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LCについて触れてみる。

ミニ四駆を走らせていくと、速度が上がるにつれ強敵に感じるであろう「レーンチェンジ」。
実際に苦しんでいる方も多いと思う。
私も最初の頃「マグナムトルネード!!」位の勢いでぶっ飛んでいたwww

解決の為の一般的な話だと、マシンの構成度返しで「スラスト」「ローラーの高さ」が最初に出てくる。しかし、それらを色々弄ったとしても、クリア出来ないマシンもある。
それは何故なのかに今回は軽く触れてみたい。

答えとしては、「ミニ四駆を科学する。~ローラーベースとホイールベース、トレッドの関係性~」、「ミニ四駆を科学する~”重心”と、たからばこセッティングや走行性能との関係性を考察する~」の中に概ね包括されていて、それらを理解して実践出来ればLCで苦しむ事はほとんど無いのですが、先にそれらから全部読むのは大変だろうから、本記事を読んで、興味持って読み解いていってもらえたら幸いです。

①ローラー高さの話
先紹介の2記事から抜粋した内容にはなりますが、ミニ四駆は操舵機能が無いので、旋回時に壁に押し付け(押し返され)ながら曲がっていくのは分かると思います。
その時にミニ四駆は”重心高”によって外側に傾く力の掛かり出しがマシン構成で変わり、”シャーシの捻れ方”で特にフロントローラーの壁への掛かり具合が変わる。
コレらを支えてバランスを取る代表的なものが「たからばこセッティング」であり、私の記事の説明ともなっていく。
マシンによって、ローラー高さがワッシャー1枚の変化でLCクリアの可否が変わる理由でもあります。
逆を言えば、マシンの重心高やシャーシの捻れ具合に合っていなければ、前後ローラー高さを弄ってもクリアは難しい。

出来ないではなく「難しい」と書いた理由は、後にも説明します。

②スラストの話
マシンによって様々なスラスト角。
鬼スラ(極度な前傾または後傾ローラー)だったり、ほぼ”0スラ”(水平)でもマシンによってはLCを抜けていく。
何故こんなにも違うのかは、ローラーベースやその配置等の話になっていく。

ミニ四駆は一般的な(スターターキットの様な)構成の場合、基本的にはスラスト角は最低限必要になる。
理由は、旋回時にマシンが浮いて力が逃げないように”下に押し付ける”為と、ジャンプ時に”弧の軌跡”を描いてコースに復帰させる為が代表的な話です。

スターターキットの様なローラー配置の場合、スラスト角を弄らないでLCをクリアするには他に大きく2つの方法があります。
1つはLCをブレーキ掛けて速度を落とす方法と、もう1つは「ローラーベースを伸ばす」事で速度を落とす方法です。

ブレーキ掛けて速度落とす方法として、「スロープで当たらずLCジャンプでは当たるブレーキ」という話を聞いた事がある人ならピンとくるだろう。LCはバンクやスロープとは違う斜度が付いているので、ブレーキスポンジ等を調整して速度を落とす方法が取れる。
また、フロントローラー右上側をスタビやスタビにブレーキスポンジ等貼り物をして、壁への摩擦で進入速度を調整するやり方もある。

次が本題で、「ローラーベースを伸ばす方法」です。
先の記事から抜粋の話ですが、マシン構成によりローラーベース理想値を基準に直進性や回頭性が変わる。正確にはローラーベースを伸ばすと言うよりも”直進性を上げる”と表現すべきかも知れない。

マシンの直進性を上げるという事は、普通に考えれば”曲がりにくい”となり、普通全体速度は落ちる。「それじゃダメじゃん!」となりますが、そこは後の説明とし、今はLCだけの話を先にします。

スターターキットの様な構成の時、直進性を上げる方法は
〇 ローラーベースを今より微妙ながら伸ばす
〇 フロントローラー幅をリヤ側より狭くする
〇 タイヤトレッド(ホイールトレッド)を現状よりリヤ側を広げる
があります。
検証もしていますが、これらを微小ながら適切な範囲で調整すると、全体速度は極端に大きく変わらずにLCのクリア率は変わります。

今度はスラスト角の自体の話。
ミニ四駆はポン付けしていくと、スラストはフロントが付いててリアは概ね水平となる。
先にも触れましたが、スラストがあることでマシンを下に押し付け、ジャンプ時は弧の軌跡を描く。
Top写真でも分かるように、LCもある程度速度が上がってくるとマシンは頂上付近で軽く浮いた状態で射出されて反対の壁に飛んでいく。
つまり、登りで姿勢が崩れるとコースアウトするし、スラストが足りなければ壁より上に飛んでいく。
登り射出で姿勢が崩れるのは、主に重心高とローラー高の問題で、出口から見て、重心高に対しローラーが低ければ反時計回りに、ローラーが高ければ時計回りにロールして収められずにコースアウトします。

スラストについて考えてみて欲しい。スラスト角を前後から線で角立てずに繋ぐと、緩い弓形となる。スラストが増せばおにぎりの様な山形となる。
だが、線の始点であるローラーが元より距離が離れたらどうか?山形から弓形に近づく。近づけば山形になっていく。
リヤがアッパースラストであるほど尻を持ち上げ、フロントが鬼スラほど下に落ち込むと言う事でもある。
ミニ四駆最速級の秒速度を出す一般的なフラットマシンでさえ、初期設定のスラスト角は2度前後からである(正確には前右下にスタビを付けて斜度に当てて速度を調整する事もあるが)と知れば、スラスト角を鬼スラのように増すというのは”一時しのぎ”で適正なセッティングでは無いのは理解出来ると思う。

では、ギミックがモリモリの現代マシンがほぼ0スラでクリア出来るのは何故か?
これには大きく2つの理由があります。
1つはローラー配置、もう1つはギミックによるスラスト変動です。

皆も色々な方のマシン写真見て気付くと思いますが、流行はフロントローラーを前輪に近付け、リアは後ろに離れてるパターンが多い。
ローラーベースの話とリンクするが、前後車軸からローラー間の距離を、基準値の前後同一から前にシフトすると旋回性が、後ろにシフトすると直進性が上がる。正確には、前シフトはコーナーに切り込みやすく、後シフトはコーナー深くまで飛び込むのでコース全体の直線が伸びてコーナー距離は短くなりますがその分曲がりにくい。なのでLCでは前シフトよりは速度が調整されている。
脱線するが、現代マシンにローフリや滑るタイヤが重用されるのは、不利なコーナーワークを補う為でもあります。これが現代マシンの速さの理由の1つです。

ギミックによるスラスト変動は、例えば提灯連動のフロントバンパーやアンカーが上げられる。
LCに入ると、突入時の衝撃から射出により提灯は開く(理由は別記事を参照)。
提灯連動のフロントバンパーはそれにより僅かでもスラスト変動するので0スラでは無くなる。また、アンカー等リヤギミックは壁とローラーの摩擦によりギミックが少なからず引き摺られるので、スラストが変動する。つまり、適正な動きをするギミックであれば前はダウンに、後ろはアッパーにスラストが入るのでクリア出来るとなる。
これが先の”出来ないではなく「難しい」”とした理由で、一概に括れない部分があるからです。

応用で、フルリジッドのギミック無しマシンでも、リアバンパーを止めるネジを少し緩めると、同じ理屈でアッパースラストが入るのでクリア率は上がる。
本当に困った時は試してみると良いでしょう。

ざっと軽く書いてきましたが、私的には、LCというのはマシン構成のトータルバランスを端的に見ることが出来る1番適したセクションだと考えています。
スラストやローラー高だけで説明出来ず、クリア出来ないのも、何となくでも掴めたなら幸いです。
苦手意識もあるかも知れないですが、LCと向き合ってトータルバランスを見直していけば、綺麗に駆け抜け、気付かないうちに全体的にも良くなっていくでしょう。

ミニ四駆は奥深いよ(´ω`*)

「簡単では無いな…。」
「あぁ…。」

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