。郷田真隆 九段 vs. 藤井聡太 七段 第28期銀河戦Cブロック9回戦(2020年3月6日)から。

次に先手が▲5三歩打としたところで後手は△9六歩と進める。

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第2図 84手目 △9六歩

これでも当面は先手玉の逃げ道を塞いでいるものの完全ではない。持ち駒は、先手銀1、後手歩4。

さて、この端攻めが活きる時が来るのか、それとも不発に終わるのか。

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第3図 106手目 △9五桂打

106手目にしてようやく9筋を進めておいた効果が現れる。後手もうかうかしていられない局面だがこの一手で詰みに大きく近ずいたことになる。

82手目の△9五歩が、地味ではあるが妙手だったということ。


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