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旅を仕事にする幸せをお裾分け


2015年、或るNPOの会報誌に書いた自己紹介です。自分を鼓舞するためにも新型コロナウイルスのなかった時代を振り返ってみます。


1 当社のだわり
 仕事で自己実現する。自分が本当にやりたいことか、自分の得意なことか、自分がプロとしてお客様の期待に応えられるか、自分に問いかけ、自分の感覚を磨き、納得できるもの(こと)こそが期待してくれたお客様にも納得させることができます。だから、素直に生きよう!旅に出よう!旅こそが自分を最も客観的に見せてくれるステージと信じ、自然治癒力を受けやすい環境づくりに最大の配慮をしています。

2 経営の志
   大学を卒業して社会に出る時には明確な目標がなかったことが、その後20年以上過ぎて、むっくりと、そして恐る恐る独立に踏み切ることになりました。それは、大それた志でもなく、ようやく自我が目覚めたといえるでしょう。仕事を引退する時は自分の意志で潔くありたいが、家族などの最も身近で大事な人々や自分に期待してくれる人々の役に立つ限りはいつまでも働いていたい。そんな虫のいい希望をかなえるのは自分中心の会社であり、存続するためには身の丈にあったスリムで自活できる会社でなければならない。小さくても輝き続ける光が「リボーン」と巡りあったお客様のイキイキとした人生に少しでも指針を示すことになり、こんなジコチューの会社が存在し、過去の私のような迷える人々にも勇気を与えられれば本望です。

3 特筆すべきCSR活動
● 北欧などの環境先進国や飯田市や屋久島町などの環境先進地域へのエコツアーを企画提案し、循環型社会(原発、化石燃料などに頼らない)を構築するためのきっかけを、行政、企業、NGO、個人それぞれに提供しています。

2008WWFボルネオ


● 先進的有機農業や里山整備に取り組む地域と大都市を繋ぐ都市農村交流ツアーを実施し、第1次産業の体験を通じて、健康と環境の大切な関係を啓蒙しています。

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● 東日本大震災復興支援のためのボランティア作業をエコツーリズムを専門としてきた旅行会社だからできる役割りとして果たすよう心がけています。

3月末石巻での食料提供ボランティア

4 経営者・個人として思うこと
   会社が大きくても小さくても、収入が多くても少なくても社会の一員であることに変わりはありません。企業理念や人生観がそれぞれ異なるように、究極の目標のひとつが豊かさであることは確かです。豊かさとは何か?人間は長い歴史の中で文明を発達させ、便利で快適な世界を創り出してきました(?)。道具を使い、火を使い、それが冨を生み、そこに争いが起こり、武器を使って豊かさを守ろうとしてきました。石器が弓や刀剣になり、火縄銃がピストルや大砲になり、便利な交通網が世界中の紛争地帯を生み出しています。原子力は究極の豊かさの源泉と信じられてきて、神話が崩壊したはずの現在ですら、人間の最大の才能である「忘却」を利用して、これまでの流れを止めることができない状態です。豊かさを提供する企業が対価として高収益をあげる資本主義を否定することはできません。SNSが発達したとはいえ、マスメディアの影響が大きい現在、商業主義を乗り越えた骨太のジャーナリズムを期待します。
   しかし、気候変動も含めて、ほとんどが人に起因するものです。大きな決定権を持つ偉大な政治家や実業家でも元はといえば一人の人間。子どものときはあまり他人に影響を与えるわけではないでしょう。コミュニケーションと学びが必要です。天才を悪魔にしてしまうのは周囲の人々の責任でもあります。自分が小さな人間であることを自覚し、それでも豊かな(充実した)人生を送りたいと願うからこそ、他人との共感的理解を大事にするのではないでしょうか。   I am that.


そんなに長くない残りの人生、これからは、いかに自分が幸運な人間であったかを勝手に伝えたい。たとえそれがささやかな幸せであったとしても、それを誇ることでこれまでの恩人たちに謝意を表したい。