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走らせ方を考える

ミニ四駆の面白いところは、例えばフレキ作って走らせたとしても、どんなギミック載せて皆に寄せていっても、作った人の癖やマシンの個性が出て、どれも走りが違うことです。
そして、私が今回取り上げる話は、その違いを認識してるかを改めて見つめて頂きたいと思い、筆を取りました。

以前、DKサーキットのDKさんに”ネジ1本の意味”をご教示頂き、私はその教えをずっと大事にしています。
先日、DKさんのライブ放送でも少しお話いただけましたので、話に出た教わった事の一つを書きますが、例えば、バンパーに付いてる1本のネジ。
そのネジは何故付いているのか、その意図は何か、何故その長さなのか等を自らのマシンに問い、またはマシン見せていただいた方に問い、咄嗟に答えられる答えを持ち合わせているか?
ぶっちゃけて言えば、咄嗟の答えは”単に丁度良いネジが足りなかった”でも良いんです。

答えの内容は、自分が知らなかった事等を除けば、そこまで重要ではなく、「どこまで細かい所まで考えて意識的に作業されているか」を考察する為の話です。
この話を教示いただいてから、私は特にワッシャーの使い方や考え方も変わりました。

ネジも数使えば重くなり、数使うということは構造上無駄がある可能性も考えられます。
要は、無意識に組み立てるか、色々深く考えながら組み立てるか。この2つの隔たりは、出来上がったマシンに峡谷ほどの差がある事を指しています。

昔と違い、最近はネットから色々なギミックやマシン等の情報が沢山得られる良い環境になりました。
しかし、発案者・元々の作成者等の第一人者以外から発信されている情報というのには、余程精通し咀嚼した人以外は”真似ているだけ”である場合も多く、本質から離れていることもあります。

速いマシンには、個々全体的な精度には違いがあるものの、ただ真似してるのではなく、本質であるポイントがちゃんと含まれています。
そして、考え抜かれたそのマシンに合わせてオマージュされています。
真似から入る事は悪いことではありませんが、ただ作っても、自分のマシン(癖)等に合わせて考え合わせていかなければ、ただの劣化コピーに過ぎず、本来の能力を使い切れる事はありません。

走りを例に上げると、一つのMSフレキの走りを理想にしても、幾ら弄ろうがMSフレキの走りはMSフレキにしか出来ませんし、同じMSフレキでも作成方式(おじゃプロ式、杉山式など)でも大きく変わります。
また片軸でも、ホイールベースの違うVSとFMA、X系などが全く同じ作りや考えで速くなることもありませんし、選んだシャーシの粘りやしなやかさでも変わります。

ミニ四駆は、速くする為の基本概念は共通ですが、個々シャーシの構造や特性はそれぞれ違い、パーツ1つ作るにしても、得意な走り方にしても違いますし、更に作り手の個性が出ます。
それに合わせ伸ばさなければ速さには直結しません。

ミニ四駆は基本的に「引き算」(ロス含め、考え方にも拠る)です。
純粋に足し算になるのはパワーソース位です。
いくらパワーソースで足し算しても、マシンそのもののポテンシャルから引き算が多ければ、結果は及びませんし、完走さえ怪しくもなります。

かくいう私も、今だに五里霧中で、大好きなX/XXシャーシのポテンシャル全てを把握し引き出せてる訳でもなく、日々研究に余念がありません。
その中で得た知識の共有できる部分を、その当時ベターと思われる形でnoteへ残し、引き算を減らす参考にしてもらう為に公開してますが、有り体に求められるような、そのままズバリの答えはありません。

速い人に尋ねると「特に何もしてない」と答える人がいますが、「特段変わった手法はしておらず、自分のマシンに合った考え方で丁寧に組み上げた」と解釈する方が分かりやすいでしょう。

自分と同じシャーシを使うレーサーと何が違うのか、自分の作ったマシンの得手不得手は何か、同じギミックでも微妙に構造の違うAとBにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、そのギミックを自分のマシンに合わせてみた時、同じように動くのか、最適な位置関係にできたのか等、ネジ1本の長さでさえ突き詰めると色々な事が見えてきます。

そうすると、マシンの走らせ方は今までより良い意味で変わります。
速さはハードウェアだけではなく、このような考え、ソフトウェアを伴って初めてランクアップします。

およそレースに使われるコースは、破損等してない限り、ガタガタであったとしても、初見のレイアウトでも、皆が同条件のコースに挑めば、誰かは攻略が出来るものです。
逆に、攻略した人がいて自分が出来なかったとしたら、それはミニ四駆のポテンシャルというハードウェアではなく、セットアップ出来なかったソフトウェア(考え、内心)的な話であって、誰のせいでもありません。

ミニ四駆は”未知数のホビー”です。
スーパーコンピューターでさえ正解は導き出せません。
だからこそ自分のスタイル、マシンの特性を活かした走らせ方を考え、自分なりに確立していく事が最適解に近づいていく第一歩です。
皆と違う事が変ではなく、全く同じ事の方が変なのです。

自分の愛機を見つめてあげて下さい。
手に取って、見つめてあげて下さい。
それだけでも、何か一つ気付く事もあるはずです。

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