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2024年のRecept振り返り

2024年はスタートラインに立った一年でした。

ベースマインド

現在の事業をやると決めた時(2024/3)、私たちは「色物」でいいと考えていました。
市場もない、若手2人で起業して知名度もない。とにかく知ってもらうために動き回り、恥も外聞もなく発信や営業をすることが重要だと考えていました。

ほぼ何もない状態でこれから作れるであろうサービスについてあちこちで話し、最初の本番稼働実績を作るために教育機関に電話をかけまくっていました。

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5月のとあるイベント

その傍ら「市場が無い中で積み上げるべきものは何か」を考え、今あるリソースで出来ることはすべて取り組み、成長の種を一つでも多く撒こうとしてきました。

▼例

  • 国際認証の取得

  • EUの動向とリンクした実証実験

  • 「DID/VC」というワードでの大量の情報発信(週一でのプレス配信、毎日記事更新、ウェビナー開催など)

まだPMFしたと言えるフェーズではなく国内市場も立ち上がる前ですが、市場に予想よりも早く風が吹き、当社事業もその風に乗り始めました。
「色物」であることのデメリットがメリットを上回る分岐点も迫っているため、来年は次のフェーズに移行します。

開発チームの頑張り(≒中瀬の成長)

CEO中瀬を含め、現在は5人のエンジニアが以下プロジェクトを回しています。

  • 既存プロダクトのアップデート

  • 進行中案件への対応

  • 新サービス基盤の構築

  • R&D(EUの最新動向取込み、未対応規格への対応)

リソースに対してタスク量が多いのは間違いないですが、この体制でワークしている大きな要因に「中瀬の成長」があると感じます。

特にマネジメント力が高まっているように見受けられます。各タスクに開発優先順位をつけ、適切なメンバーに割り振り、適度にプレッシャーをかける。当たり前と言えばそうですが、一実装者としての経験しかなかった中瀬が自然とマネジメント力を体得できたことは、チーム運営上大きいです。

ちなみに、中瀬は常にフルスロットルで深夜・休日問わず稼働しています。彼自身はそのエネルギーの源を「モノを作るのが好きだから」と言っていますが、「目的完遂に向けて全精力を注ぐことが習慣化している」ことにあると見ています。
当社は私が中瀬を十条の飲み屋で誘ったところから始まっているのですが、圧倒的熱量で取組んでくれている状況は改めてありがたいです。

ビジネスサイドについて

当社のビジネスサイドは私が担当しています。

私たちが取り扱うDID/VC技術は、デジタルアイデンティティ・プライバシーテック・Web3等に分類されます。普及する上での変数にイデオロギーやレギュレーションが絡んでおり、初見の方には理解しづらい領域です。

前職の経験も含め、改めて思うのは「技術力が高いだけでは市場を掴むのは難しい」ということです。
逆に言うと、エンジニアが生み出したプロダクトを市場に受け入れられるパッケージ(機能面だけではなくブランディング・売り方含む)に落とし込み、収益化するアプローチがとれれば、後発企業でも市場をとれると考えています。

上記アプローチを実現する上で必要な要素は「市場分析力」と「営業力」だと考えています。

市場分析力の観点

市場に対する解像度という点では、提供者側のエゴ・バイアスに陥りづらいバックグラウンドを私がある程度持ち合わせていました。前職でWeb3担当者を務め、スタートアップ・大企業問わず営業を受け、社内上申もしていたため、業界を取り巻く温度感は現場レベルで見ていたためです。

また当社の特徴としてコンソーシアム等には加入しておらず、DID/VCがほぼ認知されていない領域の事業者や当社と競合関係になり得る事業者とも広く面談しています。

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当社ウェビナー案内文(同業他社の参加もOK)

目先の市場に対する分析はもちろんですが、外部環境変化を多方面から収集し、飛び地の領域におけるデジタル化動向もウォッチするようにしています。

営業力の観点

創業メンバーには営業のバックグラウンドがありません。ただ、座学的なインプットを習慣化し、実践の場(テレアポ、フィールドセールス、商談)も確保できたことから、営業の下地はできあがりつつあります。

面談をした際に「過去にこの領域の事業を検討して営業を受けたりリサーチしたが、自社が取り組んでどこで経営上有意な成果が得られるのかよく分からなかった」と話される事業者も少なくありません。

営業シーンでは以下の観点を重視し、先方が当社やこの領域にフラットな判断を下せるよう心がけています。

・技術そのものに備わる特性と、当社ならではの特性は切り離す
・成功事例を紹介する際には「その取り組みが行われた環境(国・業種など)と先方の事業領域との差分」を合わせて説明
・分散系技術における、構想が実現した際のリターンと実現する上での障壁の相関関係

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サービス紹介資料の例①
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サービス紹介資料の例②

先進的な技術と現実的なビジネススキームを結びつけ、そこを結びつける上で必要なインプットを収集し適切なアウトプットが出せるか、そこが当社の成長上のキーになると考えています。

2025年

2025年、当社にとって飛躍のための年です。

2024年は池袋の窓無し・空調なしのトランクルームで、飛び上がるための力を溜める日々でした。

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トランクルーム(オフィス)

市場も、実際にお金が流れるフェーズに入る気配はあります。
新たに加わる資産(新たな人員、追加調達、既存お取引先との取り組み成就)も活かし、準備してきたものを放出しキャッシュを創出して参ります。

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少し広くなったオフィス(パノラマ撮影で歪みあり)

スタートアップを経営していると、「まずはgiveから始まる」という言葉の意味が身をもって分かります。

現状の当社がgiveできることは、その領域に関する見解やインプットを惜しみなく外部共有すること、リスクテイクを最低限にすぐ走り出す瞬発力だと考えています。

2024年は(個人的には新卒時代からずっと)9:1でgiveをいただく立場でしたが、2025年は対等にgiveを行うフェーズに入っていきます。

今年は大変お世話になりました。
みなさま良いお年をお過ごしください。そして2025年もよろしくお願いいたします。

P.S

当社の年末年始休業は以下となりますので、業務対応時間中にお問い合わせいただけますと幸いです。

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お客さまにお送りしたメールキャプチャ

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