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[雑記]あなたは闘ってますか?

昔、某CMで「24時間戦えますか ビジネスマン ビジネスマン Japaneseビジネスマン 」と歌詞の付いた歌が流れていたのを知っているのは、団塊の世代や今のオジサン世代までが殆どだろう。
あの歌詞は、洒落でも無ければ不法労働を助長するものでも無い。
実際に仕事を、そして自分達の豊かな生活を手に入れる為に、正にプライドと命懸けて闘うオヤジ達、若者が嫌う我らジジィ達の生き様を端的に表したものだったと知るのは、自分がその年齢や立場になってというのは皮肉な話だ。

昨今ネットやニュース、紙媒体等を見ていると、「賃金ガー」とか「良い仕事ガー」とか「物価ガー」とか「 明日から飯ガー」等と連日聞かない日は無い。
それを見て私は問いたい。

”あなたは闘ってますか?”

物価の話をすると、今から40年位前は基準となる公務員の高卒初任給は手取り約8~9万円。
今のように100均も無く、今ならタダでもらえる洗剤でさえ高価だった。
流行のオーディオセットはちょっと良い物は初任給の倍の20万以上、レコード1枚2000円前後。今で例えるなら、PS5が30万とかに換算すると分かりやすいだろう。
アルバイト時給なら良くて300円前後、それが当たり前の時代だ。

住宅金利も今は0.6~1.0%位だが、25年程前で4.2%、40年程前の時代ならばそれ以上だ。
単純計算でも、3000万ちょっと借りたとして今なら利息は高級車1台買えるかな?位だが昔なら利息でもう1軒建つほど払わねばならなかった。

現状で物価が高く低収入と嘆くのは構わないが、嘆くその基準だと一昔前なら飯も食えずとっくに死んでいる事になる。

良い仕事云々って話も、「良い仕事とは何を指すのか」から始めねばならない。
本当の意味での適性は確かにあるが、どんな仕事でさえプロが居て、プライド持って誇れる技術なり能力は必ず存在する。
ただ”3K”を嫌い表面的なものしか見ず現実から逃げているから、そのような言葉が出るとしか言えない。

例えに出して職域の方々に申し訳ないが、建築業ひとつにしても大工や左官屋など1軒建てるのに様々な職人を要するが、どれも体力的にはキツく、一朝一夕では身につかない高い技術・能力が必要である。
それ故か今はなり手がおらず、日本の高い職人技術は徐々に失われつつある。
考えて見てほしい。何十年、時には百年それ以上、必要とされる建築物である。それだけ長い時間壊れる事無く、人様の目に映る機能美を保持するには高い技術とそれを支えるプライド無くして仕事は務まらない、誇れる仕事なのは理解出来るはずだ。

どんな仕事であれ、場合により目に見えない部分であったとしても、その人の誇りと技術・能力が、結果としてこの世に形を遺していくのである。
仕事に良い悪いは無い。その仕事の本質を見い出せない”自身の眼の良し悪し”とやる気の問題だけだ。

賃金というのも示されるのは”あくまでスタートライン”であって、そこから先は「勝ち取る」ものだ。

団塊の世代は、それより下の世代にはあまり良いイメージは全般的に持たれていない印象だが、その世代の凄いところは、「何かにかける情熱と根性が半端ない」事だ。

歴史を紐解くと、彼等の青春時代を象徴するのが、とてつもない経済成長と学生運動が上げられるが、誤った方向性こそあったのも事実なものの、老若男女全ての人が飽くなき「考える」事を繰り返し、自分達の理想を目指して情熱を傾け、豊かな生活の為に経済社会に闘いを挑んでいた。
無論、今だってそれは同じかも知れないが、熱量が大きく違う。某CMのように正に24時間、命懸けで闘う気概を持っていた。

「親の背中を見て育つ」と諺はあるが、本当の意味で親の背中を見た人は良くも悪くも多くは無いだろう。
大概は、疲れきって家で泥のようになっているか、全然家に居ないか、はたまた偶然に街中で頭を下げる親を見て”絶対親の様にはならない。”と思ったことだろう。
しかし彼等は自分の理想の為に、家族に豊かな生活をさせる為に、見えない部分で闘っていた。
賃金水準を上げるために会社と正面からぶつかり、物言い賃金を出させる為に誰よりも業績を出して上を目指し、その業績出す為にどんな苦労も苦渋にも耐え、自分の信念と家族の豊かなで幸せな生活を守るために寝食を忘れて闘い続けたのだ。
そして、何かしら誰にも負けないというスキルを身に付けてきた。
そんな鬼気迫り闘う人間の現場を見たことがある人ならば、敬意を払っても批難することは無いだろう。

勿論、全てが肯定出来るわけではないし、もっと違ったやり方もあったかも知れないが、現状を嘆き世を批判するだけの人との熱量の差は歴然である。
逆言えば、それだけの熱量あれば現状は幾らでも変わる。

私自身、世代的には珍しい転職歴ある人間で全く違う業態経験もある。とはいえ、何処でも長い間勤めて、内容こそ言えないが形に残る業績や記録はどの世界でも、時には同僚と一緒にあげてきた。
これは自慢ではなく、それだけやる気と情熱あれば私でも、誰でも実現可能だと言う話だ。
私が転職してきたのも、自分の中の夢や理想を現実にする為の手段に過ぎない。
そうして闘ってきたから今がある。

先ずは何であれ「第1歩」を踏み出す勇気と、踏み出した先で「考え」、自らが望む道、光を見出し誰にも負けないという能力を洗練する強い意志と自分を強く律する心を持てるかだ。
非正規雇用を嘆くのも聞くが、身に付けるその能力を武器に正社員になったり転職で成功した人間も沢山見てきたので、何ら嘆くことは無い。
能力に大卒も高卒も中卒も関係ない。現代でも中卒で社長になってる人は沢山いる。

世の中楽して金儲けなんてのは絵空事である。耐え難き苦労の上に初めて高いリターンを得るのだ。そうして学んだルールやマナー、機運を取り込む磨いた能力と人格、全力で取組む姿勢があって形になるものが対価だ。

日本人は、世界でも類を見ない勤勉でタフなビジネススタイルを持っていると海外からは賞賛される。
だからこそ日本は経済大国になり得たが、そんな日本の経済社会において、生き馬の目を抜く気概を持たねば何を望んでも叶わない。仕事のプロにならねば相手にされない。自分に甘ければ勝負する土俵にも上がれない。


”あなたは闘ってますか?”

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