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新NISA オルカン投資で勝てる人と勝てない人の違い。誘惑に負けるな

新NISAがはじまり、これからたくさん迷いが生じるので、その度に学長の教えを思い出して、負けないようにします。

結論

  • オルカから乗り換える必要なんて全くない

  • 1年だけ見れば平均的な地味な成績でも、それを10年、20年と積み上げると上位の成績になるから

  • 長い目で見れば、大勝ちしたり大負けしたりを繰り返す人よりも、大勝ちしないけども大負けもしないという人の方が資産が増えやすい

内容

それでは、新NISAのオルカンについて、投資で勝てる人と勝てない人の違いについて話しましょう。
新年から新NISAでオルカンを購入することを決意した人々が多いと思います。
しかし、その前に、オルカンで勝てる人は誘惑に負けない人、オルカンで勝てない人は誘惑に負ける人だということを理解しておいてほしいです。

例えば、ダイエットを決意しても、わずか3日目で冷蔵庫の中のプリンを食べてしまうような人は要注意です。
オルカンは毎年必ずとある誘惑に狩られる投資法なのです。
その誘惑とは何かというと、オルカンより成績の良かったファンドに乗り換えたいという誘惑です。

この表を見ていただきたいのですが、資産運用の世界では超有名な表です。
この表は先進国株式、新興国株式、日本株式、先進国国債、新興国国債、欧州ハイイールド、米国ハイイールド、米国リート、ジェリートという9つのアセットのリターンをランキングしたものです。
これに加えて、これらの資産をバランスよく組み合わせたバランス型もランキングしています。

この表を見てもらうと面白いことが分かります。
2011年から10年ちょっとの間で見て、2年連続で1位だったアセットクラスはないのです。
しかし、2年連続でビリだったアセットクラスもないのです。
つまり、1位やビリは頻繁に入れ替わっているということです。
一貫したトレンドがあるわけではないのです。

そして、この資料を作った超有名な資産運用会社は、リターンの高い資産を毎年見極めることはプロの投資家でも至難の技で、1位を当て続けるのはほぼ無理だと言っています。
そして、今度はバランス型というグレーのマスを見て欲しいのです。
グレーのマスはいろんな資産を混ぜた分散投資スタイルの成績です。
このマスは何年遡ってみても1位にはならないのですが、ビリにもならないということが分かるはずです。
1位にならないけどビリにもならない、これが分散投資というスタイルの宿命なのです。

この話はオルカンについても同じことが言えます。
オルカンは地球上の47の国地域にある約3000の会社に投資するというコンセプトのファンドです。
株式というアセットクラスの中ではトップレベルに分散が効いています。
そして、分散投資スタイルの成績はランキング上は先ほど紹介した表と同じイメージになります。

米国株の成績がトップの年なら、米国株だけに投資していた人が1番儲かります。
進行国家部の成績がトップの年なら、進行国家部だけに投資していた人が1番儲かるわけです。
同じように、ハイテク株の成績がトップの年なら、ハイテク株だけに投資していた人が1番儲かります。
valu株(割安株)の成績がトップの年なら、valu株だけに投資していた人が1番儲かるというわけです。

その点、世界中の株式をまとめて買うというオルカンスタイル、つまり分散投資は1位になることは絶対にないのです。
そして、絶対に1位が取れない投資だからこそ、オルカンの投資家は毎年必ずこの誘惑と戦うはめになるのです。
もっと成績のいい株式ファンドに投資した方がいいんじゃないかという誘惑です。

オルカンに投資するというのは、競馬で絶対に1位にならない馬に賭けるようなものなのです。
1位を当てて大儲けし、狂喜乱舞している隣の人を見たら、羨ましくない方が難しいですよね。
だって、隣の人は今年も1位を当てて大儲けしているわけですから。
自分はビリにはならないけど、1位にもなれない。
さあ皆さん、どうしましょうか。
こういう投資スタイルですけど、どうしましょうね。

でも、結論は変わりません。
1位は取らないんです。
皆さん、この辺りで目を覚ましましょうか。
結構、この質問もだんだん飛んでくるようになってきました。
オルカンよりもこっちの方がいいんじゃないですか。
インドの方がいいんじゃないですか。
ハイテク株の方がいいんじゃないですか。
いろんな意見を聞くようになってきました。

結論は変わりません。
結論は、オルカから乗り換える必要なんて全くありません。
理由はシンプルです。
1年だけ見れば平均的な地味な成績でも、それを10年、20年と積み上げると上位の成績になるからです。
アメリカでは、20年という期間で見て、市場平均(S&P500)に勝てたファンドはざっくり5%ぐらいしかないというデータもあります。
つまり、95%のファンドは平均に敗北したわけです。

これは、ウォール街のランダムウォーカーという本を読めば、こういうことが書いてあります。
皆さん、大事なことなので頭に叩き込んで欲しいんです。
その年に1位になるアセットクラスを当てるのはプロでも難しい。
どの資産が1番今年伸びるかというのを当てるのはプロでも難しいんです。
そして、1位になるアセットクラスを毎年当て続けるというのはもっと難しい。
つまり、ほぼ無理なんです

長い目で見れば、大勝ちしたり大負けしたりを繰り返す人よりも、大勝ちしないけども大負けもしないという人の方が資産が増えやすいのです。
誘惑に狩られて打ったり勝ったりを繰り返した税金や手数料、高値掴みなどでリターンが削られていってしまうと、みんなの資産形成を成功させるコツはその年に1位を当てて騒いでる人を見ないことです。

みんなの資産形成を成功させるコツはその年に一位を当てて騒いでる人を見ないことです。
SNSで多いでしょう、宝くじを当てた人の真似をしても宝くじは当たりませんからね。
大当たりを引いた人の中に本当の実力者が混じっていることも否定はしませんよ。
でも、そんな人は1%もいないと思います。
ほとんどの人はただ運が良かっただけです。

再現性の高い投資法というのはつまり、1位を狙わない投資法なのです。
1位を狙わないからビリにもならない。
1位を狙わないから無駄なコストが発生しない。
1位を狙わないからスケベ心を出して売買タイミングを見せることもない。1位を狙わないから、長期的には1位を狙った人たちが脱落していくことで自分の順位が相対的に上がるのです。

みんなの行きたいところにはオルカで十分に行けますから、とにかく皆さん、誘惑に負けないことです。
コツコツと登山を続けているうちに、気がついたら小金持ちの山の頂上に立っていますからね。
しっかりと続けていきましょう。