【562文字の物語】 #19 「彼女ができますように」 #せつない、あるいはかなしい
#19 「彼女ができますように」
20歳の夏、男5人で、星がきれいなことで有名な高原へ獅子座流星群を見に行った。僕以外の4人はたくさん願い事をするのだと張り切っていた。僕は願い事は一つだけにしようと決めていた。星が次々と降り始め、僕はたった一つの願い事を繰り返した。
「彼女ができますように」
願い事は叶った。まもなく、カフェバーで偶然知り合った星羅という名の年上の女性と恋に落ちた。優しく美しい人だった。僕の日常は一変した。薔薇色の毎日、幸せだった。
でも、彼女はなぜか