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旅行業者としてのエコツーリズム

持続可能なライフスタイルの提案企業としての10年(後半)

 2011年3月11日、日本だけでなく世界中に従来の価値観を再考する機会が生まれました。甚大な被害を出した地震と津波は、福島原発事故という悲劇までひきお越し、防災意識の高まりはもちろんのこと、ライフラインに不可欠な再生可能エネルギー革命に発展しました。世界は、日本はどう動くか?そして自分自身はどう生きるべきか?真剣に考えたことは忘れることができません。
大震災直後は経済活動を中心に日本中が麻痺しました。旅行業は観光・レジャー産業として平和で好景気の時に賑わいますが、困窮した時には真っ先に自粛させられるのが宿命でした。しかし、「今、何をなすべきか?」と問われた時、
人と地域を繋ぐ事業(旅行業)は国内に限らず、海外も含めて明確な役割が生まれていました。

 大規模にボランティアツアーが始まったのはGW頃でしたが、その前に、
リボーンは小規模旅行社の身軽さを生かして、3月中に使命感に後押しされたボランティアを募り、石巻、東松島、南三陸、気仙沼に毎週天ぷらバスを走らせました。最初は新宿区と連携し放置自転車を、らでぃっしゅぼーや等の協力で食糧を、そして天ぷらバスの燃料であるBDF(バイオディーゼル燃料)を積み込み、ボランティアと一緒に被災地に届けました。3ヶ月は続いたでしょうか?そして、復旧から復興へ変わる頃、福島の被災地(耕作放棄地)のオーガニックコットンボランティアツアーがはじまり、8年過ぎた今も続いています。(COVIT19で大きく変化しそうですが・・・)

 一方で、ドイツは原発停止を決定し、デンマークは世界中に再生可能エネルギー利用のノウハウを発信している現実を日本人こそ知るべきと、エネルギー先進国へのスタディツアーを実施してきました。その過程で国や大企業だけではなく、個人のライフスタイルも変わらなければ持続可能な社会は実現しないことが見えてきました。フランス、イタリア、アメリカ西海岸などのオーガニックライフは日本の発酵文化や共同購入の仕組みも役割を担っていることもわかりました。自然体験や環境保護を目的としたエコツアーは少なくなったように感じていましたが、サスティナブルツーリズムに基づいたスタディツアーがいつの間にか主流になっていました。

 気候変動に対応しなければならない現在、小さくても誠実かつ地道に事業を行う旅行業社か必要なはずです。若者の事業参加を期待しますが、私のようなシニアのセカンドライフとしての事業参加も応援します!気持ちさえあれば、自分たちでできることをやりませんか?

そんなに長くない残りの人生、これからは、いかに自分が幸運な人間であったかを勝手に伝えたい。たとえそれがささやかな幸せであったとしても、それを誇ることでこれまでの恩人たちに謝意を表したい。