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何をしてる時が幸せですか?

あまりにシンプルなこの質問にハッとした。

と言っても、この質問は僕に投げかけられたものではない。さま〜ずチャンネルというYouTube番組で、蛙亭というコンビの岩倉さんという若手芸人が、憧れの先輩芸人であるさま〜ずのお二人に投げかけた質問だった。

芸人として面白質問をしなきゃなんていうセオリーを一旦横に置いちゃって、まるで素人さんのように緊張しつつ投じたその愚直な質問に、さま〜ずのお二人も思わず大笑いしながら、でも真剣に回答をされていて、その情景が僕はとにかく好きで何回も再生している。


さて、あなたは
何をしてる時が幸せですか?


この問いに対するさま〜ず三村さんの第一声はこうだった。

「例えば4日連続休みになりましたってなると、途端に二日目からつまんなくなってくる。」

・家でのんびりしているとき。
・酒飲んでるとき。
・ゲームしてるとき。
はたまた
・仕事しているとき。
など、想定されるであろう回答パターンを見越した上で放たれた三村さんのちょっぴり斜め上からの答えに僕は唸った。三村さんはさらに続ける。

「仕事やってて、目一杯キツめに仕事した後の、休みの1日ってすげえ好きなんだ。」


ちなみに、僕がこの動画を見て咄嗟に出した答えは「取材をしているとき」だった。つまりは編集者として仕事をしているときだ。しかし、その現場での時間をリアルに思い返すと結構つらい。緊張もしているし、責任感で胃が痛いときもある。けれどそういった時間を経て、ある種の達成感と共に飲むお酒や、家に戻ってぼーっとする瞬間こそがとても幸福だということに気付かされた。

つまり、幸福な時間には必ずその前提条件がある。

なるほどそう考えると、世の中に数多ある趣味と呼ばれるもののなかで、多くの人を惹きつける趣味って、大抵この緩急の落差が激しい気がする。例えば、マラソンとか、登山とか。

実は僕は昨日、初めて登山をした。

初めて、という言い方が正しいかどうかわからないけれど、少なくとも標高1000mを超える位置にある山小屋まで、片道3時間以上かけて歩き続けた経験は生まれて初めてだった。そもそも体力に自信がないし、つい一月ほど前に羽黒山の石段を上がっただけで、帰り道、膝が猛烈に痛くなってしまった僕は、自分で望んだ登山ではあるものの、正直不安で不安で仕方がなかった。

それでも登山を決めた僕は早速近所のmont-bellに行き、不安を打ち消すように、とにかく良いシューズと良いリュック、そして店員さんに言われるままトレッキングポールまで購入した。そして実際それらの道具に助けられたように思う。いい道具は正義だ。

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信頼できる友人にガイド役になってもらって、山形県にある登山道から鳥海山に登ったのだけれど、人生で一番じゃないかというほど見事にクッタクタになった。早朝に集合し、意気揚々と山に入ったときは、晴天もあって、まわりの自然のキラキラした輝きにずっと感動していたけれど、鳥海山特有の岩肌や急勾配に、2時間を超えたあたりでいよいよ体力の限界を感じ始めて、そこからはもうそんな余裕は皆無だった。たくさん写真を撮るぞ! と持参したフィルムカメラの存在すら煙たくなるほど苦しさを感じるなか、それでもなんとか山小屋に到着したときには、あまりの疲れに放心状態になってしばらく起き上がることすら出来なかった。

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