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給水塔百景 (世界の給水塔 後編 カナダ)

ウラジオストックから西を目指し、ヨーロッパの端っこ。
ロカ岬を見学した後日、リスボンから大西洋を渡ってカナダのトロントに向かう。
夕方出発、深夜到着となるので移動が楽な空港近くのホテルを予約しておく。
移動の疲れもあるので高級ホテルにする。
マイルを活用してヒルトン予約。

空港では税関職員に滞在予定を細かく聞かれる。
なんで家族を連れてこないのか、どこに滞在するのか、カナダに知り合いがいるのか、カナダの知り合いの住所はどこかと、仕事をカナダでするつもりか、うるさい。
先進国ってラクに入国できる印象だったのに面倒。
20分位、色々と意地悪な問答を終えて晴れて入国。

空港とホテルはピストンバスが運行していてすぐに到着。
疲れているので、すぐシャワー浴びて寝てしまう。
とにかくでかいベッド。
3畳位あるベッド。

ベッドがやたらとでかい

翌日、トロント大学の学生寮に行く。
夏場の短期で英語留学する人向けに貸し出されている。

トロントには公園が多い、公園にはリスがちょろちょろ。

ホームステイより高いが短期アパートより安い。
選ぶ時間もなかったので適当に決めてしまった。
学生寮とはいえ、個室だし居るのは夏季休暇中とかに英語学習しに来てる大人が大半で大学生のガキどもは半分もいない。
まぁまぁ快適。

カナダのトロントでは1カ月間の短期で英語の勉強をすることにした。
シベリア鉄道の車中からWifiがつながったタイミングで急いで予約した学校。
日本や南米から多くの社会人が夏休みに短期学習に来るので予約が一杯だったなか、空きがあった学校。
30歳以上のクラスがあるのも魅力だった。
10代の子と並んでABCを習うのは嫌だ。
初日、入学の日に指定された時間と場所に向かう。
簡単な質問をされて、クラス分けされる。
30歳以上のクラスは長期で勉強している日本人や夏休み中の南米系ビジネスマンの人が中心。
10-20代のクラスには韓国人が多数。

1日4時間~6時間位の英語学習と陽気なブラジル人達との飲み歩き生活のお気楽学生生活。
中卒なので、高校も大学も同窓会も縁がなく、40歳にして初めて楽しむキャンパスライフ。
大人向けのクラスということもあって、初日の最初の授業はカナダでのお酒の買い方についてだった。

カナダで一番好きだったワイン、Peninsula Ridge
めちゃ好みのワインで毎日飲んでた

LCBOという酒の専門店で購入することになっており、営業時間やカナダで作られるワインについてお酒とトロントのパブ、プーティンという太るつまみ、一日で行ける旅行範囲などが授業内容だった。
これなら勉強が苦手な私でもついていけそう。

トロントのバスカー。
ダンダススクエアのそばだったと思う。
THIS HEATのチャールズ・ヘイワードを思い起こすドラム。

バスカー(ストリートアーティスト)は各国いるが、ロシア、フィンランドの北の地域はへたな人ばかり。
南欧のスペイン、ポルトガルはオリジナリティ、品質共に高い。
カナダも上手な人が多かった。

ダイバーシティなお国柄で英語講師も色んな国に出自を持つ人たちがいる。
イラン、パキスタン、トルコ、ギリシャ、インド、イタリア、中国ほか様々な出身者たち。

ナイアガラの滝に日帰り観光。
ブラジル人の学友達は「こんなの大したことない、イグアスの滝が世界一だ。」と全員口を揃えていう。

途中で見つけたMiltonの給水塔
滝つぼに入る観光船、みんなびしょ濡れ。
帰りはバスが高速で故障して乗客みんなで運転手を問い詰めてる。

カナダのダイバーシティは出身や人種といった点だけではなく、非常に多くのLGBTや性的マイノリティが居る。
湖の島、トロントアイランドにブラジル人の学友と二人で遊びに行って観光してた。

トロントアイランド、休日にちょうどいい。

島内にはゲイのヌーディストビーチがあることを知らず、島のビーチをぶらぶら散歩してたら、ぶらぶらとチンチンぶら下げておじさん同士で手をつないでるカップルが現れて、挙句の果てにトイレでナニかしてたらしい。
友人がトイレにいったら、叫び声をだしながら走って逃げてきた。
「逃げろー!!」私の名前を呼んで急いで走り出す。
息を切らしながら、「トイレの中で男が:;O`KnMIOJ9u!!!」
怖い状況を目の当たりにしたらしく言葉にならない。
英語ボキャブラリーの貧困な私とブラジル人では言葉にならないのは仕方ないが状況は理解できた。
「俺たちも周囲からゲイにみられてるんだろうな。。」ってお互いに言い合って、島の観光は終わりにした。

宿泊していた学生寮のセキュリティ担当者もゲイの人で、近所のゲイ仲間?
とハッテン場?の情報交換を学生寮の玄関でしていた。

一般的な社会生活に多様性が織り込まれており、人種や宗教、性的嗜好、表現活動などに対する考えは移民国家ならではなのかなと思いながら毎日過ごしてた。
カナダでは僅かながら、各出身地域の文化維持のための予算も設けられており、出身地域のイベントも多く多様性が考え方の基盤となっている。

ケンジントンマーケットのイベント
ギリシャ人街のイベント

8月も終盤となっていたので夏休みが終わり母国に帰る学友もちらほら。
みんなで写真を撮ったりご飯食べに行ったり、飲みに行ったり。
40代の学生生活楽しかった。
私たち健全な男子学生みんなで最後にストリップ観に行こうか。という話になり、学校の先生にストリップのことを聞いたらお勧めしない。見たら驚くぞ。ということで止めてしまった。

メノナイトというキリスト教宗派の人たちの村、St Jacobs
St Jacobsは自給自足の人たちで、週末に青空市場になる。
メイプルシロップのお菓子が美味しい

日本人同士で固まるとムラ社会になりがちだが、ブラジル人や南米の方はみんな陽気でうるさいが気楽で楽しい。
一か月の学生期間を終えて、更にしばらくカナダに滞在。

リトルイタリーにある美味しいサンドイッチ屋さん。
お魚専門店。

学生寮は学校終了と同時に退出させられてしまうので、トロントの高級住宅街、Bloor Stにあるゲストハウスに引っ越し。
やさしい猫好きおばさんがやってるゲストハウス。
猫5匹のゲストハウスで築100年を超える豪邸猫屋敷。

この子は寝るときについてくる。
なぜかこの場所がお気に入り。

なんで、こんな高級住宅街でゲストハウスやってるのか、分からないが宿泊している人も落ち着いた人たちが多く猫と一緒に数日穏やかに過ごす。
みんな可愛い猫ばかり。

トロントにフランスのプログレバンドMAGMAが北米ツアーで来る。
チケットを取ってライブ鑑賞。
旅の目的地にカナダを選んだ理由はこのライブが観たかったから。
トロントでは大きめなライブハウスだったが音質が良くなかった。

バンドの中心メンバー
ステージに居ないとあまり映えない。

モントリオールでカナダ公演2日目。
私もモントリオールに移動する。
また長距離電車で移動する。

Toronto Union Station

一等車。
一等車では食事とワインが無料で座席スペースも多少広い。
モントリオールでは古い劇場で公民館のような会場で音質、音量ともによくフランス系移民が多いためか、ライブも盛り上がった。

モントリオールの会場、MCが全てフランス語となりさっぱり分からん。
ライブ後、メンバーの人が色々話しに付き合ってくれる
この人バンド辞めちゃったな。

ライブ帰りに飲んで歩く。

帰国の日も近くなった。
バンクーバーで昔の同僚と会う約束をしていたので、バンクーバーに向かう。
飛行機で移動。
機内では急病人と、常に歌い続けるティーンエイジャーの女の子がいてCAは大変そうだった。
急病人はバンクーバー着陸前に、急に治った。
女の子は着陸中も歌ってた。うるさい。

バンクーバーは中国の方が多く移住しており、私の元同僚も中国系移民の一人。
10年振りにあった元同僚は禿げ頭になっていた。

政府の仕事をしているということだった。
一緒に食事をして昔の話や、いまのカナダでの生活の話。
お互いの仕事の世界の話、メールで連絡は取りあっていたが会えば出てくる話もある。
「日本でいい仕事があれば呼んでください、また日本にいきますよ。」と言う。

バンクーバーで美味しかった中華屋さん、サービスもよかった。

仕事があれば国境関係なくどこでも行って仕事も得るし、ビザや永住権も取る、世界で働くフリーランスに日本人はあまりいない。
大陸育ちと島国育ちの違いもあれば、日本のフリーランスは社会保障の点でもあまり得しない。

この旅の翌年からカナダはマリファナが合法化されたが、バンクーバーではすでに看板を出して堂々と営業をしている店も多くあった。
体質に合わないのか、慣れの問題かマリファナは翌日に頭痛がしてしまうのでやめておく。

世界旅行を終えて帰国の途へ。

帰国の機内食、和食をオーダーしたら人参がメープルリーフになってた。
富士山見えてきた。
同じ日にブラジルへ帰国した学友から帰国日のブラジルの写真が送られてきた。

世界旅行で充電したが、この後、忙しい会社に入ってあっという間に放電して転職をさらに2度繰り返して今に至る。

この一年後から給水塔探しを趣味にしたが、ロシアでみた給水塔がきっかけとなった。

3週続けて長文のポスト。
コンパートメントNo.6を観て思い出した6年近く前のこと、忘れてしまう前に書いた。

2017年8月

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