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DVDにもブルーレイにも寿命がある。

 こんな記事が目に飛び込んできた。

 この記事をみて、あなたはどう思うだろう?
 以下僕が気になったところを抜粋する。

従来のCD-RやDVD-Rなど書き込み可能な光ディスクの耐久性もけっして絶対的でないのも事実です。BD-Rは比較的耐久性が高く作られており、より耐久性を高められた光ディスクで50年と謳っているモデルがあります。

 カメラ売り場からフィルムカメラが続々姿を消し、カメラ及び記録媒体がどんどんデジタル化されていった2000年初頭。僕は、CDやDVDよりも、写真プリントや、アルバムのほうがアーカイブ性が高いという紛れもない事実を伝えたいと躍起になっていた。

 編集長をしていた雑誌で「フィルムカメラで残していく」という特集を組んだのが2006年。そして「アルバムエキスポ」というイベントを開催したのが2009年。デジタルカメラはとても魅力的なプロダクトだけれど、一方でフィルムカメラや写真プリントの良さも同じだけあると感じていた。

 デジタルの良さは何よりその速さだ。サッと撮れてすぐに見られる。そのことがくれた楽しさや利便性は計り知れない。しかし、こと記録という面に関しては現実的に100年以上現存している(モノクロ)フィルムに分があるのは明らかだった。

 当時、maxellというメーカーのDVD-RのCMで「ずっとずっと。」シリーズというのがあった。例えば、130年つづいた小学校の最後の一日を追いかけたとても感動的なドキュメント映像のあとに、DVD-Rの商品写真、そして「ずっとずっと。マクセル」というコピーが浮かび上がる。たしかそんなCMだった。(※YouTubeで映像を見つけたので、気になる人は「DVD-R、 CM、廃校」などと打って検索してみて)

 思い出を残したいという切実な思いが伝わるとても感動的な映像で、何度見ても泣いてしまう。それだけに、多くの人がこのCMを見て「DVDに保存しておけば、未来永劫思い出は残されるから大丈夫」と思ってしまうのではないか? と、苦しくもなった。「ずっとずっと。」その言葉の魅力の裏側にある無責任さに、1人勝手に苦しくなってしまったのだ。

 だからいま、しれっと記事のなかで明らかにされた「DVDは、たった数十年で物理的な寿命を迎える」という事実に、いろんな思いが込み上げた。

 そもそも100年以上先なんて、どうなってるかわからないのにそこまで残す必要ある?

 などと言われるかもしれない。けれど、僕は思う。
 どうなるかわからないからこそ、アーカイブは必要だ。

 以前、日本初の漫画原稿アーカイブ資料館でもある、秋田県「横手市増田まんが美術館」の大石館長とお話をしていたとき、「日々変化する世の中で次にどんな作品がウケるか、ましてや過去の作品のどれが急にフィーチャーされるかはまったく予測できない。だけど、どんな作品であれ、そこに注目が集まったときに、サッとそれを提示できるように、丁寧にアーカイブしておくことも我々の仕事の一つだと思う。」と、おっしゃっていて、とても共感した。

 歴史は繰り返すとよく言われるが、それは真実だ。だからこそ、僕たちが未来に迷うときに、学ぶべきことや、行動の指針にすべきものはただ一つ、過去の歴史なのだと思う。

 そう考えた時、僕は「インプット」と「アウトプット」の間にある距離について思う。

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