[雑感]ミニ四レーサーは紳士・淑女であれ

これは、私が好きでよく使う言葉だ。
ミニ四駆に限った話ではないが、「紳士・淑女」という言葉はたった2文字で深い意味をもつ。

昔、とある僧から
「善行とは無償である。何事も見返りを求めたら、それは既に商売と同じ。仏道は相互扶助と博愛の精神。私達は先人の無償奉仕の上に今がある。之に感謝し、続けてこそ常世は浄土と成す。己が成すべき事を考え、良心に従い、事を成すべし。それが仏の教え。」
と説かれ、たまにこの説法をふと思い出す。

武士道にも通ずる精神だが、己が成すべき事、善行とは何を以て言うのかを若かりし頃に考えた事があった。
ボランティアか?青年海外協力隊か?
成すべき事とはなんだ?
意味を知る為に武道もやり、宗教含むあらゆるジャンルの本も読んだ。そんな事してたのも若気の至りだとも思う。

そんな事を考えいるうちに1つの話を目にした。「南総里見八犬伝」である。
物語は割愛するが、話の中核をなす重要なものに「仁義八行」と言うのがある。

仁義八行とは、

仁(じん)~思いやり・慈しみ・情け・同情心
義(ぎ) ~人が行うべき正しい道・筋道・正義
礼(れい)~人間同士が生活するための決まり・礼儀
智(ち) ~頭の働き・理解し判断する力・智慧
忠(ちゅう)~嘘のない心・真心を尽くす事・忠義
信(しん) ~嘘を言わない・騙さない・誠・誠実
孝(こう) ~親を大切にし、言いつけを守る・孝行
悌(てい) ~年上の人に従う・兄姉などと仲がよい

の8つ、人間が生きていく上で大切な道徳的規範を示したものだ。
今思えば当たり前に教わってきた事なんだが、活字として目にして”これか!”とその時は凄いものを知り得たと感じた。
そして生活していく中で、実践はとても難しい事でもあると改めて知るまで時間は掛からなかった。

紳士・淑女と聞くと、優雅で、華麗で、スマートで、という外側のイメージが大概の人は先行して想像するが、海外においても、仁義八行のような精神論に基づいて生活をする人を尊ぶ呼称であると知り、そう在ろうと、好きな言葉として反芻するようになった。

私は趣味のミニ四駆情報を見るのに日々SNSやネットを漂流してるが、GPUの買い占めだの、転売屋だの、誹謗中傷や常設店の汚損、コースの破壊や無断組みかえ、挙句には万引き、人のミニ四駆の盗難、今だとコロナ関連による食料買い溜め等と、見るに堪えない話がほぼ毎日絶えずどこかから入ってくる。

ミニ四駆は確かに子供の玩具に分類されるカテゴリーではあるが、競技性が強く、敷設されたコースを共有する関係上、現場での人間関係を育みルールを学ぶ素晴らしい趣味であると思っている。

老若男女関係なく、たった1つの小さなカテゴリーであるミニ四駆という趣味を嗜む者同士である。
こんなご時世だからこそ尚更に、皆が仁義八行のように己が成すべき事を考え、動き、切磋琢磨し、支え合っていかなければならないのではないかと私自身は思い考える。

あくまで一個人の考えや思想であり、それを押し付ける気は無いが、皆が楽しく素晴らしい出会いと趣味の共有をしていく上で、これを読んでくれた人達にこの言葉を贈りたい。

ミニ四レーサーは紳士・淑女であれ

趣味を通じ、幸多からんことを願う。

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