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【Meet Reapra】第3回:福岡オフィス 地方ならではの産業創造とは!?Reapra福岡オフィスの活動に迫る!


◎今回メインとなる読者:地方出身の大学生の方、地方出身でなくても地方を愛している大学生の方、インターンに興味がある大学生の方

◎こんな方も是非!:地方から起業したい方、地方が秘めたビジネスチャンスを信じている方、地方在住の方、なぜか地方に惹かれてしまう方、Reapraに興味がある方

謎多きベンチャービルダーReapraの社内チームを徹底解剖!
第3回は福岡オフィスの紹介です!

名前からでは「福岡で何かやってそう…」ということしか分からない彼らが、何を思い、何をしているのか。詳しく伺っていくと、

・地方ならではのビジネスチャンスの話
・お金だけじゃない「豊かさ」を追求する話
・九州大学で自分を深く知る講義をやった話
・福岡オフィス唯一の社員が起業しちゃう?!話


などなど、深くて面白いお話がたくさん聞けました!

この記事をきっかけにReapraの福岡オフィスに興味を持っていただき、何らかの形で関わってみたいと思ってくださる方がいらっしゃれば嬉しいです!

<この方々が答えてくれました!>

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福岡オフィスっていったいどんな活動をしているの!?

インタビュアー:
福岡オフィスの設立背景を教えてください。

平田:
福岡オフィスは昨年(2020年)10月に発足し、福岡市の隣の糸島市を拠点に活動しています。設立の背景には、「研究と実践を通じて産業を創造し、社会に貢献する」というReapraのミッションに関連して、地方から産業創造ができる可能性を模索したいという思いがあります。

インタビュアー:
数ある地方都市の中でも、なぜ福岡を選ばれたのでしょうか?

平田:
Reapra創業者の諸藤が住んでいるのと、九州大学、福岡空港、繁華街の天神とかがギュッと集まったコンパクトシティーだからって理由が大きいです。

インタビュアー:
言われてみれば、住みやすそうで素敵な街ですね。「地方から産業創造」とありましたが、福岡で何をしようとしているのですか?

平田:
僕らのミッションは「地方から生まれる産業創造を目指す起業家のエコシステムを作る」です。このエコシステムというのは、地方から起業家を輩出するのはもちろん、大学、行政、地方の大企業、銀行などのステークホルダーを巻き込んで起業家を支援し、さらに彼らステークホルダーからも起業家が輩出される状態のことです。そうやって地方からの産業創造を包括的に推し進めようとしています。

インタビュアー:
あえて地方で挑戦することの重要性はどのあたりにあるとお考えなのでしょうか。

平田:
東京や大阪などの大都市では、株式会社とか資本主義の中で比較優位に立って勝ち、経済的リターンを享受するという豊かさが主流になりがちだと感じています。一方地方では、それも当然あるんですけれど、それに加えて主観的な心の豊かさや自然資源の豊かさなど、非経済的と思われているが重要な価値に触れる機会が多いと感じています。そんな「地方ならでは」の価値を利益先行の都市型資本主義にバランスよく取り入れることで、ビジネスの可能性を推し広げると共に、日本や東南アジア諸国に多く眠っている地方社会の潜在的価値を引き出すことが出来るのではないかと期待しています。


お金とそれ以外で「豊かさ」を二項対立にしてはいけない

インタビュアー:
つまり、福岡オフィスは「お金ではない豊かさを追求しようとしている」という理解であっていますか?

平田:
それは少し違いますね。

僕らはあくまでも資本主義の中の株式会社として、産業創造(=世代を跨いだ社会課題を解決することで長期持続的によりよい生活を享受できる事業・企業の集合体)を目指して福岡に来ているので、経済的リターンも追います。お金と豊かさを二項対立にしないというのは結構重要で、「心の豊かさを求めるから経済指標を追わない」というわけでは決してなくて、むしろ経済指標を追いながら、「都会の人が忘れている打ち手ってあるんだっけ」、「お金以外の豊かさという概念ってビジネスに取り込めないんだっけ」ということを考えています。

福岡オフィスの取り組み


インタビュアー:
普段の業務内容の概要を教えていただきたいです。

平田:
大きく①リサーチ、②タレントソーシング※1、③エコシステム構築の三つを行っています。

※1タレントソーシング: 求める人材を発掘する活動のこと。

①リサーチ


平田:
僕らの活動の一つ目が、地方発の産業創造事例のリサーチです。例えばニトリ、TOTO、ブリヂストンなど、多くの方が聞いたことがある会社で、実は地方から生まれた会社はたくさんあります。それらが東京ではなく、なぜ地方から生まれたのかを調べています。地方を拠点に面白いチャレンジをしている事例も、人や会社、事業の観点でリサーチをしています。

インタビュアー:
リサーチを進める中で気づいた学びはありますか?

平田:
地方から全国区になった会社の成功の秘訣について、大きく二つのパターンを発見しました。一つ目は、近くに有力な大学があることだったんです。

インタビュアー:
それは興味深い!近くに大学があると起業にどんなメリットがあるのでしょう?

平田:
簡単に言うと、ヒト・モノ・カネが揃いやすいんです。例えば、地方の有名国立大学の周りでは優秀な人材を囲いやすい、というのはイメージしやすいと思います。また、大学は研究機関でもあるので、研究開発の過程で必要となる技術、人材、設備など、高水準のリソースを保有しているんですね。それでいて、土地代や人件費が安く、地場の銀行などからの支援も受けやすいために経済的に事業が回せる。実際、京都の京セラ、任天堂、日本電産などは、近くに京都大学と比較的チャレンジングな融資をする地場の銀行があり、その掛け算で誕生したと考察しています。つくばでも同じようなことが起き始めていますね。

こうしたアドバンテージを活かし、製造から販売まで一連のオペレーションをきちんと地域で作り込んでから全国展開していくという形でうまくいっているモデルが多いと思います。コスモス薬品、ニトリなどもこのパターンだと考えています。

インタビュアー:
地方から飛躍した企業は、土地柄潤沢な資源を活かし、成功するビジネスモデルを地方で小さく創り込んでおきながら、満を持して全国展開していたんですね。

平田:
はい。二つ目の成功の秘訣は、地方ならではの文化です。地方には独特の文化が根付いてることがありますよね。ユニークでニッチな事業領域なんだけれど、その地域限定で見れば意外とマーケットサイズがあった、みたいなビジネスが結構あると感じています。

例えば最近福岡の会社で、お酒が飲めない人が抱える飲み会での苦労に着目して、食事に合う居酒屋用のノンアルコールドリンクを開発している会社があるんです。まさに飲み文化の強い九州ならでは、に着目して、この会社今凄く伸びているんです。

これが多分東京だったら、「それマーケットないじゃん」とか、「それって価値あるんだっけ」という議論で躓いたり、そもそも競争環境が激しいので競争に勝てなかったりということがあると思うんですけど、地方では意外と生き残ったりするんですよね。

このような事例を見ると、起業家自身が地方で育んだ特有の価値観と地方ならではの環境によって事業が結実したとも捉えられます。こういう地方特有のテーマは実はたくさんあるのではないかと思っています。

野村:
他には、地方が抱える少子高齢化問題をうまくビジネスにした例として、いわゆる「おばあちゃんの味」をおばあちゃんが主役になって食堂や商品開発する例が面白いと思っています。少子高齢化によってすごく過疎化が進んでいる、とある地域の取り組みなんですけど、働く意欲がある元気なおばあちゃんがいっぱいいるんですね。彼女たちの働く場所を作りたいということで、75歳以上のおばあちゃんが運営する食堂をオープンしたんです。実際、おばあちゃんって食や生活の知恵をいっぱい持っていて、そうした個々人の経験や能力を引き出して、いろいろな商品の開発もしています。

平田:
地方って人口減少も早いし過疎化が進んでいるので、日本が今後迎えるであろう社会問題がすでに身近にあって、だからこそ危機感が強くあるんです。特に、地方は高齢化が進行していて、僕らの二まわり、三まわりも人生の先輩が多数を占める中で、そういった方々と一緒に手を取り合ってやるビジネスってどんなものだろうか?というのを考えやすいのも地方ならではかなと思います。課題が多いと考えられている場所ほど、実は面白いアイデアが生まれる可能性を秘めているのかもしれないですよね。


②タレントソーシング

平田:
福岡オフィスの活動、二つ目がタレントソーシングです。地域課題や社会課題を解決する志のある方と共同創業をするのがReapraの投資スタイルですが、なかでも特に地方から挑戦したい大学生や社会人の方を探しています。

インタビュアー:
その中でアイデアが秀逸な起業家の方を選定するのでしょうか?

平田:
いえ、タレントソーシングのときにアイデアは考慮しないです。アイデアではなく人に投資をするのがReapraのスタイルなので、「このプロダクトで勝負したい」、「このビジネスアイデアを実現させたい」というようなな起業の仕方はむしろ推奨していないんです。そうではなくて、対話をしていく中でその人自身の価値観に根付く「願い」※2を深掘り、心から動機づけるテーマが見えた段階でお互いの歩み方を決めていきます。その上で、私たち福岡オフィスは地方にフォーカスしているので、地方から産業創造を目指していきたいという方を支援したいと思っています。

個人のテーマが地方に紐づく場合でも、選択肢は起業だけとは限りません。Reapraとしては、その人の価値観に照らして最適な関わり方であることが重要なので、「あなたの願いを成就させるなら起業が良い選択肢かもですね」って人は起業家候補として巻き込みますし、僕ら福岡オフィスへのジョインや外部のままでの協同といった、起業以外の形を提案することもあります。

インタビュアー:
願いを深掘る、という特徴的な表現が出ました。具体的にどのように人を巻き込んでいくのでしょうか?

平田:
色々なきっかけで大学生や社会人の方と繋がるのが第一歩です。その後は、かなり時間をかけて対話を深めていきます。まずReapraの会社紹介。続いて自分自身を深く知り、ありたい姿を紡ぐためのセッションを時間をかけて行います。最後に、ここまでで見えてきたご自身の価値観と、長期で解決していきたい地域課題を結び付けて、一人ひとりのらしさが反映されたライフミッション(生涯かけて目指していきたい姿・状態)を一緒に設定します。

※2願い: 「自分はこうなりたい」、「社会にはこうあってほしい」など、個人が抱く自分自身や社会に対する強い思い。幼少期から現在に至るまでの経験や、個人の性格、コンプレックス、憧れなどの価値観が反映されるとReapraは考えている。

「東京がいくらお金をかけても糸島にはなれない。」

インタビュアー:
地方からの挑戦に動機付く人を巻き込んでいるというお話でした。そのような方々って、やはり地方出身で、地元のために何かしたいみたいな価値観を持ってる方が多いのでしょうか?

平田:
何らかの形で地方に住んだことがある、もしくは接点があるというのはケースとして多いと思います。一方で、過酷な競争環境や行き過ぎた資本主義などに疑問がある人が、「都会にない豊かさ」を地方に見出して関心を持つっていうのもよく聞きますね。

インタビュアー:
都会の方が豊かだと一般的には思われがちですが、そうとは限らないんですね。

平田:
何を豊かと感じるかは、人それぞれだなと思います。糸島のある企業の社長の言葉で、「糸島はお金をかけたら東京にはなれるかもしれないけれど、東京がいくらお金をかけても糸島にはなれない。」っていうのが個人的に印象的です。こうした地方の魅力について、これをウェルビーイングという言葉で表現したり、自然豊かとか人が温かいとか、一人ひとり視点は異なるものの、お金以外の豊かさがここにはあるんじゃないか、というのは多くの方が感じているんでしょうね。僕らは、そうした思いをどうビジネスで持続可能なものにしていくかという挑戦をしています。


③エコシステム構築


平田:
福岡オフィスの活動の三つ目が、行政・アカデミア(大学などの研究機関)・起業家を巻き込んだ、産業創造のエコシステムづくりです。チームのミッションを長期的に研究・実践をするための土台となる部分ですね。

大学との連携でいくと、起業家輩出のための学生コミュニティを作っています。2021年6月時点で、九州大学で「自分自身を知る」をテーマに大学1年生向けにアントレプレナーシップ入門という授業を開講しています。

インタビュアー:
九州大学で講義!?それってちゃんと単位になるんですか?

平田:
もちろん単位になります(笑)。

インタビュアー:
ユニークで面白そうですね。私も受けてみたかった…

平田:
ありがとうございます。実際、評判はかなりよかったです。
何かを教えてもらうのではなく、じぶん自身のことを深く知るって講義としてはめずらしいからですかね。
私は1回もこの講義で「起業」という言葉を使ってないんですけど、受講前は約19%の人が「いつかは起業したい」と回答していたのが、受講後には72%まで増えました。やはり、自分を知り、自分らしいテーマを見つけられると、就職以外の選択肢も多様に見えてくるんだなと。

吉良:
受講生の方々が講義での学びを活かして人生をより良くしていけるように、僕たちインターン生を中心に受講者のコミュニティを運営しています。講義で見つけたそれぞれのテーマでチャレンジすることを、受講生同士で応援しあえるような環境にしたいですね。また、こうした取り組みを、九州大学以外にも広げていきます。

インタビュアー:
これからの展開にも注目しております!
その他、大学以外との連携もなさっているのですか?

平田:
他との連携では、起業家をサポートしていきたいと思う自治体、企業と面談をさせて貰い、Reapraのアプローチを知って頂いた上で、どうやったら一緒に地方から産業創造できるかを議論しています。直近ですと、水産業界の会社の社長さんと面談させてもらいました。

インタビュアー:
「ウェルビーイング」というキーワードが出ました。九州大学の教授とウェルビーイングの研究をされていると伺ったのですが?

平田:
はい。九州大学と連携してウェルビーイング研究所というのを立ち上げようとしています。九州大学と糸島市とReapraで「豊かさとは何か」を模索し、研究・実践していきたいなという風に構想中です。

インターン生の声

―福岡オフィスのインターン生に働く感想を伺いました。

インタビュアー:
インターン生の業務を教えてください。

吉良:
地方発の企業や産業事例をリサーチしたり、九州大学講座の受講者コミュニティ作りをしています。社員もインターンも関係なく、やれそうなことは全部やらせてもらえる環境です。

インタビュアー:
なぜ皆さんは福岡オフィスに参加したのですか?

野村:
私はチームミッションに興味を持って参加しました。以前から、地方にしかない心の豊かさや自然などの魅力を感じることが多かったんです。地方だからこそ生まれる産業創造の在り方がきっとあると思っているので、それを実践したいと思い参加しました。複雑性が高いと思われている地方産業に対して、Reapraが長期的な目線で向き合っていることに対してもいいなと思います。

吉良:
僕は地方出身なのもあり、「地方創生」が最も当事者意識をもって力を発揮できるテーマだと感じています。元々はReapraの別チームにいたのですが、自分のテーマの実践には福岡オフィスが適していると思って移籍しました。

インタビュアー:
福岡オフィスでは、どんな学びや、やりがいがありましたか?

野村:
糸島市や企業のリサーチ、九大生と関わりによって、やっぱり地方には可能性があるなって再確認しました。地方ってマイナスイメージも多くて、地方が秘めている力に心から自信を持ててはいなかったのですが、インターンを通じて地方に出来ることがもっとあると感じ、地方から生まれるエコシステムを特に糸島から作りたい!と思いました。あと、糸島の起業家さんとお話しすることが多く、自分が地方を好きになった理由を考える機会になったので、入って良かったと思います。

吉良:
コミュニティづくりを主導させてもらっていることがやりがいです。株式会社でやるので、学生や九州大学の教授の方、社長さん、地域住民の人とかも巻き込んでやれている楽しさがあります。こんなに大きなコミュニティ作りを主導できる機会は他にないと思いますし、出来る事がとても多くて、めちゃめちゃ面白いです。


福岡オフィスから読者の皆様へのメッセージ

インタビュアー:
最後に、ここまで読んでくださった皆様に一言お願いします!

野村:
私は現在石川県に住んでいてリモートで勤務しています。違う地域にいながら、自分が住んでる地域の情報も生かして実践できるところが素敵だなと思うので、もし地方や産業創造に興味があれば、どこからでも気軽にジョインして頂けたらと思います。

吉良:
チームメンバーも少ないし、今まさに作り上げている段階なので、一緒に作り上げてくれる仲間がいたら嬉しいです!新メンバー大募集中です!


平田:
自分が今まで繋がったことない人達と一緒に何かをはじめる実践の場が一番あるのが福岡オフィスだと思います。
興味があるみんな待っとるよ~!!(えせ方言)

インタビュアー:
福岡オフィスの皆さん、本日はありがとうございました!

【速報】平田さんが起業家にポジションチェンジ!!


―福岡オフィスの立上げからここまで、「地方ならではの産業創造」を掲げてチームを牽引なさってきた平田さん。そんな彼が2021年9月より起業するというニュースが入ってきました!

インタビュアー:
平田さん、起業なさるとお聞きしました!福岡オフィスと何か関係があるんですか?

平田:
関連性はとてもあります。これまで福岡オフィスで「地方から生まれる産業創造を目指す起業家のエコシステムを作る」というミッションを掲げてきましたが、これからは、そのエコシステムの中で起業家として産業創造を実践していくというだけで、いわばポジションチェンジですね。

インタビュアー:
平田さんと福岡オフィスの新しいシナジーに期待が高まります…!
それで、起業してどのようなことをなさるんですか!?

平田:
自分のライフミッションである「答えのない社会の中でじぶんらしい”活き方”を育み続ける」ということを体現すべく、「株式会社ジコウ」という会社を設立します。
みなさんがぱっと思いつく「時効」ではなく(笑)、「自考=自ら考え」「自行=自ら行い」「自工=自ら工夫し」「自幸=自分自身を幸せにする」という意味を込めています。
主に、自分自身の過去の成功体験から脱皮し、新たなことにチャレンジしたい人向け事業、地方で長く続く企業がより変化しながら続いていくための事業をこれから作っていく予定です。
これまで福岡オフィスで活動してきたことを踏まえて地方ならではの事業をやりたいと思っています。

株式会社ジコウのホームページはこちら:http://jicou.jp/


インタビュアー:
まさに「地方ならではの豊かさ」に着目した事業ですね。平田さんの新たな挑戦を、Reapra一同応援しております!!頑張ってください!!

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▼福岡オフィスに興味を持ってくださった皆さんはこちらのメールアドレスからご連絡ください。
info.ventures@reapra.sg

▼Reapraのホームページはこちら
https://jp.reapra.com/

▼今までのMeet Reapra記事はこちらから
https://note.com/reapra_jp/m/m8ebf3da8357c


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