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僕らのレアグルーヴ漂流記

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トマトケチャップ皇帝による音楽コラムです。洋楽に対しての熱い思いや、音楽とともに歩んだ青春の記憶は共感必死。「30歳を超えてやっと邦楽の魅力に気づいた」という彼のメインストリーム…
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#フリーペーパー

【S01:COLUMN】微笑みのルークトゥン

タイに行ってきた。 タイという国は至るところで路上ミュージシャン、というかホームレスがハンディカラオケで歌っている。特に上手くもないのだが歌い終えるや胸を張っておひねりを求める緩さが個人的には好きだ。聞こえてくるローカル音楽は歌謡曲中心で、調べてみるとルークトゥンと呼ばれるジャンルらしい。 旅の記念にアルバムを持っておくのも良いかと思い現地のレコード屋に赴いた。アジアらしい雑然とした店内で、カウンターには無愛想な小太りの青年が座っている。 こっちの人は言うほど微笑ま

【S02:COLUMN】青春のディスクユニオン

ディスクユニオンが好きである。 あの黒地に赤のロゴがプリントされた袋を持っていると一端のレコードコレクターと認められた気がするし、店名からして何かの結社ぽくて僕の自尊心を満たしてくれる。 ユニオンの店頭には特価CDが突っ込まれた段ボール箱(通称エサ箱)が設置されている。そこが僕のミュージックライフの出発点だった。 ニルヴァーナも200円で買ったしセックス・ピストルズ も200円で買った。 どちらも大して好みじゃなかったけど、カート・コバーンやジョン・ライドンを知り合いのよ