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意見は変えていい。

意見は変えていいし、そもそも意見は変わるもの。
そんな当たり前のことを人はついつい忘れがちだ。

「アイツは一本筋が通ったやつだ」
「有言実行。」
「芯が強い男でかっこいい」
「信念がある」
「一途」

こういった言葉はとても魅力的だし
そう思える人に出会うと実際かっこいいなあと思う。

けれど僕たちがこういう人に憧れるのは
シンプルなものに憧れる癖があるからだ。
逆にいうと人間はとても複雑で難解なものということ。
人の心情や行動は、まさか一本の筋なんて言葉で表現できるようなものではなくて、もしそんな太い筋があるとしたら、せめて相反する対向3車線を擁する御堂筋くらいの筋に違いない。

悩み、揺れ、惑う。
生きることと同義なこれらから距離を取れたなら、なんと人生は楽チンだろう。
けれど現実は、お金をいくら稼ごうと、時間がいくらあろうと、恋人がいようと、家族があろうと、人は悩み、揺れ、惑う。

そういった揺れのどこに立っているかによって
自分の意見や行動というアウトプットが変化するのは当然で
それでもみんな最適解を探ろうと必死に生きている。

そう、生きているということは、
すべからくみんな「過程」にいるのだ。

僕がそういう発想になったのは、
このブログに何度も登場している上岡龍太郎さんのおかげだ。
(知らない人はググってみてマジ最高にかっこいい人だから)

高校生、大学生くらいのとき上岡龍太郎さんと笑福亭鶴瓶さんによる
「パペポTV」というフリートーク番組が大好きで、
その収録をよみうりテレビまで観に行ってた。

僕はこの番組のなかの上岡さんから学んだことがたくさんあるのだけれど、
そのなかでも特に大きな学びの一つが
タイトルである「意見は変えてもいいし、そもそも意見は変わるもの」ということだった。

上岡龍太郎という芸人さんはまさに一本気な有言実行タイプで
僕にとっては、信念が強く美意識があるカッコいい大人の象徴だった。

当時の時代背景もあって上岡さんはよく収録中でもタバコをぷかぷかとふかせながらおしゃべりしたりしていたのだけれど
ある日タバコをやめた鶴瓶さんに「師匠もやめなはれ」と言われる。

すると上岡さんは
「タバコをやめるような意思の弱いことはせえへん。 お前も、一生吸い続けなあかん!」
と言った。それを聞いて、やっぱり上岡さんはかっこいいなあと思った。

するとしばらしくして、今度は上岡さんが禁煙をはじめた。

当然、鶴瓶さんに「禁煙せえへんって言うてたがな! 」と詰められた上岡さんは、
「別に禁煙してるわけやない。 家にタバコを置いているから、いつでも吸える。 小休止や」
などと鶴瓶さんを翻弄する。

僕は冗談だとわかりつつも、なるほどな〜なんて感心して聞いていた。

そこからしばらくしてやっぱりタバコを吸わない上岡さんに
いよいよ鶴瓶さんが言う。
「あんた、結局禁煙してるやん! 何が、禁煙する奴なんて意思の弱い奴や!!
あんたの事やないか!!」

このときの上岡さんの返しに僕は痺れた。

「意思が弱かったらあかんのか!」 

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意見は変えていい。

藤本智士(Re:S)

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編集者。1974年兵庫県在住。『Re:S』『のんびり』『なんも大学』編集長。著書に『風と土の秋田』リトルモア、『魔法をかける編集』インプレス。『アルバムのチカラ』(共著:浅田政志)赤々舎。その他、『ニッポンの嵐』『るろうにほん 熊本へ』(佐藤健)など、手掛けた書籍多数。