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digable planets

タイトルはディゲブルプラネッツと読みます。ヒップホップのグループです。大抵の人には知らないと言われるディゲブルプラネッツ。本当に愛してやまないので愛を語ります。

まずはどんなグループかというと、1987年にアメリカで結成した3人組のヒップホップユニットで、オルタナティブヒップホップの代表格の1組にも挙げられる。オルタナティブヒップホップっていうと定義が曖昧だけどメインストリームじゃないヒップホップ、いわゆるじゃないヒップホップっていう感じで、このジャンルだとATCQとか fugeesとかが有名。digable planetsはジャズ感の強い曲が多い。あんまり多く曲は出してない。rebirth of slickという曲がたぶん1番有名。

digable planetsの曲は、ヒップホップの中で圧倒的に上品。上品なヒップホップってなんだよって感じだけど、そんなこと言うとヒップホップとは何かっていう方向に走っていっちゃうからそういう根本の議論は一旦置いておく。
例えば私が他に好きなエミネムや2pacは本人たちが圧倒的に燃えてて感情むき出しの必死さや泥臭さが格好良いところだけど、それとは対局にあって、digable planetsは絶対に感情を剥き出さないしいつも余裕を崩さない。でもそんな余裕なところからこっちの感情を揺さぶってくる。例えるならエミネムや2pacは真夏の晴れの日の昼間で、digable planetsは秋の夕方だ。わたしは勝手に前者を自燃性ヒップホップ、後者を可燃性ヒップホップって呼んでる。

digable planetsは全然自身をアピールせず、ただただ自分達の存在に誇りを持ってて、自分達の好きな音楽を丁寧に音に乗せて流してる感じがする。その誇り高さみたいなのがすごく魅力的だ。しかも遊び心も絶対に忘れない。
どの層に好まれようとか全く思っていなそうで、圧倒的な自信を感じる。その圧倒的な自信からくる余裕さが心地よい。決してこっちに歩み寄ってこないのに、受け入れてくれる懐の広さがある音楽。私は余裕がなくなっていっぱいいっぱいになってしまう時がたまにあって、その時に聴くと一個違うレイヤーにいる気持ちになれる。世界中の人がヒステリーに陥ってもこの人たちは全く同じテンションで歌ってるのではないかとすら錯覚する。それほどの余裕さがある。

あとは、PVがすごく格好良い。上品な曲だけれどもやっぱりどこまでもストリートの音楽で、ストリートの精神を持っていると思う。この時代のウエストコーストはギャングスタが台頭している時代だからやっぱりヒップホップは攻撃的なイメージがどうしても強いけど、攻撃的なのは取り巻く現象の一つであってヒップホップの根本ではない。それをちゃんと感覚的に分からせてくれるようなPVでもあると思う。

ディゲブルプラネッツ、名前もいい。声に出して読みたくなる。アルバムのジャケットも格好良い。表に出してるもの全てが圧倒的に余裕で静かな自信に満ちていてかっこいい。ディゲブルプラネッツの曲みたいな人間でいたい。

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