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待てる時間は豊かさのモノサシ

最近、友人がフィルムカメラにはまっていて、それに僕も感化されて、10年以上ぶりにフィルムカメラを引っ張り出してみた。

デジタルかアナログか?
もはやそんな問い自体が不毛になった現代だからこそ、いよいよフィルムカメラの価値が正当に評価されるといいなあと思う。

そもそもデジタルの強みは「速さ」にあると信じられてきたけれど、僕はいよいよデジタルの「速さ」は弱みなんじゃないかと思うようになってきた。

例えば、ツイッターの投稿の即時性が消えたら世の中はどう変化するだろう? 

仮に、ツイッターに投稿してから実際にタイムラインに上がるまでの間に必ず6時間というタイムラグが発生するという仕様になったとしたら、SNSのネガティブな部分が色々と解消されるんじゃないか? と考えたりする。

一応「いますぐ伝えたいボタン」みたいなものも別に用意しておいて、どうしてもこれは緊急で伝えなきゃと思うものだけはそのボタンを押す。それ以外は基本的に6時間のタイムラグがあり、その間に修正したりキャンセルしたりできる仕様になれば、一時の感情的な誹謗中傷や、配慮が足りない言葉などが、一気に減る気がしてならない。夜中に書いたラブレターのように、冷静な頭で、読み手のことを考える時間が必要だ。

そもそも執筆時点でそこを考えられるのがプロのライター編集者だと思うのだけど、文筆を生業にしていない人たちも気軽に投稿できるのがSNSの良さだとしたら、それを補完する仕様を考慮することが大切なはず。そんなことを前向きに検討している人がGAFAに居るはずだと信じているけれど、やっぱりそういう人は大本営から外れていくのかな。

僕は以前の記事にも書いたけど、ツイッターの即時性を自ら無くした投稿をしている。

つまり「〜〜なう」的な投稿はほぼゼロだ。トリッキーに三日前くらいの写真を投稿してみたり、一年前のものを投稿してみたり、別にいまそこに居ると書いているわけじゃないから、もちろん嘘をついてるわけでもなんでもない。最近は、僕の投稿に関してはそういうものなんだなと理解してくれる人もいて、「あ、いま◯◯に居るんですね! 」みたいなリプライが来なくなったから「しめしめ」と思う。そういう使い方をしてる人もいると理解してもらえるのがとても嬉しいし、多くの人がそんな風に使うようになったらいいなと思う。

おっと、フィルムカメラの話だった。

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藤本智士(Re:S)

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編集者。1974年生まれ。『Re:S』『のんびり』『なんも大学』編集長。著書に『風と土の秋田』『魔法をかける編集』『アルバムのチカラ』。その他『ニッポンの嵐』『るろうにほん 熊本へ』(佐藤健)など手掛けた書籍多数。 http://bit.ly/satoshifujimoto