二人のお姫様が踊っている『ミッドナイトスワン』


悲しい、悲しい物語。でも、最後まで、世界はなぎささんのものだった。
わたしは少し羨ましいよ。自分でいることを、少しだけ諦めてでも、大切にしたいものがある。自分が今まで大切にしてきたものが、覆されるほどの大切に、わたしはまだ出会ったことないもの。
不条理。なぎささんは、世界を舐めていたわけではないと思うの。世界の残酷さを、たくさんたくさん知っていて、それでも、大切を諦められなくて、戦い続けた。なぎささんは、紛れもない勝者だ。光を失って、そうして、それ以上の眩い光を見ながら死んでいった。なぎささんの戦いが勝利であることの証明を、いちかはしていくのだろう。そうであってほしい。
深夜、二人のお姫様が踊っている。わたしは美しいものを見るのが好きですよ。強く、強く生きていくのって、どう?弱いものだけが救われるこの世界で、それでも、もっともっと美しいものを見られるのは、強いものだけだと信じたい。

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