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そういえば気付ける人間になりたかっただけだった。
一昔前、いろんなことに気づき、考えられる人間に憧れていた。
わたしがスルーする小さなことから情報を拾い、価値のあるものに昇華していく。他人の気遣いへと活用していく。
そんな人がすごくかっこいいと思っていた。
でも、わたしはもともとそんなタイプではなかった。真面目と言われた陰に隠れて、実は感覚型で直情型。
言葉をいくら重ねられても、立派なものがあっても、そこに「感じるもの」がなければわたしには伝わらない。
難しさよりわかりやすさが大事。
イメージできるのが大事。実感が大事。
そんなタイプだった。
だから単純に、いろんなことに気付ける優しい人間ではなかった。
仕方ない。それがわたしだな。
好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。ダメなものはダメ。
理屈など関係なく、それで十分だ。
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