パンツを履かない和美ちゃん

「和美 、パンツを履きなさい。」
「嫌だよ。」
「和美、どこに行くのよ。」
「どこって、学校に決まっているじゃん」
「あんたが、パンツを履かないで外に
出ると私は恥ずかしくて外に出られない
のよ。」
「勝手に外に出ればいいじゃん。」

バタン

「おはよう。かずちゃん。」
「おはよう。すずちゃん。」
「今日も朝から大変だね。」
「もう、うちのお母さんは個性が無さすぎ
るんだよ。」

キンコーン カンコーン

「あ、チャイムだ。
急ごう。かずちゃん。」

学校にて
「おはよう。」
「おはよう。どうしたの。」
「また、今日も高木が熱があるからって
担任の先生が病院に行けって言ってるのさ。」

「先生、またどうせ
高木の平熱は、39℃だから心配無いと
思います。」

「心配無い訳ないでしょう。」

学校の先生を夢見ていたけど、
実際になってみると大変ね。

「和美、お前
今日もパンツを履いてないのか?」
「当たり前じゃん。
前にパンツを履き忘れた時の
あの解放感
私は、これだって思ったね。」

「へぇ~
かわっているな。お前」

「かずちゃん。
パンツは、履いた方がいいと思うよ。」

「高木君。保健室で寝てなさい。」

「大丈夫です。先生」

「そうそう。子供は、風の子っていうしね」

「何だか、私まで熱が出てきそうになっちゃった。」

「少しの間。保健室に行ってますからその間

自習をしておくようにね」

「はーい」

「やったー。先生がいなくなったぞ。

トランプを持って来ているんだ。トランプを

しようぜ。」

「ダメよ。先生が言ったでしょ。

自習をしなさいって」

「お前は、頭が固いな 佐々木」

「もう、どうなっても知らないわよ。」

キンコーン カンコーン

「お、授業が終わった。」

「先生、結局 保健室から戻らなかったね。」

「何だか、高木君の代わりに保健室で

寝ているみたいになったね。」

そう言えば、高木君は

「やっぱり、何を考えているか

分からない。ボーとしているね。」

「高木君、学校に来た時から平熱が

39℃あったからね。

あの時は、皆

驚いたよ。今では、高木君の平熱を

知っているから驚かないけどね。」




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