イケオジ必須三ヶ条

イケオジの話。

その人はお客さん。
年齢は、かなり上。
ルックスは、昔の俳優って感じの濃い目。
喋ってると、江戸っ子か?と思うくらい、さっぱりと小気味よい。

たまに女性とやって来て、プレゼントしてあげてる。
そしてその相手が時たま変わったり、また前の人になったり。
どの人、どの子も、とても綺麗だ。
同僚の間では、キャバ嬢だか愛人だか、何人抱えてんだろう、と密かに噂されている。

その日は一人で来たイケオジ。
「女の子が履いて可愛いスニーカーが欲しいの。23.5センチで。」と恥ずかしそうに言ってきた。
「どーゆー服に合わせるかにもよりますね、金額も色々ございますし。」
「私服なんて知らねーよー。かわいーのがいーよ。いくらでもいい。」
あー、キャバかクラブのおねーさんか。ドレスじゃ、私服が何系か分からんもんな。じゃー無難な、何にでも合う系かな。コラボで白系あったな。あれ、ちょうどいいんじゃない?

「こちら、いかがでしょう。」
「それ、慈音ちゃん、もらったら嬉しい?」
「嬉しいですね。ブランドコラボですし、どんな服でも合わせやすいし。」
「よし任せた。それでいい。」
「贈り物用にお包みしますか?」
「やだな。恥ずかしいよ。飲みに行くのにそんなん持ってけねーよ。」
やっぱり飲み屋のおねーさんか。ワンチャン親戚の子、とも思ったけど。予想裏切らないなー。

店のショッパーに商品を入れながら、さり気なく聞いてみた。
「飲み、いいですね。〇〇町ですか?」
私は、地元で、可愛い子と飲むなら、ここ!とみんなが答える場所を言った。
「そんな所で飲まねーよ。〇〇だよ。」
それはもっと都会、綺麗なおねーさんが全国から集まる場所だった。

イケオジは、太っ腹。
イケオジは、照れ屋さん。
イケオジの行く所、綺麗なおねーさんあり。

つまり、経済力と、少年の心と、女好き。
それが、私の思う、イケオジの必須三ヶ条。



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