半ラーメンの話

 半チャーハンに不満をいだいたことはないが、半ラーメンは不満だらけだ。端的に言えば美味いと思ったことがない。
 我が国のラーメン文化は戦後、飛躍的に発展しており、各地方のご当地ラーメンの他、家系や二郎系など、広く、深く、それぞれが専門的にその味を進化させている。そんな中、本場といえば聞こえがいいものの、総合商社たる中華料理店のラー麺に過度な期待を抱くことが間違いであり、+250円のセットであればなおのことである。

 ところがだ、昨日、安い餃子目当てで行った中華料理屋で、杏仁豆腐につられて頼んだ餃子+半チャーハン+半ラーメン+杏仁豆腐750円セット(激安!)で、伸びる前に食わねばと最初に口にした醤油ラーメンがまさかの絶品!思わず「うまぁぁっ」と口にしてしまった。

コーヒーのCMの米倉涼子状態

 これまで食べてきた半ラーメンは、往々にして、半端な味というか。ボケた味というか、ぼやっと塩味がするだけの代物であったが、このラー麺はキリッとした味わいである。過去イチの醤油ラーメンと言って過言ではないと思った。
 ただ、少し懸念を抱いたのは、腹ペコで味の濃いものを食べたから、存外に美味く感じた、ただの馬鹿舌の可能性が微レ存であることである。

 そして今日、朝からあの醤油ラー麺のことしか考えられなくなった私は、昼時に馳せ参じ、昨日とは打って変わって、醤油ラー麺大盛りを注文した。もう半分じゃ我慢できないのだ。そして、前菜メニューから、気になった蒸し鶏ネギソースがけも注文した。
 蒸し鶏がすぐ届き食べる。量も多く、美味い。ネギ油的な、さっぱり目のソースかと思ったら、ガッツリ醤油ベースのしょっぱいタレだった。

 そうこうしてるうちにラー麺登場!
 これがまた全然美味しくないんだなこれが!

 恐らく、先に味の濃いものを食べてしまったから、舌が鈍っているのだろう。昨日のような、キリッとした味わいがない。幻の醤油ラー麺を生んだのは、やはり馬鹿舌だったのかも知れない。
 ただ、家庭科の授業や、保険の授業で習った、なるべく薄味に慣れよう理論は、はっきりとした形で理解できた。繊細な舌を持たない限り、先に食ったものに左右されるんでしょうな。

 余談だが、食べログのレビューとかでよくある「うん。美味しいです。」という言い回し。この「うん。」が大嫌い。美味しさが想像の範囲内だった感がにじみ出てすごい嫌だ。美味いと言ってはいるけど、想定内だった感、自分はわかってるというマウント感。食べログに限らず色んなとこで見る「うん。◯◯です。」がすごいきらいである。

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