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給水塔百景(広島死闘編)

西日本の給水塔を中心に巡る旅。
年末年始の長期休暇を利用して、クルマでゴーウェスト7日目。
この日は広島から奈良に向けて移動。

広島から奈良を目指して

1月3日。
正月三が日の最後の日。
帰省Uターンのピーク。
朝、少し早めに移動開始。

高速に乗ってしばらく東へ向かうと、クルマの警告灯が点灯。
水温計がレッドゾーンに。
真冬にオーバーヒートってどんだけ暑がりなんだこのクルマ?
北欧生まれだから日本の冬では物足りないのか…
冷却水が切れていたのかと思い、近くのPAに寄り道。
東広島の奥屋PA、給水塔も発見。

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とりあえず、冷却水を補充してしばらくアイドリング状態をみてから高速を奈良に向けて再発進。
しばらくするとぐんぐんと水温計が上がってしまいアクセルが踏めない。
うーん。。。
左端の遅い車線に入って万が一の場合は路肩に止めることも念頭に運転。
なんだろ、冷却水漏れてるのかな。。
広島県の三原市にある八幡PAに入り再度冷却水をチェック。
ちゃんと冷却水は入ってる。

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とりあえずエンジンを冷ましてみるが、高速を走り続けるのは怖い。
今日は帰省Uターンが一番多い日。
この状態で走り続けるのは怖い。

1月3日なので、お休みだと思ってダメモトでクルマ屋さんに電話をしたら、クルマ屋さんの営業が電話に出た。
今の状態を伝えてみた。
営業の方から「いま、どちらですか?」、「広島です。」と答えたところ「そりゃ、すぐには行けないですね。。」と回答を頂く。
そりゃそうだ、クルマ買ったの横浜だもんな。。。

仕方ないJAF呼ぶか。
JAFを呼んでアイドリングは安定しているけど走り出すとすぐにオーバーヒートすることを伝えて、しばしPAでJAFを待つ。
しばらくして、レッカー車がPAに入ってきたので、見ていただくが原因がわからないし、JAFは応急処置か工場までのレッカー移動が主な役割。

「ちょっと試しにもう少し走ってみますか、ゆっくり左側のレーン走って様子を見ましょう。レッカーで後ろからついていきます。危なくなったらすぐに電話してください。」
この先、高速にトンネルがどこにあるか確認して、危ないからくれぐれもトンネル内では止めないことをレッカーの運転手さんから指示されて、スマホはスピーカーフォンにして会話しながら運転。
真後ろにレッカー車についてきてもらう。
少しの登り坂、アクセルを踏むとやはり水温計が急激に上がってしまい、警告が点灯する。
ダメだ。。

レッカーの人にダメだ、トンネル入る前に路肩に止めるのでレッカー移動してください。とお願いする。
レッカーの人も「マフラーから白煙上がった、危ないけぇレッカー移動しよう。」と合意。
高速の路肩に止めてレッカー車へ。

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とりあえず、レッカー屋さんの敷地で一旦クルマを預かることに。
修理工場を探さなくてはならないが、クルマはSAABという珍車。
製造メーカーは倒産してるし、当時の正規ディーラーでも修理できる拠点はごく限られているし、一般の修理工場では診れないし直せない。

自動車保険会社に連絡して、正月明けに広島と岡山のディーラーに聞いてもらうが、SAABは診れません。と…ここから先は自分で修理してくれるところを探してください。と回答があり、保険会社からも見限られてしまう。

保険は事故のためのもの、故障の場合は仕方がない。
レッカー運転手さんからも「SAAB診れる修理工場は中国地方にはないと思うけんのぉ…」とコメントを頂く。(記載は広島弁的には間違えてるかも!)

レッカー車で移動中、私はレッカー車の助手席であれこれ運転手さんとクルマの話。
運転手さんも相当にクルマ好きな方で若いころはいろんなクルマに乗っていたそうだ。
横浜にSAABを診てくれる工場があるが、「広島から横浜までレッカー移動したら(レッカー代が)ブチ高くなるけぇ、クルマは預かっとくけん、よく考えましょう。」とレッカー運転手さん。
とりあえず、レッカー屋さんにクルマを置かせてもらい、私は今日の目的地である奈良へ移動するか。

レッカーの運転手さんに駐車場に入れて貰ったら、「さすがSAABなめらかやなぁー!」
クルマ好きな方でSAABを初めて運転して喜んでるが、私は廃車となるのか不安で仕方がない。
最寄りの駅まで送ってもらい、電車の中で気落ちしながら奈良への移動を考える、とりあえず新幹線で京都まで行って考えよう。

帰省Uターンのピークの日、新幹線はすでに満席で立っているお客さんで南砂町通過中の東西線並みのラッシュ状態。
人を詰め込みすぎて、新幹線の車体が丸く膨らんでるのかと思えるくらいの混み方。

新幹線で広島から京都まで1時間半くらい。
気持ちは落ち込んだまま。
保険会社は故障でも代車のレンタカー代は出せるというが、給水塔探しの旅の気持ちではなくなった。

缶詰みたいになった新幹線に乗り続けたまま東京駅まで乗り続ける。
品川でようやく座れた。
東京駅まで5分だけ座れた。

東京へ帰って1週間ぶりに我が家の猫と対面。
あまり、ご主人の帰宅を喜んでるようにも見えない。

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あれこれ調べた結果、大阪にSAABとポルシェを専門に扱う個性的な修理工場があることが分かった。
保険会社のレッカー移動費用で広島から大阪まで運べることも分かった。

大阪の修理工場は常連さん中心らしく、一見の東京の客から連絡、しかもクルマは広島からレッカーで持ち込むとのことに多少困惑されていたが、事情を説明して診て頂けることになった。

クルマを入庫してから一週間後、「直りましたよ。」と修理工場から電話を頂く。
保険会社に連絡して故障車の引き取りの交通費は出るのか確認したら「故障でも交通費は往復出しますよ。」保険入っててよかった。
金曜日、仕事が終わってから急いで羽田に向かって大阪へクルマのピックアップの旅。
当日は大阪で飲んで寝るだけ、翌朝早朝に修理工場へ。

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故障個所はサーモスタットと判明、ついでに故障しかけていたライトも直していただけた。
深刻な故障ではなかったのでよかった。修理代も安く済んだ。

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無事に直ってよかった。
大阪からレッカー車の運転手さんに電話したら岡山に居るということで、お土産を大阪駅近辺で買って岡山で待ち合わせして世間話をしてLINE交換。

岡山へ寄り道して給水塔を見ながら、奈良で一泊。
そして東京までロングドライブの帰り路。

もとは高速運転中のトラブル、事故につながらず良かった。
これからも末永く乗りたいクルマ。
(文中の広島弁は正確な記憶ではありません。。)

2020年1月

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