92.思い通りにいかないことで人は成長する
誠錬寮の事務所で支部報の編集作業をしていると、妻から突然電話がかかってくる。
…うっ、嫌な予感(;´・ω・)
電話の内容は、保育園にいる次男(3歳)が熱を出したので、お迎えに行ってほしいとのこと。(やはりだった)
やりかけの会報編集を半端に、パソコンを閉じて車を走らす。
いつものことだ。
当初の予定では、今日一日事務所にこもって会報を印刷するところまで集中してやるつもりだったけれど、その目論見はいとも簡単に崩れていく。
過去、これまで幾度となく繰り返されてきたこの営みも、なにも最初からこうではなかった。急な予定変更を迫られ、心は穏やかじゃない時ばかりだった。
なんでまたこのタイミングなんじゃあっ(*ノωノ)‼
と内心叫んでいた。
あくまでも心の中の声で。もしも口に出したらその後で妻から
だけど人間、成長するようだ
それが今ではどうだ。
こんな予定変更にもある程度耐性がついてきたようで、
あちゃー、熱でちゃったかぁ(^_^;)
ぐらいの微々たる動揺ぐらいには緩和されるまでになっている。
だから、そういう意味でほんのちょっとだけは人間的に成長しているのかもしれない。
保育園に迎えに行き、額に冷えピタを貼った次男を自宅で寝かしつけ、傍で見守り、やがて昼寝から目が覚めたらみかんの皮をむいて食べさせる。
お道を真剣に通っていれば、子供達はちっとも病気しない、元気に育つだのどうのといった類の話は、本当にマジでどうでもいい。
いつしかそんな薄っぺらい理想談はまるっきり心に突き刺さらなくなった。
なぜなら私の子供達は頻繁に病気に罹るからだ。
もしも前述の話を信じようものなら、私は信仰的に落第者であることになる。確かにそれは認めるけれど、なんというか、そんな子供の発熱やら病気やら云々で信仰をあれこれ値踏みしたりされるのって、なんか下らな過ぎる。第一、子供は基本的によく病気に罹るものだ。
かつて長男は3歳までどこへもやらずに妻の手元で大事に育てた。教会の中で天真爛漫に育ち、滅多に熱を出さず、風邪ひとつ引かなかった。元気だった。あぁ神様に守っていただいているんだなぁとその時は思っていた。
やがて下に娘が生まれ、つきっきりになってやれなくなり、長男を保育園に預けるようになると、次から次へとありとあらゆる病気をよその園児から感染してもらってほぼ毎週のように熱をだしていた。
そこでようやく私達夫婦は認識を変える。
長男が病気にならないでいままでずっと元気だったのって、神様に守られ云々じゃなく、単に温室で過保護に守られ、他人から病気を感染させられるような環境の中にいなかっただけだったんだと。
半年ばかり感染オンパレードの日々を送り、その後彼は徐々にそうそう風邪をひかないようになる。きっと色々な菌やウイルスを身体に入れて耐性がついてきたのだと思われる。彼はそうやって成長していったのだ。
後に一歳半ぐらいで娘も保育園にやり、長男とほぼ同じルートを辿る。
一歳を満たない幼児だった次男も早い段階で保育園にやり、やはり上の子達と同じ運命を辿る。
年齢は全く関係なかった。発熱オンパレードは、いろいろ雑多な環境に身を投じ次第ほぼ必然的に見舞われる、子供達にとって、人として大きくなっていく上での一種の通過儀礼だったのだ。
すこし話しがそれた。
こういった育児に費やされるドタバタや、つぎはぎのような時間の積み重ねが私にもたらしてくれたものは、
なかなか思い通りにならない中を、どこの家庭でもみんなあくせく頑張って生きているんだろうなぁ…(´ー`)
という、遠くの誰か、すぐ近くにいるかもしれない誰かへの想像と共感だった。
こういった経験の数々はきっと自分達の中で血肉となって活きていくんだと思っているし、どれもこれも必要で起こって来たプロセスだったんだと感じている。
生活臭の漂う人間じみた雑念に搔きまわされて、“心が澄み切る”という状態には遥かに遠く険しいピーナッツが、今日も子供達の保育園送迎、育児へと駆け回っている。
【2017.1】
おまけ
こんにちは、いつもnoteをご覧いただき誠にありがとうございます。
この記事を編集中に体調を崩し、発熱しているピーナッツです🥺
(昨夜はけっこう熱が上がりましたが現在は37度まで下がりました)
「子供達にうつしたらダメだから念のため寮の寝室で解熱するまで待機」
と妻から通達され、自宅に帰れないでいます(^_^;)
しょうがないから横になりながらアマプラのアニメタイムズで「レベルE」観てました。
(※ちなみに現在は無人状態の誠錬寮。今年は志願者がいませんでした)
まさか子供の発熱のことを書いている時に自分が発熱するとは…。
本当に日々、予定外だらけですね。
今回のことに関連した内容となっている過去記事、未読の方もし良かったらこちらも読んでみてください。↓
それでは皆さんもどうぞ体調を崩されないように気をつけて残り少なくなってきた2024年をお過ごしください。
それではまた(^^)