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シャフトを直してみる~「シャフトストレーサー」の使い方~

今回は珍しく、レビューを兼ねた記事となります。

とあるキッカケで「ARAHI.jg」さんとお付き合いがあるのですが、今回新製品となる「シャフトストレーサー」を譲っていただき、使ってみて素晴らしい”工具”と思ったので、どんなものなのか紹介しつつ、有用性と実践結果を書いていこうと思います。

「シャフトストレーサー」とは、ミニ四駆のシャフトやプロペラシャフトなど、直径2mm以下の棒状の金属の曲がりを直す、上記写真の工具となります。

何故このような工具が必要か?
ミニ四駆にとって、シャフトの精度は重要なファクターで、どんなにタイヤやホイールを精度高く作れても、シャフトがブレていれば走行に支障をきたし、不確定要素は上がっていきます。
それだけ重要であっても、場合によってはコースアウト1発で新品も歪んでしまいます。
それに、製造から手元に来るまでの流通過程の中で、何らかの要因で曲がりは発生しており、新品を大量に買って選別しても、強い人等の厳しい目線で見ると、”ほぼ真っ直ぐ”と合格出せる物はあまり多くありません。

金属の性質上、1度曲がったものはその曲がった部分外側は「伸びている」ため、どんな機械を使っても100%真っ直ぐ元通りにはなりません。
しかし、その曲がり誤差を少しでも減らすことで、走りの精度を高めることも、選別落ち等で使われなくなったシャフトを使えるレベルに補正していく事も出来るわけです。

ただし、相応の修練は必要ですが😅

「シャフトストレーサー」は既製品ではなく、自分で組み立てる必要があり、そのチュートリアルはARAHI.jgさんのnoteを参照していただきたいと思います。ミニ四駆組み立てられる方であれば組み立て自体は難しくありません。
私はそのnoteに記載された修正方法を基に、ここでは現物を使って実践しつつ説明していきます。

先ずは用意するもの。
〇組み上げたシャフトストレーサー
〇 平らな板(身近なものだと鏡など)
〇ドライバー(私はネジにハンドルを付けたので不要です。)
〇シャフト(ここでは72mmシャフトを使い説明していきます。)

それでは、実際に修正していきます。

①曲がり具合を確認し、修正箇所の当たりを付ける。
先ずは手元にあるシャフトの曲がり具合を確認します。
基礎は大事よ」の記事でも書きましたが、身近な物の中で限りなく平面に近いのは”鏡”です。
鏡の上にシャフトを置き、鏡と目線が平行になる位置でシャフトの片側の端を押さえます。
シャフトは六角形なので、これを6回繰り返していくのですが、余程のコースアウトで曲がったシャフトを除き、曲がっているシャフトは概ね6面中3面で反り返って(または湾曲部が持ち上がって)光や景色を透過します。
これは、曲がりやすい平面部分のうちの、とある一面を中心に曲がり、その左右隣接する面が引っ張られているからです。つまり、今回修正するのに見つけなければならないのは「曲がってる3面のうちの真ん中の面」となります。

こうして見つけた”修正すべき面”が分かったら、その面を上にして、シャフトの片側端を指で押さえます。

すると、シャフトの途中から上に反り返っているのが分かると思いますが、先ずは湾曲の始点(指から一番近い曲がり始めの位置)を確認して、その点に上面へマジックで印を付けます。

印を付けたら、今度はそのまま反対側端を指で押さえます。

ぐにゃぐにゃと複数箇所曲がったシャフトで無ければ、反対側からも同じ面を上に反り返っていて、先の要領で湾曲の始点にマジックで印を付けます。

チュートリアルでは、点と点が2cm以上開いてる箇所にはその真ん中で別途点を作るようにしています。
また、目視で明らかに曲がった部分があれば、同様に点を取りたいところです。

②シャフトストレーサーで修正する
当たりを付けたシャフトを修正していきます。
シャフトストレーサー自体の調整についてはARAHI.jgさんのnote参照して頂き、実際に曲げていく際にチュートリアルには

〇中空:0.5から1.5
〇強化:1から2mm
の範囲を目安

でネジを締めていって加圧するようになっています。
シャフト自体はそんなに曲がってないじゃん!と思うかもしれませんが、これは「弾性変形と塑性変形」という性質から考えられた目安です。

荷重を取り去ると、元の形に戻る変形を弾性変形と言い、これに対し、荷重を取り去っても、元の形に戻らないような変形を塑性変形と言います。

つまり、目安より加圧しなければ曲がるより戻る方が強く、目安より加圧すれば、戻るより曲がりが強くなる。
この特性があるから、板に挟んで放置した程度では曲がりは戻らず、力いっぱい叩けば戻らずに曲がるのです。

この辺は実際にやってみないと掴めないかもしれませんが、この力加減で少しづつ曲げ伸ばしていきます。
曲げ伸ばす際は、点を上に、片側端に近い側の点から1箇所ずつ鏡の上で再確認しながら、各個撃破して次の始点に移り、繰り返していきます。

確認と曲げ伸ばしを繰り返していくうちに、反り返っていたシャフトは少しずつ伸びて鏡との隙間が無くなっていき、最終的には概ね鏡面とフラットになっていきます。

同じ要領で、別途72mm中空シャフトで実践した時の[動画]です。
ノーマルシャフトはピントが合わなかったのと、中空はその名の通り穴が空いてますから、見やすいと思います。
かなりブレ無く回るようになっているのが分かると思います。

私はARAHI.jpさんのような精度高い板を持っていないため、曲がり誤差は測れませんが、鏡の上で透かしてほぼ光が通らない(気にならないレベルと解釈して下さい。)程度には慣れるとすぐ出来るようにはなります。

普段、治具等をほとんど使わない私ですが、コレは「工具」として非常にお勧めしたい一品でした。

シャフトがピーンと伸びると、背筋もピーンとしてきますね(`・ω・´)キリッ

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