シャチホコ・レモンティー流
「希望の王女」リリースから約1年が経ち、シャチホコは今期でラストシーズン。
有終の美…とまでは行かないが、単色弾である22弾の環境でもなんとかマスターへ辿り着いたシャチホコへの感謝を込めて、6環境を戦い抜いたシャチホコの軌跡をどこかに残しておきたいと思った。
ただそれだけ。
完全に自己満足なので色々気にせず書き殴ります。
ランクマッチ編
この章のシャチホコのデッキリストは、ユニークなアイデアを基にしたギミックを取り入れ、それでいてマスターに到達できるくらいの強さがあるもの。
またシャチホコは、採用候補の広さで環境デッキを
見るデッキだ。そのためよくチューニングしてある
シャチホコのデッキリストをじっくり見ると、
当時の環境を思い出せるはず。
ちょっと懐かしい気分になれるかも?
デストラーデマグナム
こちらは《龍聖大河・L・デストラーデ》の連鎖と《シャチホコ》を組み合わせ《百発人形マグナム》を盤面制限に対応するアクセントとして取り入れた「百発連鎖シャチホコ」だ。
《デストラーデ》の連鎖で《デストラーデ》以外が捲れれば連鎖が成功するし、《激天下》で連鎖を
発動させようものなら確定ヒット…というのが、
《シャチホコ》×《デストラーデ》のパッケージ。
《マグナム》を入れようとしたそもそもの理由は、シャチホコの…ライバルとしておくか、
《リュウセイ・ホール》を対策するためだった。
時はNエクス全盛期。4ターン《勝利リュウセイ》で満足に動けないまま《N》に手札を流され、
《エクス》を絡めた過剰打点にボコボコにされる…
そんな時代。
今思い返すと「ゼニスや《覇》がいないだけマシ」という結論になるから不思議。
さて、4ターン目に《勝利リュウセイ》を
立てられないようにするにはどうすればよいか。
それに対して当時出した結論が《ジャスミン》から《マグナム》に2→4で繋ぐというものである。
他にも、やはり同期《ドンドン吸い込むナウ》が
厳しかったので、《フレフレ・ピッピー》の軽減や
連鎖ギミックを活用して対策を試みていた。
こちらはその亜種。
連鎖目的で召喚した《デストラーデ》がシールドを増やしすぎて有効札が減ってしまうので、
《コダマンマ》で回収、リソースとして利用した。
陰陽の舞シャチホコ
ビルド杯の投稿作からアイデアを拝借したデッキ。
ギミックとしては、《陰陽の舞》をマナから出した時に、「マナゾーンに「マナ爆誕」を持たない自然のカードがないときに自壊する能力」
でシャチホコを起動するというものだ。
面倒な効果をしているが、つまりこのデッキでは「マナに1コストの自壊クリーチャーを保持できる」というギミックである。
滅茶苦茶に画期的ではないだろうか。
こちらはアツト→湧水の光陣の「湧水シャチホコ」
ムーブを取り除き、代わりにドロー・トリガー枚数等を増強した形。
そもそもデストラーデ型に《湧水》は積みたくない(連鎖が外れやすくなるため)し、《アツト》が
容赦なくリソースを消費した上で《リュウホ》に
焼かれて、アドバンテージ差がつきやすい。
ドローソースも無い構築では少し厳しかった。
この頃に《アツト》でリソースを消費しないように
なればなぁ…なんて思った。
「天頂開戦」で流行っていたデッキは4cメンチ。
こちらの主な勝ち筋としては、《四ツ牙》のターン開始時のブーストを逆手に取った《絶対絶命》でのLO勝利だ。
時々《悠久》に泣かされていた…逆に《悠久》が
落ちなかったお相手は爆散していったが。
「希望の双子」環境は4c刃鬼withメイ様のせいで
だいぶ厳しかった。シャチホコ強化も大したこと
なかったのでこの時期にはマスターに行けていない…
一応《お眠りメイ様》に自爆特攻して《絶対絶命》
に覚醒リンク、そのままLO勝利なんて芸当も
出来はしたが…それでも勝ち切るには足りなかった。
5c湧水シャチホコ
ここで《シャチホコ》はとあるピンチを迎えた。
そう、《デストラーデ》《陰陽の舞》のスタン落ちだ。彼らは「爆竜覚醒録」の出身のために同時に スタン落ちし、《シャチホコ》は大打撃を受けた。
抜けてしまった《陰陽の舞》が名残惜しくて
《ドラピ》が入っている。
だがここで、紙時代の戦友がようやく駆けつける。
そう、《学校男》だ。1枚で2体のサイキックに
アプローチできる《学校男》が弱いわけもなく、
加えてまだ存命だった《メイ様》に若干だが有効、そして憎き《リュウセイ・ホール》から出てくる
システムサイキック獣にも有効であった。
その他の強化パーツとしては《テスタ》《アリス》
《クロック》が該当するだろう。《アツト》8枚体制
を実現した《テスタ》、ピンポイントな墓地送りや
キャントリップが便利、かつパワー1000で自爆
しやすい《アリス》も想像以上にありがたい新規。
《クロック》は、元から入っていた《湧水》から出せるというシナジーがあり、これからもシャチホコを支える受けとなった。
あとは《エンターテイナー》も強化パーツと見る人がいるのだが、相手から出された際にぶっ刺さるので個人的にはむしろ弱体化パーツである。
そのためこのデッキは、《シャチホコ》を立てて
《湧水》で《モエル》《クルメル》などを呼ぶことで《エンターテイナー》を貫通できるようにした。
そして彼らで僕は謎のデッキを組むことになる。
シャチホコラムダ
ドローソースとサブプランに乏しい《シャチホコ》に、《超電磁コスモ・セブΛ》が入ってしまった。
「《テスタ》で《ラムダ》を落とせば湧水で4ターン《ラムダ》にも繋がるじゃん!」という発想だ。
これ自体にはまぁ…納得できないこともない。
やってることは「湧水シャチホコ」と変わらない。
僕が納得行かないのは、このデッキが割と強かったことである。
最高レートが…1580くらいだったかな、とにかく1600を目指せそうなくらいには強かった。
しかし《ラムダ》というのは、有り余るリソースをマナを伸ばしながら捌いてビートしていくものだと思っていたから、このデッキが強かったのは想定外
だった。
マナを伸ばさずとも得たリソースを捌ききれる構成
なら許容範囲ということなのだろうか?
元はシャチホコの新たなドローソースを開拓する
目的で試していたのだが、立派なサブプランとして
働いてくれたので、シータ基盤に一矢報いることが
できたかもしれない。
シャウトシャチホコ
今弾の《シャチホコ》デッキに採用された
新規カードはたったの1枚。
だけどその1枚で革命が起きた。
《夜露死苦 キャロル》の登場である。
この「シャウトシャチホコ」は、リソース不足の
原因を作る《アツト》《テスタ》で捨てるカードを《キャロル》にすることで手札枚数をキープできる作りになっている。
しかも《キャロル》は実質的にモヤシでありながら、破壊置換をしないので《シャチホコ》が反応。
おまけに青を含む多色のため《湧水》の条件と
《シャチホコ》の進化元を同時に満たしてくれる。
都合が良すぎるんじゃないだろうか。
これにより《アツト》《テスタ》を連打してデッキ
を回しながら横に並べてもリソース不足になることがなくなり(むしろ増える!)、《シャチホコ》
着地後のスムーズな覚醒リンクを可能とした。
更にはリソースが続くようになったことで
《クロスファイア》の採用が現実的になり、
《シャチホコ》が《VAN》のせいで出られない時や
ビートダウンで勝たなければならない時、など…
サブプランの役割を立派に果たしてくれた。
《デストラーデ》がいなくなってからというもの、なんとなくデッキの面白さや奇抜さに疑問を抱いていたのだが、(《ラムダ》を採用しておいて何を
言っているのだろうか?)噛み合いがよく、対面で全く見ない《キャロル》のおかげで楽しく回せた。
そしてやってきたラストシーズン。不運なことに
新弾「龍解紅蓮伝」は単色弾。多色の生き物全てを強化パーツと言い張ることができるシャチホコでもこれは流石に渋い。加えて、
・《特攻人形ジェニー》
・《時空のガガ・シリウス/時空のセブ・ランサー》
のスタン落ち。大ダメージである。
シャチホコ名誉自壊クリーチャーの
《特攻人形ジェニー》が痛いのは勿論、
《永遠のリュウセイ・カイザー》を殴り返し、
《ウェディング・ゲート》からの
《スター・イン・ザ・ラブ》を華麗に刺す
《ガガ・シリウス》もいぶし銀なカードだった。
いてくれたら《グレンモルト》に対してかなり有効だったはずなので、とても残念だ。
このデッキの新カードは《オリオティス》のみ。
《リュウホ》の《勝利リュウセイ》をやんわり拒否しつつ(《勝利ガイアール》は代用カード
《ブーストグレンオー》があるため刺さらない)、
新デザイナーズデッキ「白単」のシンパシー持ちや「墓地ソース」の《5000GT》などを止めるために
入れている。
有効でない時でもチャンプブロッカーとして立てることで《シャチホコ》でサイキックを呼ぶ手助けになるのはシナジーと言い張ることにしよう。
ただのチャンプブロッカーでもシナジーが作れる、
シャチホコの度量に震えて頂きたい。
今弾は《グレンモルト》と《サイクリカ》が席巻、
熾烈なビートと執拗なコントロールのぶつかり合いが発生していた。
《シャチホコ》的には《モルト》側が自爆先としてありがたい対面で、《サイクリカ》側はひたすらにキツかった。
なにせ《サイクリカ》はシータ基盤の最終形態。
ガン不利に決まっている。
逆に《モルト》は《ガイギンガ》のバトル時パワーが10000を超えるため、《激相撲》でパンプされた
《天下統一》も自爆することができ、《絶対絶命》のPsリンクによるカウンターがやりやすかった。
マスター昇格を5回は阻まれたもののなんとか昇格、
22弾シャチホコ単騎マスターとかいう変な実績を
立てて今に至る。
カジュアル編
こちらでは「デッキビルド杯」などで作った強さをそんなに重視しないシャチホコを放流しておく。
…まあ、ランクマッチですら遊びを持たせた構築で
挑んでいるから、そこまで差はないかも。
ガラクタも紙束も良作も等しく投げておくので、
デッキアイデアのジャンク品くらいに見るのが
丁度いいのではないかと思う。
…とか言ってると掘り出し物が見つかったりする。
《陰陽の舞》×《シャチホコ》はその最たる例だ。
あれ?意外と数がなかった。
面白いギミックは実用化までこぎつけようと
奮闘する癖があるので、僕がやってなかったら
マグナムもヒッポもラムダもキャロルもこのチャプターに入れられてネタデッキの範疇に収まっていたかもしれない…
…なんて考えるのは思い上がりってものかな。
だからシャチホコが好きって話
僕はコントロールが好きだ。しかし、あくまで
「詰め」が好きなだけであり、カードパワーを
押し付けて圧倒するのが好きなわけではない。
しかしデュエマでビッグアクションをするためには
マナを貯めなければならず、そのためには
《ライフ》などのカードを使わなければならない。
そうなると、デッキパワーを落とさないように
高コストながらもパフォーマンスの高い…いわゆる
「パワーカード」を積むことになるわけだ。
必然、そのパワーを押し付けることで勝ち筋を作る
デッキが強いという結論が出るわけだが…
それは果たしてコントロールか?
厳密には「ビッグマナ」に該当しないだろうか?
有名なコントロールデッキには「5色コントロール」
なんてものがあるが、結局は《ミラクル》で
効率よくマナを伸ばすための「5色」である。
デュエマのコントロールはビッグマナと切り離す事
ができないのだろうか……?
否。
これに背筋を伸ばして返事をしたカードがあった。
《シャチホコ》だ。
《シャチホコ》は、僕の理想の「コントロール」を現実にしてくれた。
マナを伸ばすことで多様なアクションを可能にするのではなく、「クリーチャーの破壊」を以て多彩な
搦手を繰り出す。デュエプレ版の《シャチホコ》はすべての文明のエイリアンサイキッククリーチャーを使えるようになり、その可能性は超次元ゾーンの限界…8種類にも及ぶ。
よく《リュウホ》が「最大24択を選べるカード」と称賛(罵倒)されるが《シャチホコ》は8×7×6×5×…を破壊できるクリーチャーの数だけ行う。
そこからさらにクリーチャーのぶつけ方などを
工夫すれば優に100を超える択を作ることができる。
《リュウホ》なんて目ではないのだ。
この「択の多さ」は僕を魅了した。
何度だってプレイミスをしたが、
使うたびに新しい裏技が見つかった。
シータ対面のザビリゲル。
トリーヴァ対面のハイドラギルザウルス。
光臨対面のガロウズセブカイザー。
祝門対面のガガシリウス。
永遠を前にセブランサー…
…しかし、それでも。
6環境も握って、まだ見つけていない裏技もあるで
あろうことがよくわかる。
《シャチホコ》はそれほど深いカードだった。
そこが好きで好きでたまらなかった。