見出し画像

【FREITAG】ただ、カバンと出会う話【BONANZA】

初めて最初にFREITAGに出会ったのは19歳か20歳か正確に覚えていない。
コンビニで夜勤のバイトを始めた時の、先輩が使っていた。

先輩と言うと失礼に当たるかもしれないけど、20歳くらい年上の方で、平日は夜勤で働き、土日祝日は自分が経営するセレクトショップで、服やカバンやスニーカーを売っている。

私が働いていたコンビニは夜間帯は比較的、閑散としていて、いつものお客さんがいつもの時間に来て、いつもの商品を買って、いつも同じ疲れ具合で帰っていく。夜中の3時頃になると一通り仕事も終わり、一緒にシフトに入っている人と何でもない雑談をする。その方とシフトが一緒になれば、いつもスニーカーの話をしていた。私はおしゃれではなかったし、おしゃれをするほどの余裕もなかったが、話を聞いているうちに、ほしくなってきた。
その方の影響で、スニーカーを買ったし、サンダルも買ったし、服も買った。今思うと、いいカモにされていたのしれないが、今でも使っているものなので、満足している。

その中で唯一手に入れれなかったのが、FREITAGの「BONANZA」だ。
FREITAGというブランドはスイスのブランドで、トラックの帆からカバンを作っている。素材の帆の使われていた年数や、切る角度や切る場所で当然デザインが変わってくる。肩紐はシートベルトだ。
素材そのものが、ヨーロッパを駆け巡り、やがてカバンになり、また旅をする。
すごく惹かれた。
私が欲しかった「BONANZA」はそんな中、すでに生産終了していた。
他のFREITAGの商品を買ってごまかしていたが、やっぱり「BONANZA]が欲しくヤフオクやメルカリで探してもいい状態ではなかったり、プレミアがついていたりと、なかなか手が出なかった。

ある日、再販されると聞き、即購入した。
若干のマイナーチェンジはあるものの、あの「BONANZA」が手に入ったのだ。
5日ほどで、スイスから送られてきた。
これほど、物欲が満たされたことがなかった。

カバン自体の機能性は正直、使いにくいし、よく見るとランドセルみたいで、ダサい。
でも、このカバンを背負っている自分が好きみたいなところがある。
それでいいのだ。
これからも背負っていくし、死ぬまで使い続けたいし、丁寧に使えば死ぬまで使い続けられるものだろう。
生涯のうちにそのような出会いが、もうないかもしれない。
一つ一つのものとの出会いを大事にしていきたい。


左が「F31 BONANZA」右が「F553 LOU」
携帯ケースは「F341 名前不明」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?