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未知への探究、仮説と検証、そして提言へ

「空想は知識より重要である。」

「大切なのは、疑問を持ち続けることだ。好奇心はそれ自体に存在の意義がある。」

かの、アルベルト・アインシュタインが遺したと言われる名言である。

彼は、自らの夢の中の光景から相対性理論のきっかけを得たとされている。
誰もが知っているように、相対性理論は現在の物理学の基礎・原則となっているが、100年以上経った今でも、証明されていないものも含まれ、特に現在は宇宙や光の解明に日進月歩であるものの、その理論から外れたものは導き出されていない。

彼は学者で、その知識自体も凄かったのは確かだが、人智を超えた彼の理論は”疑問・好奇心・空想”が生み出した産物であることは間違いない。
これらは、地球上で人類だけに与えられた、人間の素晴らしい可能性とも言える。

私はスケールも器も能力も全く及びもしないが、「ミニ四駆」というカテゴリーの中で”何故そうなのか”という疑問に対して日々考えている。

例えば「ミニ四駆を科学する。~ローラーベースとホイールベース、トレッドの関係性~」、「ホイール軸のオフセットについて考える」、そしてこの後寄稿予定の「ミニ四駆を科学する。~ノーマルタイヤでタイヤの可能性と理想値を追う~」の大きく3つ(実際には、他記事含む駆動系や基礎部分も網羅)で、私が長く探究してきた”ミニ四駆の車体構成に関するトータルバランスの速度への関係性”を、沢山のデータや逆算、仮定と検証、そして結果から提言を導き出してきた。

私が知る限り、このような事を実際に理論化した人も、そんな話も一部しか聞いた事が無い(たからばこセッティングやおじゃプロさんのフレキ等は稀有な例と思う)が、少なからず研究や実験した人はいたとは思う。しかし、他の部分は誰も証明し発表した人がいないから、根拠も理論もロジックも表面上は存在しない。

存在を否定するのは簡単だ。否定して終わればいい。そうすれば進歩は無いが失敗や間違いも無い。

確かに実車等で、常に係数が変動し際限の無い中からその法則を発見し証明する事は学者でも難題な話で、だからこそF1等で研究・実証実験を行い、ドライバーの卓越した能力がシンクロしたチームが勝つが、それでも黄金則は見つかっていないから、各メーカーが、しのぎを削っている。

しかし、ミニ四駆の場合、環境や状況という変動する要素はあるものの、決められたコース(認定されたコースパーツそのものを指す。レイアウトでは無い。)、決まったシャーシ類やパーツ等のレギュレーションという条件は不変であり、限定されたアプローチの中であれば、ミニ四駆という車体構成上は黄金則というのは存在してもおかしくは無い。

私はミニ四駆を速く走らせる為の車体構成に対して、”黄金比(1:1.618)”という仮定値を導き出して、車体構成の総トータルでのバランスで成立する提言をしている。
勿論、全ての主要部分単位で黄金比が成立するのは理想だが、環境という変数、部分的には車体構成上の問題による不整合からも、理想とならない事もある。それ故の総トータルでの考え方だ。

私がミニ四駆で導き出した”黄金比(1:1.618)”とは、数値として一般的に認知されてるのはデザイン等の最適なバランスを表わす値でもあるが、私の場合、フラット車を中心とした数多の速いマシンの諸元を基に、共通点や値の逆算等から導き出した仮定値が、黄金比に近似若しくは一致するものであったから、この値を”黄金比”という言葉そのままに表現している。

中には「黄金比は芸術分野の話で、物理には存在しない」とする方もいる。
あまり知られてないが、物理学である相対性理論の中では、リーマン幾何学(距離の概念を一般化した構造を持つ図形を研究する微分幾何学)、つまり、芸術分野における曲線美や黄金比に代表される法則も用いて説明される為、結果、万物に当てはまると言える。逆を言えば、それ無くして物理は成り立たない。

とはいえ、私がミニ四駆で導き出した”1:1.618(計算上は1:1.6にしている)”は数値からの便宜上「黄金比」と呼んで説明しているが、それが所謂「黄金比」であるかは物理学上の証明をした訳では無い。
だから、仮定であり提言で、理論立てて説明はしてるが理論では無い。故に「〇〇理論」等とは言った覚えは無い。

私が提言する根拠は、データと私の検証に基づく数値から導き出した理想値である。そして、理想値からの仮定や想定に基づく実証実験結果をnoteに纏めて公開してきた。

無論、私ごときモブレーサーが提言したものであるから、間違いもあるだろうし、違うアプローチからまた違う結果となる可能性も無いとは言わない。
私自身、全てが正しいとは思わない。
よって、それを内心否定するのも自由だし、皆が有益なるとは考えていない。
ただ、今現在、提言を根本から覆すものも残念ながら無い。

ネットが普及した現代。私のように、色々研究したり提言する人もどんどん出てくるだろう。
しかし、それを公然と批判や否定したり、誹謗中傷するならば、自らの根拠とロジックを示すべきであろう。
それが出来ないのであれば、不知の批判屋に過ぎず、提言者は自らの考察の上に成り立っているのだから、意に介する必要はない。
私自身そのように励まされ、そう考えるようになった。

少なくとも、自分の検証・提言によって、自分のマシンはパワソ自体変わらずに速くする事は出来た。
noteを見た人の中にも、同じ人もいるだろうし、逆にジャンルによっては違う結果に至ることもあるだろう。

それが私が提言した事によって得られた答えである。私に出来るのは、きっかけを与え、アインシュタインの言葉のように「疑問を持ち、考える」事への範疇を越えない。

未知への探究、仮説と検証、そして提言へ。
私は今後も、小さな石かも知れないが積んでいく。
皆が切磋琢磨して、新たな理論が確立する事を、研究者として切に願う。


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