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“相手のために別れる”は愛なのか

自分といることで相手を苦しめる、相手が自分のために頑張り過ぎている。
相手にとって自分が重荷だから。
本人はそう言ってもいないのに、あえてこちらから別れを切り出す人たちがいる。

それって、本当にそう思ってるのかな。
相手を想ってのことじゃなくて、自分がそこまで相手を好きじゃなかったんじゃない。
だからそういう言い訳をつけて、別れようとしているんじゃないか、と。

以前の私は、好きならずっと付き合っていればいいし、それが当然と思っていたから、そういう話を目にするといつも不思議だった。つまり視野が狭かった。

なのにこの恋は限りなくそんな恋に近いから、その苦しさが少しわかってきた気がする。

私は今、はじめて“相手のためを想うなら”という壁にぶち当たっている。


恋愛と仕事って、切っても切り離せないもので。
どちらも生活の大部分を占めるものだし、時には人生を大きく動かすもの。

彼氏と付き合い続ける限り、私はいずれ選択を迫られることになる。
どちらも選べる道があればいいのに。

私は23、彼氏は4つ上。
周りも結婚し始めているし、20代のこの時期がお互いにとってどれだけ大切かわかっているつもりだ。
それなのに私は、ひとつだけやらかした。
恋人と出会う場所を間違えたのだ。
待ち合わせのことだと思った?違います。

私はもともと、今いる場所に住んでいたわけではない。仕事で自分から希望を出してやってきた新天地で、さらに居られるのは2年間という期限付き。
けれどもそこで恋をしている。
来年の春には元いたところに戻らなければならず、付き合った時点で未来の遠距離恋愛は確定……。
一度帰ってしまえば、またこの場所を希望して来るのも難しい。

ただの友達だった頃にも、告白された時も、彼に確認するようにそれを伝えた。私は一時的にここにいるだけで、いずれ遠距離になる。
それでも好きだから付き合いたいと言ってくれて、私も同じ気持ちだったから頷いて、私達はそんなふうに始まった。

その時しかないタイミングで、好きになった。
きっと生きていく中で“今”がいちばん大事だし、それなら“今”後悔しない道を選ぼうと思った。
そんな彼との出会いについても、いつか書きとめておきたい。

彼と付き合い始めてから、幸せを感じることの方がもちろん沢山あるけれど、たまに切なくなる。
一緒に住みたいねって話をしても、私はいずれ元の場所に戻らないといけないし、戻りたい気持ちもあった。
この場所で暮らしてみたかったのと、いろんな仕事上の経験を積んでみたくて、自分で選んでここにいる。

私は今の仕事が好きで、職場の人間関係が好きで、元いた場所も今いる場所も好きで、
彼氏のことが大好きだ。


「俺はずっとここに居てほしいよ」

だから彼にそう言われたときは、泣きそうになってしまった。


これからも彼のそばに、一緒にいたいけれど、そのためには条件のいい今の職場を辞めて、近くの別の仕事に就かなければならない。
今の仕事を続けたいけれど、そうすると彼に会えるのは多くても月に1回程度だろう。
決して会いにいけない距離ではないことは良かったが、住んでいる場所が遠ければ、心の距離も離れてしまうかもしれない。

ましてや二人の将来なんて、考えられるのかな。それが怖くて。

恋と仕事と、選べない私。
彼は私に幸せをくれるけれど、私じゃ彼を幸せにできないかもしれなくて怖い。
今こうしている間にも、ただいたずらに彼の時間を奪っているだけなのかもしれない。
そんなことを考えてたらキリがないのにね。

この世にはどうしようもない理由で終わっていった恋や、終わるしかなかった恋が沢山あるのかもしれない。
もしかしたらこの恋もなんて、
そうは思いたくない。

最初に、出会う場所を間違えたと書いたけれど、好きになったことを後悔してはいない。
彼と出会えて、彼のことを知れて、本当に良かったと思っている。そしてこの道を選ばなければ、私は彼を知ることさえできなかった。
これは間違いなく、今まで生きてきた中でいちばん素敵な恋。
だからこそ、半端な気持ちで向き合いたくはないし、これからも付き合っていくために話をしたい。

彼は私がここからいなくなることを知っていても、恐れずに未来の話をしてくれる。
一緒に住んだら、結婚したら、子どものことは。当たり前にそばにいることを前提として、話をする。そんな彼に応えたいから、私も少し考えないといけない。

たまに会いに行く、たまに会いに来てもらう。
そういう幸せの形もあるけれど、やっぱりできるだけあなたの近くにいたいよなぁ。
長くなっちゃった。笑
すっきりしてきたから、もう締めよう。


“相手のために別れる”は愛なのか。
結局今日もわからなかった。

好きだよと言い合うたびに胸がチクリと痛い。
けれどあなたにそれでもいいと言ってもらえるのなら、ずっと隣にいたいに決まってる。
それは確かだよ。

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