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ドライブインシアターを体感して、コロナ禍のエンタメを思う。

コロナ禍のエンタメを学ぶべく、万博記念公園のドライブインシアターへ。

上映は夜だけど、せっかくなので昼間のうちに太陽の塔の入館予約をして、内部にある生命の樹を観賞。こういう時期ゆえ、人も少なく、ソーシャルディスタンスも徹底されていたので、安心して岡本太郎の世界に没頭出来る贅沢な時間。

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徐々に日も沈み、車を移動させて、いよいよドライブインシアターへ。すぐ背中に太陽の塔がそびえているその前で、ドキュメンタリー映画「太陽の塔」を観賞出来るなんて、またとない機会。

この企画を知って飛びついたけれど、まだあまり知られていないのか、車の数はまだ少なかった。

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けれど、ドライブインシアターは、コロナ禍において、とても可能性のあるエンタメだと僕は思っている。

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映像制作会社の代表をしている「リョウ」という僕の旧い友人がいる。もう20年も前だけれど、出会った当時の彼はまだ学生で、あの頃のリョウは映画監督になることを夢に馬鹿みたくまっすぐ突っ走ってた。あのリョウがいつのまにやらおじさんになって、しかも経営者として素晴らしいコンテンツを生み出していることを知り、久しぶりに再会したのが、既にもう6年ほど前だろうか。

存分に当時を懐かしんだあと、いよいよ互いの近況を話しはじめたときに、リョウが「いま僕たちのチームでこんなことをやろうとしてる」と話してくれたのが「ドライブインシアター」の企画だった。

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地域編集を軸に地方の仕事を続ける僕は、その話を聞いてたまらなくときめいた。「ドライブ・イン・シアター」という、オワコン認定されたかのようなエンタメを、リョウたちが新たに編集しようとしていることにワクワクしたのと同時に、これは地方の強みを生かせる最高のコンテンツじゃないかと思った。

そして何より、映画の世界に携わることを夢見ていた青年が、様々な挫折を経て、しかしいまあらためて、映画そのものではなく、映画体験をつくらんとする姿に感動した。

その後彼らは、実際に様々な土地でその思いをカタチにしていった。

それが『Do it Theater』というプロジェクトだ。


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ちなみに今夜の上映企画は、彼ら主催のものではなく、吉本興業を代表とした万博記念公園マネジメント・パートナーズが主催しているものだ。だけど、この流れは、間違いなく彼ら『Do it Theater』がここ数年にかけてドライブインシアターの新たな可能性を提案してきたからこそだろう。彼ら主催の企画もすぐ来週に控えているので、もちろん僕は来週も観に行く。

映画『アメリカン・グラフィティ』を観て憧れた世代も、まったく新たなカルチャーとして認識するであろう世代も、両方を満足させる演出センスが彼らにはあるはず。その差異を体感させてもらい、オペレーションノウハウも含めて、しっかり勉強しようと思っている。

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ちなみに翌日は、なんと、人気漫才師による「ドライブインお笑いライブ」があるという。ならばきっと、すでに音楽業界のみなさんによって「ドライブイン・ライブ」などもどこかでやっているんじゃないだろうか。無観客ライブの動画配信ではなく、観客がアーティストと同じ空の下、車をファッションにステージ上のパフォーマンスを楽しむ。コロナ禍の旧くて新しいエンタメとして、 あらためて「ドライブイン◯◯」について考えてみるのは、いまとても面白いように思う。

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都会は人口が多い分、なにかと「密」が起こってしまいがちだから、ハイクオリティでバーチャルなコンテンツを黙々と編集する工房としては良いかもしれない。だけどライブには不向きだ。かつて様々なアーティストが地方にアトリエを構えたように、これからのアーティストは都会にアトリエを構えて、地方で思いっきりエンタメをアウトプットするという姿が見られるかもしれない。

そうやって、地方の価値を転換させることが、地域編集者としての僕にあたえられたチャンスかもしれないとも思う。

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さて、そろそろここで映画の話に戻ろう。

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藤本智士(Re:S)

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編集者。1974年兵庫県在住。『Re:S』『のんびり』編集長。著書に『風と土の秋田』リトルモア、『魔法をかける編集』インプレス。『アルバムのチカラ』(共著:浅田政志)赤々舎。その他、『ニッポンの嵐』『るろうにほん 熊本へ』(佐藤健)など、手掛けた書籍多数。

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2006年に創刊した雑誌「Re:S(りす)」編集長の藤本智士が、いまあらためてお届けする、あたらしい“ふつう”のnote「Re:S」。 日々のこと。旅のこと。地方のこと。編集のこと。 記事アップは月4回以上かなぁ。

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