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好きな本について語りたいんです。

今回は私がこれまでに5回読んだ、
おすすめの一冊について語りたいと思います。

 人生の有限さと悔いの残らないように生きること。
この二つを私に教えてくれた本は『優しい死神の飼い方』です。
この本は、現役医師の知念実希人氏が著し、2013年に光文社が出版したミステリー小説です。

 後悔のないよう生きるには漫然と生きるのではない。
人生の有限さを知り、その有限な時間の中で精一杯生きること。
そんなメッセージが、当時読んでいた私の心の中にすっと入ってきました。
つまりこのメッセージが、最も重要なテーマだと言えるでしょう。
そしてこの作品は重要性を、物語を通して読者に訴えかける。
いわば「生き方を考える」をテーマとしていると私は考えました。

 この作品の主人公はなんと、レオと名付けられた『死神』です。
そしてレオに与えられた使命、それは地上のホスピスで余命わずかな三人の人間達の深い後悔を解決することでした。
その三つ後悔を解決していくうちに、その後悔は思わぬところで衝撃の展開に直面し大きな事件に発展してしまいます。
 ハートフルミステリーな本著ですが、人間界に慣れていないレオの様子はくすっと笑えたりします。
しかし、物語の中にはしっかりと、人の後悔や人生に関する題材が深く織り込まれていました。

 先ほど、この本を読んでいて私がこの本からメッセージを受け取った箇所は、二つほどです。

まず1つ目は、195頁にある

「お前がするべきことは、残された時間の短さを嘆くことなどではなく、その限られた時間の中で精一杯生きることだけだ」

優しい死神の飼い方 p195より

そして2つ目は、440頁の

「自らが限られた時間を生きていることを知っているからこそ、人間はその命を燃やし、与えられた時間を濃密なものとしていく事ができる」

優しい死神の飼い方 p440より

 1つ目の言葉は、後悔を前にして悩む人物に言い放ったレオの言葉です。
厳しい口調でありながらも、確かに的を得ているその言葉には読むたびハッとさせられてしまいます。
 そしてもう1つは、患者達に接してきたことで人間のことを少しわかってきたレオ。そんなレオが改めて人間の在り方について語った独白です。

 さて、そろそろ結論を出そうと思います。
この本が私達に伝えようとしているメッセージは「後悔しない生き方」の大切さでしょう。
死神という人ではない存在の視点から、悩みを抱える人間を客観的に見つめ、叱咤激励する。この叱咤激励は物語中の人物だけでなく、物語を読んでいる読者に対しても向けられています。
そうしてこの物語を最後まで読んだ私達は、心の片隅だったとしても「後悔をしないように生きる」というメッセージが残ることでしょう。

 これらのことからこの本には私達、今を生きる人間達に後悔のないように人生を送ることの重要性。
その重要性を物語に織り込んだ作品こそが「優しい死神の飼い方」であると、私は考えています。

皆さんも、書店などで見つけたら是非手に取ってみてください。
時間を忘れてしまうほど、ページをめくる手が止まらなくなってしまう一冊です。

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